JA全農幹部 コメ輸入に危機感 「国内生産の継続に大きく影響」

2025/06/24 18:49 

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 全国農業協同組合連合会(JA全農)の金森正幸常務理事は24日、コメ価格の高騰について「短期間で2倍近くに上昇し、消費者は買うことにためらいがある。高い関税を払って輸入米が日本のマーケットで売られていることに危機感を感じている。国産米の消費減退になってしまうと、コメ生産の継続、生産基盤の維持・確保に大きく影響を受けることを心配している」との懸念を示した。

 大阪市内で開いた報道向け説明会で述べた。また、金森氏は「適正な価格の水準を探る努力を重ねていきたい」とも語った。

 JA全農は3~4月の計3回の政府備蓄米の入札で全体数量の約95%の約29万6000トンを落札。最近は平日4000トンを出荷しており、6月19日時点で6割超となった。金森氏は8月までに全量の引き渡しを終える見通しを明らかにした。

 また、JA全農は24日、兵庫県内の精米工場を報道陣に公開。随意契約による政府備蓄米が搬入され、加工ラインへの投入や精米加工、袋詰めなどの様子を公開した。この工場では平日と土曜日の稼働時間を1日当たり5時間程度延長し、精米能力は従来の1・5倍の200トンとフル稼働状況という。関西を中心に量販店などに出荷しているという。【新宮達】

毎日新聞

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