マンホールに転落の4人、死亡を確認 業務上過失致死容疑も視野

2025/08/02 20:38 

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 2日午前9時25分ごろ、埼玉県行田市長野で、下水道管を点検していた作業員から「同僚がマンホールに落ち、助けに行った3人も戻らない」と119番があった。県警行田署と地元消防によると、50代の男性作業員4人が地中の下水道管に落下した。

 午後4時ごろまでに全員が救助されたが、いずれも心肺停止の状態で搬送され、病院で死亡が確認された。

 現場の下水道管は地上から約10メートルの深さに埋まり、直径2・6メートル。汚泥などが堆積(たいせき)し、汚水の深さは1・8メートルほどだったとみられる。硫化水素ガスが発生していたうえ、低酸素状態だった可能性もあるという。

 この日は午前9時から、行田市の業務委託を受けた土木工事会社の作業員7人が老朽化の点検をしていた。マンホール(入り口の直径約60センチ、内部の直径約90センチ)内のはしごを伝って下りた1人が転落し、助けようとした3人も相次いで落下したとみられる。

 県警は、死因の特定を進めるとともに、作業員らの装備や事前の検知作業など安全管理が十分だったかどうか、業務上過失致死容疑を視野に詳しい経緯を調べる。

 市下水道課によると、今回の作業は、1月に同県八潮市で起きた大規模な道路陥没事故を受けて国が全国の自治体に要請した調査の一環で、老朽化を点検するためだった。転落現場付近の下水道管は1981年に設置されたという。

 現場は、秩父鉄道行田市駅から南東1・7キロにある県立行田特別支援学校の南西側で、新忍川沿いの一角。【肥沼直寛、柿崎誠、稲垣衆史】

毎日新聞

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