総裁選巡るX投稿分析 肯定的投稿際立った高市氏は「稀有な存在」
情報分析会社ジャパン・ネクサス・インテリジェンス(JNI)は、自民党総裁選期間中のX(ツイッター)上の投稿を分析し、各候補に言及した投稿をポジティブ(肯定的)やネガティブ(批判的)などに分類した。
その結果、候補者5人のうち、高市早苗前経済安全保障担当相だけがポジティブがネガティブを上回り、交流サイト(SNS)上で肯定的な反応による追い風が吹いたことをうかがわせた。
◇逆風にさらされた小泉氏
調査は総裁選期間(9月22日~10月4日)にX上で各候補に関連した投稿のうち、いいね▽リポスト▽リプライ――などの「エンゲージメント」数が多い上位100件を抽出。
それらの投稿の内容を、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルの3分類で分析した。
例えば、候補者の発言を批判する投稿はネガティブに、称賛するような投稿はポジティブに分類。本人による投稿は除外した。
他の候補者に関する投稿で、対比として名前が出された候補者についてはニュートラルに分類した。
5候補のうち高市氏は唯一、ポジティブな反応がネガティブを上回った一方で、小泉進次郎農相、林芳正官房長官、茂木敏充前幹事長は大半をネガティブが占めた。
5氏の中で、SNS上で最も逆風にさらされたのは小泉氏だった。
小泉氏に関連した総裁選期間中のXの投稿数は約560万件。前回2024年総裁選比で260%となりダントツだった。
投稿がどれだけのユーザーに表示されたかを示す「推定リーチ数」でも、前回の5倍に達し、他候補を圧倒した。
しかし、小泉氏に関する上位100位までの投稿を分類すると、ネガティブは約73%に上ったのに対して、ポジティブは約1%しかなく、批判的投稿が圧倒的だった。
JNIヘッドアナリストの竜口七彩さんが要因の一つに挙げるのが週刊誌報道だ。
陣営がインターネット上の配信動画に小泉氏を称賛する投稿を促す「やらせコメント」問題の発覚をきっかけに、週刊誌による複数の報道で批判が広がった。
竜口さんは、一般的にネガティブな投稿の方が「いいね」やリポストを集めやすい点に触れ、「今回もその傾向が強く、小泉氏の投稿量増加は週刊誌報道が火種になった」とみる。
さらに批判が集中する形で拡散した点では、いわゆる「炎上型」だったという。
他に、ネガティブの割合が大きかった林氏と茂木氏は討論番組で「スパイ防止法」制定の是非を問われ、「現時点で必要ない」と述べたことへの反発が見られた。
小林氏は他候補との比較で名前に言及される投稿が目立ち、ニュートラルの割合が50%を超えた。
◇肯定的な投稿相次いだ高市氏
対照的だったのが高市氏。
<もちろん高市早苗さん一択です!>
<高市早苗さんをよろしくお願いします>
支持を表明したり、呼びかけたりする投稿が目立ち、ポジティブ58%に対して、ネガティブは3%と肯定的な投稿が過半数を占めた。
竜口さんは「特別な現象というより、もともとコンサバティブな層を中心に安定した支持があった」と指摘する。
高市氏も、外国人を念頭に「奈良のシカを蹴り上げるとんでもない人がいる」と語ったことが、波紋を広げた。
だが、比較的ユーザー層が若いとされるXでは批判は限定的で、むしろ<高市早苗さんは言ってることは正しいですよ>などと擁護する投稿が複数ランクインした。
◇稀有な存在だった高市氏
竜口さんは総裁選を「SNSでは共感より怒りや驚きといった強い感情の方が可視化されやすい。今回の総裁選は、炎上的な拡散構造がより明確に表れた」と振り返った。
その上で、当選した高市氏については「SNS世論が全体として総裁選に批判的なムードに傾くなかで、肯定的反応を集めた稀有(けう)な候補として存在感を示した」と述べた。【隈元悠太】
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