京都府選出の自民党参院議員で同党府連会長の西田昌司氏の「ひめゆりの塔」（沖縄県糸満市）の展示内容を巡る発言について、西脇隆俊知事は９日の定例記者会見で「発言について私がいいとか悪いとかコメントする立場にはない」と述べた。

　西田氏は３日に那覇市であったシンポジウムで、第二次世界大戦末期の沖縄戦で動員された学生や教員を慰霊するひめゆりの塔の展示について「歴史を書き換えている」という趣旨の発言をした。７日の記者会見では発言を撤回する考えを示さなかったが、一転して９日の会見で「発言は訂正、削除したい」と謝罪した。

　西脇知事はこうした経緯も含めた質問に対し「コメントする立場にはない」と繰り返した上で、「筆舌に尽くしがたい苦難を経験された沖縄の人たちに寄り添うというか、思いを常に持っておくことが重要。そうした考えを持っていれば、それに沿った言動や行動を起こすということが当然になると思う」と話した。【久保聡】