前田公輝「人を愛することって、結果的には自分を救う」作品から学び【オリコンライターズ】

2025/08/03 18:00 

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『ライターズ!』(日本テレビ系/毎週日曜 深1:30)に出演する前田公輝

 この日も謎のライターがゲストの出演番組やプライベートについて直撃する『ライターズ(日本テレビ系/毎週日曜 深1:30)』の収録がスタート。「あれ、なんかいろいろ書かれていますね。見ちゃダメですか?」準備していた質問などが書かれた取材用のノートを見つけ、ゲストの前田公輝はいたずらな表情を浮かべた。

【場面写真】不倫がばれた?Sと歩く妻・吉岡千春(仁村紗和)

■「誰にも迷惑をかけずに心の中でめっちゃ怒ります」登場人物に共感

 恥ずかしいので隠そうとするも、それでも見たがりつつ一転して真面目な表情で「いや、でもこうやってちゃんと準備してくださっているのを見ると、演者としてはすごくうれしいです。ありがとうございます」と優しく語る。主演(仁村紗和とW主演)を務める日本テレビ系火曜プラチナイト枠「ドラマDEEP」『完全不倫―隠す美学、暴く覚悟―』(毎週火曜 深0:24~深0:54)で演じるキャラクターと同じ、前田は穏やかな空気をまとっていた。

 前田演じる吉岡拓哉は、仁村演じる妻の千春をこよなく愛する市役所の職員。順風満帆な結婚生活を送っていたが、あるとき、二人の幼馴染である野村周平演じる桜井陽介と賀屋壮也(かが屋)演じる内野航(わたる)たちが「いまの時代、不倫をすることがいかに普通で簡単か」と言われたことが気になり、妻のスマホを覗いてしまう。結果的に不倫の痕跡はなかったことから猛省する拓哉。だがこれは千春が仕掛けたトラップの一つに過ぎず、回を追うごとに千春を取り巻く人間関係や真実が明らかになっていく。ドラマのタイトルだけ見るとかなり物騒な雰囲気だが、物語自体はカジュアルで示唆に富んだ物語となっている。

 「不倫が題材となっているので、令和の時代の不倫の現状をつまびらかにしつつ、最新の”不倫あるある”なども出てきますが、不倫や結婚、恋愛に対するさまざまな価値観や人間模様、さらにはお笑い的なものまで、雑多な要素が混在しています。制作している我々もドラマのカテゴリーが何に属するのか模索している状態で(笑)。そういった意味では新感覚なドラマなのかなと思います」。

 拓哉はかなりお人よしな性格だが、前田自身が共感できる部分はどんなところだろうか。

 「僕自身も、相手が傷つかないように自分の気持ちを押し殺すようなことがあるので、そこはわかりますね。あと突発的ではなく、真面目に考え抜いた末に行動に移す部分もすごく共感できます。5話ではだいぶ衝撃的なことが起きて、それまでは見たことがない拓哉の剥き出しになった感情や葛藤が見られましたが、僕も大切にしているものや価値観を軽視されたら、誰にも迷惑をかけずに心の中でめっちゃ怒ります」。

 物語が進むにつれ衝撃的な事実が顕在化することで、穏やかな性格の拓哉だったが少しずつ変わっていく。芝居をする際は、その”気持ちの揺れ”も意識しているそう。

 「こんなにもすごいことが起きているのに、彼自身が何も変わらないのは逆に違和感があると思うので、短い期間ですけどそこはきっちり描けたらいいなと思っています。シーンに応じて監督さんともお話しをさせていただきながら、役を作り上げています。僕は未婚ですし、もちろん不倫に関わったこともないので拓哉の気持ちがリアルにわかるわけではないですが、演技をしているときは本当に心臓が痛くなったりするんです。しんどい反面、拓哉もこんな気持ちなのかなと思うと少しうれしくもあります」。

■仁村紗和は「天使のよう」現場にもエネルギー

 後半パートでは、ドラマ DEEP「完全不倫」に出演する俳優陣とのリアルな人物相関図について聞くことに。まず相手役である仁村については「一つの現場に必ず一人はいてほしいと思うくらい、素晴らしい俳優さんであり女性です」と大絶賛。

 「一見クールに見られがちですが、天使のような方。現場にもエネルギーを持ってきてくださいますし、お茶目な部分もあって。波長が合うのかお芝居がめちゃくちゃやりやすい。しかもすごく柔らかいお芝居をされるんです」。

 また、劇中では物語の”潤滑油”的な存在でもある幼なじみ役の野村と賀屋とのシーンは、本当に昔から知っているかのような錯覚に陥るほど、ほのぼのとした空気が流れている。

 「お二人はカメラが回っていないところでもずっとわちゃわちゃされていて、僕はそこでお客さんとして見させてもらっている感じ。すごく現場のことを考えてくださって本当にありがたいです。そうそう、先日キャンプ場での撮影があったのですが、賀屋さんの提案で近くのコテージに泊まることになったんです。しかも3人で一部屋っていう(笑)。川遊びをしたりバーベキューをして焚き火をするなど、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました」。

 拓哉と同じ市役所で働く小田莉乃を演じる堀未央奈は、ミステリアスな役どころ。

 「ちゃんとされてらっしゃると言いますか、堂々とお芝居をされているので、ブレない芯を持っているなと感じます。ご自分の世界観をしっかりと持っていながら、監督さんからのアドバイスにしっかり対応してすごいなって」。

 さらにTVerではスピンオフドラマ『不完全不倫』が配信されている。本編と同じく、こちらも大好評な様子。

 「本編のキャラクターが登場するショートドラマです。リモートワーク時の不倫バレや素人童貞の悲哀まで、『完全(不倫)』とはほど遠い、大人の関係にまつわる悲喜交々(こもごも)がコミカルに描かれています。本編ともリンクしているストーリーなのですごく見やすいので、こちらも楽しんでいただきたいです」。

 『ライターズ!』もいよいよ終盤へ。今日の収録の感想について訊くと「楽しかったです!」とにっこりしつつも、本音(!?)もポロリ。

 「テレビの収録という感じではなく、いつもの取材の雰囲気みたいな感じで、リラックスしながらできたのでよかったです。ヘルメットをかぶってゴーグルをかけたキャプテンを見た瞬間は、絶対にリラックスできないって思ったんですが(笑)。冗談ですよ、とても新鮮で楽しかったです。ありがとうございました」。

 最後にドラマDEEP『完全不倫』の見どころをフリップにしたためてもらった。達筆な字で書かれていた言葉は”愛は無駄じゃない”。「本を読んで最初に感じたことなのですが」と前置きをしつつ、その意図を説明してくれた。

 「愛し合いつつも何らかの理由で別れてしまったとき、無駄な時間を過ごしたと感じるかもしれませんが、愛を注いだ時間は確かにあったわけで、逆に愛し合った時間は、人に対して優しくできた時間だと思うんです。何らかの理由で離ればなれになっても、次に誰かと付き合うときは気をつけようと思えれば、決して無駄な時間ではなかったっていう。人を愛することって、結果的には自分を救うことになるとこのドラマを通じて感じました。今作はいま恋愛をしている人はもちろん、していない人にも刺激になるドラマになっていると思うので、ぜひご覧になっていただきたいです」。
(取材・文/キャプテン・オオサワ)
※取材の模様は、3日放送の『ライターズ!』(日本テレビ系/深1:30)でもご覧いただけます。
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