倉悠貴、海外映画祭に初参加 映画『恋愛裁判』には「生きづらさを解消していく役割がある」

「バンコク国際映画祭2025」に参加した、映画『恋愛裁判』深田晃司監督、倉悠貴

【画像】「バンコク国際映画祭2025」現地で撮影されたほかの写真
「バンコク国際映画祭」は、タイ国政府観光庁が主催して2003年に初めて開催された映画祭。その後、2009年まで開催していたが、以降中断。今年、タイ政府文化庁の運営で15年ぶりに開催された(開催期間:9月27日~10月15日)。
本作の上映は、バンコクの中心街にあるショッピング・モール、セントラル ワールド内にある映画館で行われた。上映前の舞台あいさつでは、それぞれタイ語で自己紹介した深田監督と倉。海外映画祭に初参加となった倉は、「この日を本当に楽しみにしていました。皆さんがこの映画を観てどんなことを感じたのか、たくさん感想が聞けるとうれしいです」と呼びかけた。
上映後には、エンドロールが始まった瞬間に観客から拍手が沸き起こり、観客と一緒に映画を鑑賞していた2人がステージに登場。冒頭、MCが本作について「2回目の鑑賞でしたが、やはり深く感動し、心を揺さぶられました。本当に心に残る作品です。脚本が素晴らしく、この物語に強くひかれます。法廷での論争と、愛や感情に関する判断、それらを明確に定義することの難しさが描かれています。また、社会文化に法律がどのように絡んでくるのか、その多様な側面が非常に興味深かったです。この映画には深く感銘を受けました」と絶賛した。
本作の企画の成り立ちについて問われると、深田監督は「2015年、日本である女性アイドルが男性ファンとの恋愛関係を理由に、所属事務所から提訴されるという事件が発生しました。その事務所には恋愛禁止のルールがあり、当該アイドルも異性との交際禁止という契約書に署名していました。この恋愛禁止契約違反が提訴の根拠とされました。この出来事が、本映画の着想源となっています。恋愛を理由に厳しい裁判にかけられることの不条理さや、それが人権侵害にあたるのではないかという疑問を抱き、この映画の企画が始まりました」と説明。
さらに、「ただ私自身は、自分の考えを観客に伝えるためのプロパガンダとして映画を利用したいとは考えていません。この映画は、観てくださる皆さんが『もし自分がこの立場だったら、あるいはあの立場だったらどうするだろう?』とそれぞれに考えてもらうきっかけとなることを目指しています。そして、それによって、観る皆さん自身の恋愛観などが鏡のように映し出されるような、そんな映画になればと願っています」と映画への想いを述べた。
続いて、倉は演じたキャラクター、間山敬について聞かれ、「敬は当初、ミステリアスな魅力を持つ男性として登場し、アイドルである真衣と再会します。2人は恋愛禁止という制約があるにも関わらず、まるで恋の魔法にかかったかのようにひかれ合い、関係を深めていきます。交際当初、敬は真衣にとって非常に魅力的な存在でしたが、裁判という試練を経験していく過程で、2人の間には距離が生じると共に、以前よりもかっこよさが薄れ、非常に人間的で現実的な人物像が見えてくるように意識しながら役作りを行いました」と複雑な役柄について語った。
さらに、アイドルの恋愛禁止について問われると「役者としてではなく、一個人としては、2人が人生を共に築いていくことが最善だと思いました。しかし、役者という立場、そしてエンターテインメント業界に身を置く者として、複雑な感情もあります。友人である俳優やアイドルたちが、ごく普通の恋愛をしているだけで世間から激しい非難を浴びたり、その関係を公にできないまま隠し続けなければならない状況を目の当たりにしてきました。これはある意味、人権や基本的な権利を放棄させられているようなものであり、そうした生きづらさを解消していくのがこの映画の役割なのではないかと考えていたからです」と答えた。
さらに、Q&Aでは、観客から熱心な感想や質問が多数寄せられ、齊藤のキャスティングに対しての質問が挙がると、深田監督は「齊藤京子さんと出会えなければ作れなかった映画だと思っている」と回答。終了後の映画館のロビーでは、大勢のファンからサインを求められるなど大盛況だった。
なお『恋愛裁判』は、2026年上半期にタイで劇場公開されることが決定し、“アジアのA24”と称され『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年)などの制作を手掛けた映画スタジオGDHが、タイ国内配給権を獲得した。
フランス・カンヌ、韓国・釜山、中国・平遥(ピンヤオ)、オランダ・ロッテルダム、インドネシア・ジャカルタ、タイ・バンコクと、世界各地の映画祭での上映を経て、日本で開催される「第38回東京国際映画祭」(開催期間:10月27日~11月5日)〈ガラ・セレクション部門〉への正式出品をもって、国内初上映を迎える。
さらに今後、ブラジル「リオデジャネイロ国際映画祭」、インド「コルカタ国際映画祭」への出品も決定している。
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