兵庫県、当初予算で22年ぶりに基金取り崩し 今後も収支不足拡大か
兵庫県は12日、一般会計で総額2兆3182億円の2026年度当初予算案を発表した。前年度当初比約400億円減の緊縮型。税収は初めて1兆円を超える見通しだが、金利上昇で県債の利息が大幅に増加することなどから129億円の収支不足を見込む。04年度以降22年ぶりに貯金にあたる財政調整基金の取り崩しで穴埋めするが、急速な財政悪化から今後も収支不足額は年々拡大する見通しだ。17日開会の県議会2月定例会に提案する。【稲生陽】
県は投資事業面の見直しを進め、収支不足額の圧縮を図る。不足額は今後、単年度で300億円台まで拡大すると見込まれ、記者会見した斎藤元彦知事は「県はこれまで国の補正予算や有利な制度があれば、それを活用してどんどん道路事業をやってきた構造があった」と指摘。「過去数十年、県は類似自治体と比べて2割以上も公共工事への支出が多かった。今後は公共工事を見直していくが、教育や医療など県民生活には影響しないようにしたい」と話した。
◇歳入・歳出
税収は過去最多の1兆327億円(前年度当初費3・5%増)を見込み、借金にあたる県債は1244億円(同4・7%減)を起債する。県債残高は26年度末で3兆464億円(臨時財政対策債など除く、うち震災関連は853億円)と2年ぶりに減る見通しだ。年々増やしていた財政調整基金は収支不足の穴埋めのため、前年度の236億円から107億円に減る。
歳出では公共工事などの投資的経費を1888億円と前年度当初比で4・8%減らす一方、借金返済費用を示す公債費は金利上昇により2880億円と同3・7%増えた。
◇金利上昇で収支不足
県は予算案と同時に今後の財政見通しを発表。公債の長期金利が従来想定していた1・3%から2%以上に高止まりしており、年間4000億円前後の起債(借り換え債含む)に伴う公債費が、今後は毎年約40億円ずつ増えていくと推定した。
新庁舎建設工事などの負担も重なり、26年度から3年間で累計160億円としていた収支不足は530億円まで悪化。33年度まででは計2100億円の不足(これまでの想定では計365億円)になる。
25年度決算では14年ぶりに起債に国の許可が必要な「起債許可団体」に転落するとみていたが、その基準となる指標の「実質公債費比率」もさらに悪化する。県は基本方針の「県政改革方針」で今後の投資事業の県負担額の上限を25年度水準にとどめるよう修正したが、不足額解消のためにはさらに削り込む必要がある。県は起債許可団体となる今年8月までに有識者検討会を開くなどして原因究明と対策を急ぐ考えだ。
◇大型事業
事業面では、県が進めてきた「若者・Z世代応援」の一環で県立高校の設備拡充などに大きく予算を割いた。
目玉事業で、24年度から段階的に始めた県立大・芸術文化観光専門職大の入学金・授業料無償化は、新たに1年生分を追加して完全実施(約3200人)となる。今回は前年度から4割増となる19・6億円を盛り込んでおり、今後も毎年同規模を計上する。
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