中居正広氏側、フジ第三者委に反論 「ヒアリング内容反映されず」

2025/05/12 20:25 

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 フジテレビの第三者委員会に元フジアナウンサーの女性への性暴力を認定された元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は12日、「一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」などと反論し、第三者委に対し証拠の開示や説明を求める申し入れ書を提出した。

 第三者委が3月末に取りまとめた調査報告書は、中居氏の女性に対する「業務の延長線上における性暴力」を認定し、中居氏が守秘義務の解除に応じなかったとした。

 5人の代理人弁護士は申し入れ書で、中居氏が当初、守秘義務の解除を提案したが、第三者委から「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない」と回答があったと指摘。中居氏は3月9日、約6時間にわたり第三者委のヒアリングに応じたものの、調査報告書には発言内容がほとんど反映されなかったとしている。

 第三者委が中居氏の性暴力を認定した点についても、一方的な伝聞証拠などに基づいた事実認定によるもので中立性、公正性に欠けると抗議した。代理人弁護士らが中居氏から聞き取りをし、関連資料を精査した結果、「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と主張した。

 代理人弁護士らは「中立性・公正性を欠いた調査報告書の公表により、(フジの)役員でも、従業員でもない、調査に協力した個人である中居氏が不当な社会的非難に、将来にわたり継続してさらされ続ける状態は看過されるべきではない」と指摘。中居氏の人権救済のため、第三者委が調査報告書の作成に用いたヒアリングの記録のほか、性暴力を認定するに至った証拠や資料を、26日までに開示するよう求めた。

 フジが設置した第三者委の委員長を務めた竹内朗弁護士の法律事務所は、中居氏の代理人弁護士らからの申し入れについて、取材に「お答えできかねる」とコメントした。【河慧琳、諸隈美紗稀】

毎日新聞

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