ファッションから飲料まで、勢いを増す”レトロ回帰” パワフルな時代に憧れる一方で「本質的に…

薬膳飲料『薬膳好日』

【写真】『薬膳好日』どんな薬膳素材が使われている?
■「無理をして働くこと」が当たり前だた昭和・平成、一方でオンオフの切り替えが難しい現代
『薬膳好日』は、そもそも社内公募によるプロジェクトとしてスタートしている。開発には実に3年もの月日を費やし、今回商品化に至ったという。
「薬膳をどういった形で提供するかの選定やコンセプトの設計に半年くらいかけました。そして、薬膳飲料というものは初めての試みだったので、中味開発者と一緒に薬膳コーディネーターや薬膳インストラクターといった資格を取ったうえで知識を蓄え、中味の開発に1年弱くらいかけました」
昭和や平成の時代は「無理をして働く」という考え方が当たり前のようにあった。徹夜もいとわず働き、体力的につらいときには栄養ドリンクを飲んでなんとか乗り切るといったことも珍しくなかった。ただ、令和の時代は「それとは違うツラさがある」と矢野さんは考える。
「昔は、平日に無茶な働き方をしても、オフの日にはきちんと休めたことも多いと感じます。でも今は男女関係なく、仕事も育児も家事もするので、土日もオンの状態でいなくてはいけないというプレッシャーがある。24時間働く必要はなくなっているけど、365日頑張る必要が出てきているように感じます」
働き方改革などが進み、副業がしやすくなるなどの自由さもある反面、現代はきちんと成果を残さなければいけないというプレッシャーが強くなっている。
「いつでもどこでも働けるようになったので、結局ずっと仕事と家事に追われ、自分の時間が全くなくなったという実感もあります。オフのときも頭の片隅に仕事があるので、むしろ心は現代人のほうが疲れている気もしますね」
オンオフの切り替えが難しい現代においては、昔のように0か100かでやり切るのではなく、常に80%程度の出力で継続した力を出したいという考え方が多数なのかもしれない。
「例えばダイエットにしても、これだけを食べていればいいといったものに対して、そんなに簡単に健康は手に入らないとみんなが思い始めている。だからこそ、絶対的な安心を得られるものとして、昔から大切にされてきた知恵に頼りたくなる。そこに“薬膳”がフィットしているのではないかと感じます」
■「質の高いものを消費したい」”レトロブーム”に込められた若者たちの意識
『薬膳好日』の開発を進めるのと同じタイミングで、世間ではレトロブームが到来。純喫茶でホットケーキにクリームソーダ、町中華に銭湯、レコードに使い捨てカメラなどが、若者を中心に人気を集め始めた。そういった温故知新のトレンドと近しいところに“薬膳の考え方”も連なっている。
「例えば老舗の喫茶店など、長く続くお店で提供されているものは絶対においしいし、居心地だっていい。そういった感じで、今のブームに敏感な世代の人たちは、新しいものを消費したいという気持ちだけではなく、質の高いものを消費したいという思いもある。質の高いものという点では、昔からあるものには絶対的な安心感があるので、そこに薬膳がつながっていると思います」
昔からあるからこそ安全だし裏切らない。まさに質の高い消費ができるが、自分たちは触れたことがないものなので、新しさも感じられるということだろう。
「その両輪が回っているのが、レトロブームなのではないかなと感じます。開発を進めていくのと同時期に、薬膳にまつわるエンタメコンテンツがヒットしたり、流行りの食べ物に麻辣湯が登場したり、トレンドの流れが薬膳に結びついてくるかもしれないという思いも感じていました。私たちが考えていたことが、世の中にも同じように反映されていたのは、答え合わせが今できたという感じがすごくありますね」
■薬膳は紀元前から親しまれる”東洋の知恵” デザインにも反映
『薬膳好日』のパッケージは、象形文字のような字体で商品名が書かれているのがとても特徴的である。ただ、過去に発売した商品のパッケージでは薬膳がどういうものなのかを説明しきれていなかったという反省があるという。
「紀元前から親しまれている東洋の知恵という安心感が薬膳の本質的な魅力です。それをあの象形文字のようなデザインで表現できるのではないかなと。そして、お客様と同じ目線で薬膳を提案することにもこだわりました。薬膳の難しさは、ルールを上から説かれるとか、薬膳屋さんに入る敷居の高さとかにあると思うので。好日として、『薬膳でいい日にするためのお手伝いをします』と同じ目線で薬膳の提案をする形にしました」
『薬膳好日』には、『薬膳好日 ジンジャー&ソーダ』と、ホット飲料の『薬膳好日 ジンジャー&アップル』の2種類がある。中身の開発には1年を費やし、どちらも薬膳の基本である五味(酸・苦・甘・辛・鹹)の思想に基づいて、素材をバランスよく配合した飲料となっている。
「ホットのほうは、ショウガをキーにしながら、よりりんごの果汁らしさを強く感じていただける商品になっていると思います。ホット飲料は内側から体を温める温活と相性がよく、薬膳の思想ともすごく親和性があります。そういう意味でもホットはより薬膳感を得られるはすです」
中国や台湾では薬膳飲料が生活に根付いている。矢野さんも夫の仕事の関係で台湾に在住していた経験があるため、素材の力を大事にして体を整えていくという薬膳そのものの思想には素晴らしさを感じているという。
「ただ、中国や台湾で売られている薬膳飲料は、おいしさは二の次になっていることもある。体にいいから仕方ないと思いながら飲むのですが、そういったものにはしたくなかったんです。おいしくないと受け入れられないのは、市場ルールの大前提としてあると思うので」
同社としても“薬膳飲料”のブランド立ち上げは、ある種の挑戦といえる。中長期的には、飲料ブランドとして及第点の200万ケースを売上目標にしている。「ここから、新しい市場をいかにして広げていくのかが重要」と矢野さん。
「まず中長期的に、薬膳飲料というカテゴリーを作ることが1つの大きな目標です。薬膳カテゴリーはまだ国内にほとんどないと思うので、このブランドがパイオニアとなって、市場を切り開いていってほしいです。日本にも薬膳の文化が浸透してほしいですし、忙しい中でも、自分の心と体に目を向ける瞬間が多く生まれてくるといいなと思っています」
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