自民・西田氏、「ひめゆり」発言を謝罪 「訂正、削除する」

2025/05/09 13:27 

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 自民党の西田昌司参院議員は9日、国会内で記者会見し、「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)の展示内容を巡る自身の発言について、「丁寧な説明なしにひめゆりの塔の名前を出したこと自体、非常に不適切だった。沖縄県民、ひめゆりの塔の関係者におわびを申し上げる。発言は訂正削除する」と謝罪した。

 西田氏は3日に那覇市であった憲法記念日のシンポジウムで、参院議員になる前に訪れたというひめゆりの塔について「あの説明のしぶりを見ていると、要するに日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった。そしてアメリカが入ってきて沖縄は解放された。そういう文脈で書いている。歴史を書き換えられると、こういうことになっちゃうわけだ」と発言した。

 発言を受け、連立を組む公明党は自民側に発言の撤回と謝罪を要求。野党や沖縄県内からも批判の声が相次いだが、西田氏は7日の記者会見で「事実を言っている。今回の発言で県民を傷つけたとの報道になっているが、そういう意図はない」と述べ、発言を撤回しなかった。

 9日の会見で西田氏は、シンポジウムでひめゆりの塔に触れたことについて「トラウマのように苦しみを思い出されてしまうことに配慮できなかった。私の一番の間違いだ。なお一層沖縄県民の心に寄り添い、沖縄の政策を支援したい」と述べた。

 一方、展示を巡る事実関係については「事実だという前提で今も話している」と強調。「問題は事実だけではなく、沖縄県民の心を分かっていなかったことだ」と主張した。

 講演での「沖縄の場合は地上戦の解釈を含めて、かなりむちゃくちゃな教育のされ方をしている。自分たちが納得できる歴史をつくらないと、日本は独立できない」という発言についても撤回しないとした。【畠山嵩】

毎日新聞

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