万博「リング」一部保存で議論 新たな防火対策不要の案も提示

2025/06/23 14:57 

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 大阪・関西万博の大屋根「リング」の閉幕後の活用について、国、大阪府と大阪市、経済界の代表者らが23日午前、同市内で会合を開いた。大阪府の吉村洋文知事によると、リングを原形に近い形で一部保存する場合、建築基準法に基づく建築物としてだけではなく、同法に基づく準用工作物(物見塔)として扱うことも可能とする案で合意した。準用工作物として扱えば、リングの下側は使えないが、新たな防火対策は不要だと説明している。近く概算の費用を算定する。

 府と市は北東側の約200メートルの一部保存が実現しなかった場合、南側の約350メートルを保存する案も示している。所有する主体として、民間事業者▽万博の剰余金の管理団体▽公園管理者――などを例示した。

 会合終了後、吉村氏は報道陣に対して「現実的には準用工作物だと思う。ビルのような防火対策は要らないので、費用面が変わる。実態としても展望台に近い。これが主軸で、適切だと思う。国土交通省とも協議が進んでいる」との見解を述べた。

 日本国際博覧会協会(万博協会)によると、北東側の約200メートルについては、会場跡地の開発を担う民間事業者に引き渡すまでの維持管理費などは、会場建設費から支出する。南側の約350メートルを保存する場合、リングの改修や維持管理にかかる費用の財源として、万博協会の運営費の剰余金や会場建設費のほか、国の補助金・交付金、府や市の自主財源などあらゆる可能性を検討する。【岡崎英遠、鈴木拓也】

毎日新聞

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