別企業でも粉飾指南か 融資金詐取容疑でコンサル会社元社長ら再逮捕

2025/01/09 11:30 

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 経営コンサルタント会社の幹部らが企業の決算を粉飾して融資金を詐取したとされる事件で、大阪府警は9日、別の企業でも虚偽の決算資料を作り金融機関から約4860万円を不正に得たとして、コンサル会社「エムエスジー」(大阪市淀川区、破産手続き中)の元社長、平井登被告(50)=詐欺罪で起訴=を詐欺容疑で再逮捕した。

 平井容疑者と共謀し、自社の決算を粉飾して融資金をだまし取ったとして、電気工事会社「ZERO」(大阪市西淀川区、破産手続き中)の元社長、阿部哲也容疑者(55)=さいたま市大宮区=も詐欺の疑いで逮捕された。捜査関係者が明らかにした。

 捜査関係者によると、2人は2020年6~12月、ZEROの財務状況を良好に見せかけたうその決算書を神戸市中央区の金融機関に提出し、融資金約4860万円を詐取した疑いが持たれている。府警は融資金の使途を調べる。

 金融機関に示した決算書で売上高を本来より多く計上したり、借入金も少なく記載したりして経営が順調なように装っていた。しかし、実際は当時、2億円以上の債務超過に陥っていたという。金融機関が24年6月に告訴していた。

 平井容疑者は大阪市の清掃会社の決算を粉飾して融資金約5000万円を詐取したとして、24年12月に逮捕・起訴されていた。関係者によると、容疑者はこの清掃会社を含む企業グループで経営を指南する立場だったとされる。ZEROもグループ企業の一つで、平井容疑者の会社とコンサル契約を結んでいた。

 ZEROは1998年設立。電気工事や空調工事を手がけていたが、業績低迷で24年10月に大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。エムエスジーも23年9月に破産手続きの開始決定が出された。【岩本一希、川地隆史】

毎日新聞

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