『特捜9 final season』Interview Relay:田口浩正「視聴者が“安…

2025/04/16 11:00 

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矢沢英明(演:田口浩正)=『特捜9 final season』より(C)テレビ朝日

 故・渡瀬恒彦さん主演の刑事ドラマ『警視庁捜査一課9係』(2006年~2017年)から、井ノ原快彦主演の『特捜9』(2018年~)にバトンタッチして通算20作目を迎えたテレビ朝日系ドラマ『特捜9 final season』(毎週水曜 後9:00)。4月9日に放送された初回拡大スペシャルは、個人視聴率5.0%、世帯視聴率9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、安定した人気を示した。ORICON NEWSでは、レギュラーキャスト陣の思いを“リレー形式”で届けるインタビュー企画を展開中。第2回は、1作目から青柳とコンビを組んできた矢沢英明役・田口浩正が登場。

【画像】レギュラーキャスト勢ぞろいのポスタービジュアル

「20年間、変わらない気持ちで現場に立っています」

――新シーズンが「final season」となりましたが、今の心境はいかがですか?

【田口】気持ち的には全然変わらないですね。これまで20年間、毎年続けてきたことを、今もそのままやっているという感じです。特別に肩に力を入れているわけでもなく、いつも通り進んでいます。

「衣装を着ると、自然と“矢沢”になれる」

――とはいえ、20年も一つの役を演じ続けてこられたのはすごいことですよね。

【田口】そうですね。ひとつの役を20年も続けられるというのは、本当に恵まれていることです。衣装を着てセットに入ると、自然と流れに乗れて、自分自身が矢沢になれてしまう。すごく楽ですし、それはやっぱり20年という積み重ねがあるからこそですね。

――シリーズ開始当初から矢沢のキャラクターは固まっていたのでしょうか?

【田口】最初は手探りだったと思います。作り手も、演者も、視聴者も。だけど、毎年同じメンバーで続けてきたことで、自然と今の感じになったんだと思います。初期の作品を見返すことは少ないですが、もし見たら「こんなことしてたんだ」と思うでしょうね。渡瀬さんをはじめ、井ノ原(快彦)くん、羽田(美智子)さん、津田(寛治)さん、山田(裕貴)くん、深川(麻衣)さん…。みんなとの人間関係の中で自然とできあがったんじゃないかと思います。

「吹越さんとじゃなきゃ、続いてなかったかも」

――矢沢さんは、ずっと青柳さん(吹越満)とバディを組んでいますが、どう感じていますか?

【田口】変わり者ですからね、青柳さんは(笑)。でも矢沢も結構変なので、お互いフォローし合ってるんですよ。吹越さんじゃなかったら、自分もここまで続けられたかどうかわからないです。言葉ではうまく言い表せない関係性、距離感は、相手が吹越さんだから出せたのかもしれません。私生活でも信頼できる先輩で、本当に尊敬しています。

「矢沢のように生きられたらいいなと思う」

――矢沢さんは人情家で、チームの中でも一番優しい印象があります。

【田口】そう言っていただけるのはうれしいです。出世欲がないというか、「あの場所が好きだからいる」という感じで矢沢を演じています。僕自身が矢沢のように生きているかというとそうでもないですが、矢沢のようにいたいなとは思いますね。

「渡瀬さんの精神は、今も現場に息づいている」

――渡瀬恒彦さんとの印象的な思い出はありますか?

【田口】渡瀬さんからは、本当に現場の作り方を学びました。全体を俯瞰しながらも芝居に真剣に向き合う姿勢や、スタッフ全員が先を読んで動く機動力。その感覚は今も『特捜9』の現場に受け継がれていると思います。渡瀬さんの精神は、確実に今のスタッフたちの中に生きていると感じます。

「井ノ原くんの成長も、ずっと近くで見てきました」

――浅輪直樹(井ノ原)の成長を、どう見守ってこられましたか?

【田口】彼自身が背負ってきたものや成長が、そのまま浅輪直樹という役に表れていると思います。プライベートでも一緒に食事をしたりする仲なので、その変化を間近で見てきました。実は、彼がV6を組む前から知っているので、本当に感慨深いです。人生の半分以上を一緒に過ごしてきた。こんな現場には、もう出会えないかもしれないという思いがあります。

「家族のような存在になれたのなら、幸せ」

――『特捜9』が20年も続いた理由は何だと思いますか?

【田口】事件は事件として描きつつ、人間関係や日常も丁寧に描いてきた。だからこそ、安心して見ることができる作品になっているんだと思います。奇をてらわない刑事ドラマであることも、長く愛された理由のひとつだと思います。ファイナルと聞いて寂しいなと思ってくださる方がいたらうれしいですが、これは次のステップに進むための切り替え。家族のように毎週顔を合わせるような存在として見ていただけたのなら、それはとても幸せなことです。

「第5話に注目! 矢沢の“家族”が見える回に」

――矢沢的見どころは?

【田口】第5話ですね。矢沢の奥さんや子どもにまつわる裏設定が、少し表に出てくる展開になっています。しかもその回の監督は、これまでADとして番組を支えてきてくれた方で、今回が初監督なんです。今まで一緒にやってきた仲間と作る、特別な回。楽しみにしていただけたらうれしいです。

「“思い”が詰まったドラマを最後まで楽しんでほしい」

――長年応援してくれたファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。

【田口】ちょっとした芝居や細かい動きの中に、たくさんの想いが詰まっています。犯人探しだけでなく、現場の空気感や人間関係にも注目してもらえたらうれしいです。渡瀬さんのイズムをイノッチが引き継ぎ、みんなで作ってきた現場です。僕らの思いを感じ取って楽しんでいただけたら、それが一番の喜びです。
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