「あと何回、修理すればいいのかー」自傷や他害頻発…“強度行動障害” 当事者家族から切実な声…

2026/09/26 08:48 

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 自傷や他害、物の破壊などが頻発する「強度行動障害」を巡り、適切な支援を受けられずに家庭内でのケアが限界を迎えるケースが後を絶たず、静岡県内の当事者家族が切実な声を上げている。国、県は専門支援の強化に向け人材育成や体制整備を進めているが、必要とする家庭に行き届いていないのが現状だ。県西部の当事者家族に話を聞いた。
 「あと何回、修理すればいいのか」。県西部に住む医療職の女性(51)は、知的障害の長男(23)との二人暮らしに行き詰まっている。フルタイムの仕事から帰宅すると、リビングの窓やドアのガラス、インターホンが割られていたり、大切な書類が落書きされて切り刻まれたりするといったことが頻繁に起きる。勤務中、長男が近所で叫んでいると警察から連絡が入ることもある。
 長男の知的発達は5、6歳程度。特別支援学校高等部を卒業するまでは穏やかに過ごしていたが、卒業後に通った就労支援施設でスタッフから叱責(しっせき)されたことなどを機に、暴言や暴力が始まった。環境を変えても状況は改善せず、入居したグループホームも暴力や備品の破壊などを理由に2カ所を退去。精神科への入院も余儀なくされた。
 昨年秋から続く二人暮らしでは、長男は日中の大半を自宅で過ごす。女性は20年ほど前に離婚し身近に頼れる親族はいない。相談支援専門員に県外も含め、長男が暮らせるグループホームを探してもらっているが難航している。行政などにも相談をしてきたが「具体的には何も進まない」と肩を落とす。「先が全く見えない。長男の前でいら立ってしまうこともあり、自分の理性のあるうちに何とかしたい」と焦りを募らせる。
 強度行動障害は、個人の元々の特性(障害)と、周囲の環境や関わり方との間のミスマッチなどにより後天的に生じるとされる。
 「長男の行動には、本人なりの理由があるはず。でも、自分自身が疲弊しきっていて、寄り添って考えられなくなっている」。長男と適切な距離を取り、互いに平穏に暮らせる環境を女性は切望している。
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