「頑張る人にハナマルあげる」通勤・通学電車に癒し…TRAIN TVで大反響の「はなまるおば…

2025/05/09 08:40 

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サンリオのキャラクター・はなまるおばけ(C)’25 SANRIO 著作(株)サンリオ

 電車で通勤・通学している人は、移動時間を有効活用できる人もいるだろうが、つい「だるい」「眠い」「疲れた」…などなど、ネガティブな気持ちになってしまう人も多いだろう。そんな電車内での時間をポジティブに変えたのが、首都圏のJR線などでおなじみの「TRAIN TV」で流れた、サンリオキャラクター・はなまるおばけのコンテンツだ。「TRAIN TV」運営するジェイアール東日本企画(以下、jeki)とサンリオに反響を聞いた。

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■TRAIN TVで異色の反響、「はなまるおばけ、永遠に続いてくれ」

 TRAIN TVとは、乗車時間をより豊かな時間へ変え、社会に活力を生み出したいという思いから生まれた電車の中のテレビ局。JR東日本の首都圏主要10路線とゆりかもめの車内モニターで完全オリジナルの映像コンテンツを放映する番組配信プラットフォームで、今年4月に1周年を迎えたばかりだ。同サービスでは、お笑いからグルメ、コスメ、教養など、様々なコンテンツを放映。電車内ではスマホを眺める人が多いが、ふと顔を上げると目に入る多様なコンテンツに、思わず見入ってしまう人も多いだろう。

 そんなTRAIN TVで異色の反響があったのが、サンリオのキャラクター・はなまるおばけによる番組『はなまるおばけラジオ』(1月27日~2月16日)。はなまるおばけとは、サンリオが2022年〜2023年にかけて実施したユーザー参加型プロジェクト『NEXT KAWAII PROJECT』で生まれた新キャラクターで、頑張った“あなた”にハナマルをくれる不思議なおばけだ。

 同番組では、はなまるおばけの“まるまる”がパーソナリティーとなり、午前は今週の運勢、午後はお悩み相談を届けた。“まるまる”のかわいらしいビジュアルはもちろん、クスっと笑えるポイントがあったり、優しく寄り添ってくれたりと、見ているだけでほっこり癒される内容だ。

 TRAIN TVでの本格的なキャラクターコンテンツであり、「放映直後からSNSでの反響が大きく、若年層、特に女性を中心に、はなまるおばけのファン層からの好意的なコメントが多く見られました。また、TRAIN TVや駅の番宣広告をきっかけに新規層の投稿も見られ、『TRAIN TVでまるまるを見かけてからはまりつつある』というお声や、放映終了後には『はなまるおばけ、永遠に続いてくれ』と言った継続を望むお声も見られました」(jeki TRAIN TV事業部 中村真さん)とのこと。

 サンリオのはなまるおばけ担当プロデューサー・神崎沙耶香さんも、「ファンの方からはSNSを通じて『電車で見たよ』という声をいただきました。また、TRAIN TVをきっかけに知ってくださった方からは、『白いふわふわのコ、あのコがはなまるおばけなんだ』とか『あのコってサンリオだったんだ』という声も多く上がっていました」と、幅広い層からの反響を得たようだ。

 デビュー間もないはなまるおばけにとっても、『はなまるおばけラジオ』が初の単独番組。なぜ、TRAIN TVで実施することになったのだろうか。

 サンリオ・神崎さんは、「TRAIN TVは、毎日の移動時間の隙間に少しでも笑いや癒しを届けたり、ネガティブや無ではなく、ポジティブな気持ちを刺激する時間を作ることで、人生がより豊かになるんじゃないか。『今日も1日頑張って良かった』と思ってほしい…との思いで開局されたと聞いております。『今日もがんばった“あなた”にハナマルをくれる、不思議なおばけ』という、はなまるおばけのコンセプトとも非常にマッチするのではないかと思いました」と回答。

 jeki・中村さんも、「特に通勤・帰宅時間の移動者心理として、“癒し”のニーズは強くあります。頑張っている人を応援するはなまるおばけのキャラクターは、視聴者ニーズにマッチするものだったと考えます」と、それぞれの思いが重なり、実現に至ったという。

 そうしてスタートした『はなまるおばけラジオ』は、TRAIN TVにとっても良い効果を生み、「はなまるおばけの新規ファン層獲得はもちろん、TRAIN TVのファン獲得にも寄与いただいたと思っております」(jeki・中村さん)。キャラクターにとってもプラスとなり、「今まではZ世代を中心に認知していただけるような施策に注力してきましたが、TRAIN TVさんとの取り組みによって、世代や性別を問わず、幅広い方に知っていただいたように感じています」(サンリオ・神崎さん)と語る。

