日経平均5万円突破で「経済好循環」へ高まる期待 静岡県内からは新政権に「生活者目線の政策」…

2025/10/28 09:43 

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 日経平均株価が史上初の5万円を突破した27日、静岡県内ではさらなる投資マインドが経済成長をもたらす好循環に期待が高まった。一方、物価高に賃金の上昇が追いつかない状況は変わらず、生活実感を伴わない急激な株高を冷静に受け止める県民も。「貯蓄から投資」の流れも強まる中、生活者の目線に沿った経済政策を新政権に求める声が上がった。
 「ここで売った方がいいのか、買ってもいいのかと。証券会社にとっても個人投資家にとっても経験がない局面」。浜松市内の大手証券会社では、同日朝から株の売買に関する問い合わせが相次いだ。関係者は株価動向について「今後も力強く推移する」と見通し、「情報を丁寧に伝えていく。継続して個人投資家の裾野拡大に力を入れたい」と語る。
 静岡市の静銀ティーエム証券によると、4月に米トランプ関税で不透明感が強まった株式市況は6月に流れが変わり、7月ごろにはほぼ正常化。国内外の政局が落ち着き始めた9月以降は活発な取引が続く。大石実社長は「5万円の壁を破ったことで、投資家の心理はポジティブに傾く。投資の流れがさらに強まるのでは」と期待する。
 株式運用の相談で静岡市内の証券会社を訪れた掛川市の50代男性は、株高の背景として「諸外国にしっかりとものが言える強いリーダーへの期待の表れ」と新首相を評価。一方、昨年から少額投資非課税制度(NISA)を始めたという同市内の主婦(48)は、「5万円は驚いたが、生活が良くなったという実感がない。実体経済が上向く施策を」と政治に注文する。
 経営と直結する株価の浮沈に多くの注目が集まるが、県西部の輸送機器関連企業の担当者は「一喜一憂しない。経営力を高める努力が重要」と冷静な見方。中期経営計画や直近の業績が好感されて自社の株価が上昇する背景を「将来の期待値」と分析し、「それを維持するためにも計画の実行力が問われる」と気を引き締めた。
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