福山雅治さん「クスノキ」 長崎の児童100人が合唱へ 平和式典で

2025/08/02 12:45 

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 長崎市が9日に開く平和祈念式典で、爆心地に近い市立城山小と市立山里小の5、6年生100人が、市出身のシンガー・ソングライター、福山雅治さんが作詞・作曲した「クスノキ」を合唱する。例年は1年ごとに交互に合唱している2校が、被爆80年の節目に初めて合同で歌う。7月29日、同市平野町の平和会館で合同練習があった。

 2000年に始まった式典での児童合唱で、城山小が「子らのみ魂よ」、山里小は「あの子」を交互に披露してきた。今回参加する児童はオーディションで選んだ。

 曲目の「クスノキ」は、爆心地から約800メートルの山王神社(同市坂本2)の境内にあり、原爆の爆風や熱線にさらされながらも枯れることのなかった被爆クスノキが題材。市調査課は「被爆後70年は草木が生えないと言われた長崎で、被爆2カ月後には新芽を出し、力強く育った被爆クスノキを取り上げた歌。復興への勇気やたくましさが表現されている」としている。

 合同練習では、城山小の教諭が「もっと思いを込めて」「声をそろえて」「平和への叫びを表現して」などと指導。同小6年の三宅陽葵(ひなた)さん(12)は「音をそろえたり強弱を付けたりするのが難しい。『この身折られど、この身焼かれども』という歌詞が印象深い。平和への思いだけでなく、生きる強さも表現したい」と話した。

 市調査課の伊福伸弘課長は「2校合同での合唱は最初で最後になるかもしれない。暑い日が続いているので、子供たちには健康に気をつけて本番を迎えてほしい」と話した。【添谷尚希】

毎日新聞

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