インドで進む"アニメの日常化"が浮き彫りに 「スマホで視聴」が約96%、アニメグッズ購入ト…
インドで進む"アニメの日常化"が浮き彫りに

博報堂のインド拠点であるHakuhodo Indiaは、インド国内の主要8都市における日本アニメの視聴・利用者を対象とした意識・行動実態調査の結果を発表した。近年、若者を中心に日本アニメの人気が急速に高まっているインド市場。調査からは、スマートフォンを軸とした圧倒的な「モバイルファースト」の視聴環境や、アニメが友人同士のコミュニケーションにおける“共通言語”として機能している、インドならではの興味深い実態が浮き彫りになった。
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■ 圧倒的なモバイルファースト 95.9%が「スマホでアニメ視聴」
アニメを視聴する際に利用するデバイス(複数回答)を尋ねたところ、「スマートフォン」が95.9%と圧倒的多数を占めた。次いで「テレビ(72.3%)」、「パソコン(37.8%)」、「タブレット(19.8%)」と続き、移動中やちょっとした空き時間、就寝前など、生活のあらゆるシーンでスマホを通じてアニメが日常的に視聴されている環境がうかがえる。
また、利用している視聴プラットフォーム(複数回答)では、有料動画配信(OTT)サービスが上位を独占。「Netflix」が74.0%でトップとなり、次いで「JioHotstar/Disney+(69.1%)」、「YouTube(68.8%)」、「Amazon Prime(56.4%)」となった。その一方で、「Cartoon Network(48.0%)」などの従来型TVチャンネルも一定の利用率を維持しており、デジタルとアナログが融合した視聴環境が形成されている。
■ 音声は「ヒンディー語吹き替え」が圧倒的、字幕派は「英語」を好む傾向
日本アニメを視聴する際の音声設定(単一回答)では、「吹き替え版」が61.1%と過半数を占め、「字幕版(35.1%)」を大きく上回った。多くの視聴者が字幕を読むよりも、よりローカライズされた音声で気軽に楽しむスタイルを求めているようだ。吹き替え言語では「ヒンディー語(73.1%)」が突出した支持を集めた一方、字幕の言語設定では「英語(68.9%)」が最も好まれる結果に。「音声で気軽に楽しみたい吹き替え派」と「字幕は英語で読む字幕派」という、言語選好における対照的な傾向が見られた。
■ アニメは友人との「共通言語」に 一方で“オタク消費”はこれからの伸び代
アニメ関連の活動(複数回答)として最も高かったのは、「友人とアニメについて会話する(66.0%)」だった。さらに「SNSでの関連投稿(44.3%)」や「友達とのアニメ視聴パーティー(36.8%)」など、周囲とつながるアクティビティが上位にランクイン。インドにおいてアニメは、単なる視聴コンテンツにとどまらず、仲間との交流を生むコミュニケーションの手段として機能している。
一方で、「コスプレ(10.5%)」や「アニメイベントへの参加(22.3%)」といった一歩踏み込んだファン活動は限定的。オフラインでのオタクカルチャー消費はまだ発展途上であり、今後の大きな成長余地を残している。
また、過去6ヶ月間のアニメ関連の支出金額は、有職者で1500〜2000ルピー(約2550〜3400円)、学生・専業主婦で500〜1000ルピー(約850〜1700円)が最多となった。これは平均家庭月収のわずか0.3〜0.4%程度に過ぎず、アニメへの熱量の高さに対して、実際の消費支出への転換はまだ限定的。今後グッズやイベントなどのマネタイズが強化されれば、さらなる市場拡大が期待できる。
■ グッズ購入は「飾る」より「使う」 自己表現のアパレルが人気
購入したことがあるアニメグッズ(複数回答)では、「アパレル(Tシャツ、パーカーなど)」が72.1%で最多。次いで「文房具(66.7%)」、「アクセサリー(56.3%)」、「バッグ・リュックサック(55.8%)」と、日常的に身につけたり持ち運んだりできる“日常使いグッズ”が上位を独占した。
対照的に、「フィギュア・プラモデル(31.3%)」や「アクリルスタンド(18.7%)」といった収集・展示目的のアイテムは下位に。インドのアニメファンは、グッズをコレクターズアイテムとして飾るよりも、日々の生活に溶け込ませる「自己表現の手段」として活用する消費傾向があるようだ。
■ 担当者所見「先行者利益を得やすい今こそ、インド市場への参入好機」
Hakuhodo Indiaの調査担当者は、インドのアニメアクティブユーザーが約1億5000万人に達し、総視聴時間で世界第3位(前年比16%増)に急成長しているという業界有識者の見解を交え、次のようにコメントしている。
「視聴者の中心は10〜30代の若年層で、世界的ヒット作がそのままインドでも支持される傾向が強く、巨大なユーザー基盤と高いエンゲージメントは今後のマネタイズに向けた大きなポテンシャルを示しています。こうした実態を踏まえ、本調査に“The Time Is Now”というタイトルを冠したとおり、先行者利益を得やすい今こそインド市場への参入好機と考えます」。
本調査は、博報堂のインド拠点「Hakuhodo India」が、インド主要8都市のアニメを視聴する生活者層(アニメへの関心度が高く、アニメタイトルを1つ以上純粋想起でき、過去3ヶ月以内にアニメを視聴し、OTTサービスに加入している15-39歳)を対象に実施された。※1ルピー=1.7円換算。
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