ロシアとウクライナが1000人ずつ捕虜交換を完了 停戦は見通せず

2025/05/25 20:18 

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 ロシア国防省は25日、ウクライナとの16日の直接協議で合意した1000人ずつの捕虜交換を完了したと発表した。前回協議で「唯一の成果」と言える捕虜交換が履行され、今後は協議が継続されるかどうかが焦点となる。露側は近く停戦に向けた見解を提示する方針だが、双方の主張の隔たりは大きく、停戦の行方は依然として見通せない状況が続く。

 ロシアとウクライナは23~24日に計697人ずつの捕虜を相手側に引き渡した。25日には新たにそれぞれ303人の捕虜を解放した。

 次回の直接協議の日程は未定で、ウクライナ側は捕虜交換後に次回協議の場所の選定を急ぎたい考えを示していた。一方、露側は16日の協議で「双方が停戦に向けた見解を示した上で、協議を継続することで合意した」と説明。ラブロフ露外相は23日、「捕虜交換が終わり次第、ウクライナ側に文書案を提示する」と話していた。

 ただ、約3年2カ月ぶりとなった16日の直接協議では、ウクライナが「30日間の一時停戦」を優先的に求めたのに対して、露側は領土問題などで譲らない姿勢を示した。一時停戦の要求も拒否し、強硬的な態度を崩さなかった。ロシアは長期的な停戦に向けた「危機の根本原因の除去」が必要との立場を繰り返しており、協議は引き続き難航が予想される。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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