妻夫木聡&広瀬すず、沖縄で“涙”の舞台あいさつ 映画『宝島』への熱い想いを語る

2025/06/08 09:32 

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映画『宝島』(9月19日公開)沖縄プレミア試写会に登壇した(左から)広瀬すず、妻夫木聡、大友啓史監督

 俳優の妻夫木聡、広瀬すず、大友啓史監督が7日、沖縄・那覇のシネマQで行われた映画『宝島』(9月19日公開)の沖縄プレミア試写会に登壇した。

【画像】沖縄プレミア試写会後、観客に名刺を手渡しした妻夫木聡

  本作は、アメリカ統治下の沖縄を描いた、真藤順丈による直木賞受賞作を原作に、2度の撮影延期を乗り越えて完成した。昨年には沖縄ロケも行われた。

 記念すべき沖縄初上映の舞台あいさつで、妻夫木は「感無量です。2度の延期を経て、戦後80年という節目に公開されるのは、神様が練り上げる時間を与えてくれたのかもしれない」と語り、鑑賞後の観客に「映画はどうでしたか?」と問いかけると、大きな拍手が沸き起こった。

 広瀬は「時間がかかったからこそ、作品に対するスタッフの皆さんの情熱や愛情、敬意を感じ、貴重な経験だった」と振り返った。

 大友監督は「アメリカ統治下の沖縄を再現するのは難しく、美術的なことだけでなく、予算的なことも含め覚悟を決めないと作れなかった」と当時の状況を語り、さらに「調べるにつれ、伝えなければならない想いが募り覚悟を持って撮影した」と熱を込めた。

 コザ暴動の再現シーンでは、集めてきたヴィンテージカーをひっくり返して燃やしたことや実際のゲート通りでの撮影を検討していたエピソードを披露。妻夫木は「もし本当にゲート通りで撮っていたら、新たなコザ暴動が起きていたかも」と笑いを誘った。大友監督も「映像資料が少ない中、うちなんちゅ(沖縄の人々)によって語り継がれた情報を元に想像力を駆使して組み立てた」と苦労を語った。

 本作に取り組むにあたって広瀬は「授業で習ったことしか知らなかったが、実際に撮影前にいろいろと沖縄の地を回ってみると肌の感覚が変わり、血が騒ぐ感じがした。今の時代に生きている自分たちがどういうふうに受け止めるべきなのか」と考えさせられたいう。

 妻夫木は撮影前にコザにある資料館を訪れたり、関係者から話を聞いたりしたと言い、その時のことを思い出して涙で言葉を詰まらせた。その都度、会場から「がんばれ」と温かい声援が送られ、妻夫木は「自分が大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない。どこか見てみぬふりをしていた自分がいたんじゃないか」と振り返った。

 大友監督はキャスティングについて「歴史を背負える役者でなければならないと思った」とし、「何も知らない観客が登場人物たちと一緒に追体験できるようにしたいと思った時に、今の妻夫木くんのような感性が必要だった」と、主演に対する厚い信頼を口にし、「本当にありがとうね」と感謝を伝えた。

 イベントの最後に広瀬は「少しでも皆様の希望になる作品になれば」と願いを語り、妻夫木は「過去を描くことは未来への問いかけ。今こそ手と手を取り合う力を持った作品になった」と語りかけた。さらに「まずは沖縄の皆さんの力が必要です。たぎれ、沖縄。たぎれ、日本」と呼びかけ、会場を熱くした。

 大友監督は締めくくりに「最初に妻夫木くんは『この作品と心中します』と言ってくれた。映画は人生を変えるきっかけにもなる。この映画は“宝の島”と言われているその宝は何だったのか?ということを考えるきっかけになれば。沖縄の皆さんにまず背中を押してほしい」と訴えた。

 舞台あいさつ後には、“宝島宣伝アンバサダー”として妻夫木が来場した340人全員に名刺を手渡すサプライズも実施。観客との交流に涙ぐむ場面もあり、「この想いを持って全国キャラバンに向かいたい」と強い決意を示していた。
ORICON NEWS

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