 ちなみに、『はなまるおばけラジオ』は終了しているが、4月16日からは第2弾『はなまるおばけのハテナスイーツ』が放映中(5月11日まで)。ここでは、あまいもの好きの“まるまる”が、スイーツの語源にまつわるクイズを出題。新生活や新年度で不安やストレスを抱えやすい時期に合わせ、「あまいものでほっと一息つこうね。」というメッセージを込めており、「第1弾に増して大きな反響をいただいている」という。

 このように、第1弾、第2弾、そして広告などを通して届けられる、「がんばるきみに、ハナマルあ~げる!」というメッセージ。ネガティブな気持ちになることもある電車の中や人通りの多い駅では、とくにビビットに心に刺さったのかもしれない。

 「はなまるおばけは、がんばっている人をそっと見守りながら、結果だけでなく、その過程や努力にハナマルをくれるキャラクター。もともとは、人生で初めて自分自身と向き合う時間を迎えるような青年期を過ごしているZ世代を中心に、はなまるおばけと出会うことで、ポジティブに自分を肯定し認めてあげられるようになったらと願っていました。ただ今回、学生さんだけでなく、社会人の方、男性の方にも多くの反響をいただけて。幅広く共感していただけるキャラクターなのだとあらためて感じております。首都圏以外のみなさんも、見逃し配信でコンテンツを楽しんでくれているようです」(サンリオ・神崎さん)

 そんなふうに、デビュー2年目ながらどんどんファンを増やしているはなまるおばけ。毎年恒例の人気投票イベント『サンリオキャラクター大賞』では、2024年は初エントリーながら14位にランクイン。そしてこのほど発表された2025年の初回速報では、なんと8位をマークしている。ポムポムプリンやシナモロール、ハローキティなど並みいる人気者の中でTOP10に入ったことで、SNSもおおいに盛り上がった。

 「みなさん、キャラクターが生まれて育っていく経緯を知ってくださり、コンセプトにも共感して応援いただいているのではないかと思います。以前制作したカプセルトイやLINEスタンプ、TikTokやYouTubeライブにも、大きな反響がありました」(サンリオ・神崎さん)

 はなまるおばけが成長していく上で大事にしているのは、「はなまるおばけのコアコンセプトがしっかり伝わる、かつ、届けたいターゲットの方々が共感を抱きやすい形でコンテンツを発信することです。その結果、自身の努力や頑張った経験を少しでも肯定したり認めてあげることができるような、キャラクターとお客様のコミュニケーションのなかに“心に響く体験”を作ることでファン層を拡大していく、ブランド(キャラクター)の提供価値を第一に考えたプロデュースをすること」。

 はなまるおばけにとって非常に重要なコンセプトについては、デザイナー・Misatoさんが「『頑張った人にこっそりハナマルをつけてくれる』キャラクターであり、いつも近くで見守ってくれる存在。たとえば、お星さまになった大切な人、遠い昔の素敵な思い出とか、そういった形のない“概念”みたいなものなんじゃないかなと考えたんですね。だから、はなまるおばけはみなさん一人一人についていて、その人の思いを映し出しているものなのかなと思います」と語っている。

 実際、はなまるおばけを心の支えとするファンは多く、サイン会やグリーティングイベントでは熱い思いを伝える人もいたそう。

 「ある方は、『自分の母も、いつかはなまるおばけになって、ずっと自分のことを見守ってくれてるんじゃないかなって思えたことで、今の心の支えになっているんです』とおっしゃってくださいました。そういうふうに、いろいろな形でみなさん一人一人に寄り添って、心を支えられるキャラクターは素晴らしいなと思いますし、はなまるおばけはもっと多くの人の支えになるような存在(概念)として可能性があると思っています」(サンリオ・神崎さん)

 『サンリオキャラクター大賞』の最終総合順位も気になるところだが、今後についてはあくまでも「“まるまる”らしく、いつも通りに過ごしてくれれば」と神崎さん。「はなまるおばけ自体が、“結果だけでなく、その過程や努力にハナマルをくれるキャラクター”ですから、具体的に何位を目指しているということはありません。ただ、ファンの皆さまの“まるまる”を応援してくださる気持ちが感じられて嬉しく思っています」。

 しかし、新たなる展望はすでに構想中とのこと。

 「もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、実は『2025年サンリオキャラクター大賞』の投票初日にSNSに投稿したイラストに、はなまるおばけの新しいキャラクターが顔を出していて。はなまるおばけは「人それぞれ違ったコがついているらしい」という世界線なので、今後登場する“まるまる”以外のはなまるおばけにも、ぜひご注目ください!」(サンリオ・神崎さん)

(C)’25 SANRIO 著作(株)サンリオ

(文:於ありさ)
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