「そのお金どうするんですか」82歳に声かけた81歳 娘と詐欺防ぐ

2025/06/25 17:51 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 82歳女性のSNS(交流サイト)型投資詐欺被害を未然に防いだとして、福岡県警折尾署は25日、同県水巻町の蔵戸トモ子さん(81)と、蔵戸さんの娘、鞍手町の立花真由美さん(50)の母娘に感謝状を贈呈した。親子の連携プレーで、同世代となる高齢者の被害を防いだ蔵戸さんは「大きな被害を防げて良かった」と笑顔をみせた。

 折尾署などによると、2人は5月20日午後、遠賀町の商業施設で施設内のATM(現金自動受払機)コーナー付近のベンチで、200万円分の1万円札が入ったエコバッグを抱えた女性と隣り合わせとなった。

 蔵戸さんは女性がスマートフォンとクレジットカード数枚を手にしていたことを不審に思い、「そのお金どうするんですか」と声をかけると、女性は「急いで振り込めばお金が増える」と話した。立花さんが女性のスマホ画面を確認したところ、入金を誘導する内容が示されたため、110番。事なきを得た。

 女性が「仲間内で投資の誘いを受けた」などと話し、現金を持った手も震えていたことから母娘は詐欺ではないかと直感。女性は当初、警察への相談を渋ったものの、蔵戸さんが何度も促して通報に至った。

 蔵戸さんには詐欺被害に遭った知人がいたため「女性の様子も落ち着かず、もしやと思って話しかけた」と振り返った。折尾署の末崎誠吾署長は「未然に防げて良かった。詐欺集団の一網打尽に向けて引き続き対策を強化していく」と述べた。【橋本勝利】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報