「心より申し訳ない」トライグループが水俣市に謝罪 教材に誤表記

2025/06/25 10:27 

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 「家庭教師のトライ」の運営会社トライグループ(東京)がオンライン教材で水俣病を「遺伝する」と誤って表記した問題で、同社の幹部らは25日、熊本県水俣市を訪れて高岡利治市長と面会し、謝罪した。

 トライグループの楠瀬大吾・執行役員と、伊藤元洋・九州地域本部長が訪問。楠瀬執行役員は「弊社が作成した学習教材で水俣市の皆様、水俣病に関係するすべての皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけし、心より申し訳なく思っている」と陳謝した。

 高岡市長は「我々も正しい情報発信をしてきたつもりだったが、残念というのが正直な気持ち」とした上で、「今後(トライグループが)どういう形で対応をしていくかが、市民にとっても、被害に遭われた方にとっても大事」と述べた。

 誤りがあったのは映像授業サービス「Try IT」の中学生向け社会の教材。妊娠中の母親が摂取したメチル水銀が胎盤を通じて胎児に取り込まれ、生まれてきた子どもが水俣病を発症する事例の説明で「遺伝」と表現していた。教材は2015年にアプリで公開。16年から動画投稿サイト「ユーチューブ」でも配信し、今年5月に非公開とするまでに再生回数は計延べ7万回を超えた。

 同社の幹部らは25日午後、水俣病の患者・被害者団体でつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」や、誤表記などの問題を受けて発足した「水俣・差別偏見を考える会」とも面会する予定。【石井尚】

毎日新聞

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