2015年に公開され、韓国で1340万人を動員したアクション映画『ベテラン』。その待望の続編として、昨年韓国で大ヒットを記録した『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』が、今月11日に日本公開される。これにあわせて、リュ・スンワン監督と、ダブル主演を務めたファン・ジョンミン、チョン・ヘインが来日。3日に都内で行われた記者会見の模様をレポートする。

【写真】距離近すぎ！観客へ至近距離で“お手振り”するチョン・ヘイン

　本作では、前作に続きリュ・スンワン監督がメガホンを取り、主演のファン・ジョンミンがベテラン刑事ソ・ドチョル役を再演。チョン・ヘインが新人刑事パク・ソヌ役で新たに参加した。監督は『密輸 1970』に続いて2作連続で来日。ファン・ジョンミンは大阪韓国映画祭以来、何度も来日しているチョン・ヘインは映画のプロモーションでは初来日となった。

　冒頭のあいさつでは、チョン・ヘインが「皆さん、お会いできてうれしいです。少し緊張しますね。頑張りますのでよろしくお願いします」と流ちょうな日本語を披露した。

――9年ぶりの続編、再タッグはいかがでしたか？

【リュ・スンワン監督】『ベテラン』は予想以上の大ヒットとなり、多くの方々に愛された作品となりました。その続編を作るにあたり、当然ながら主人公にはファン・ジョンミンさんを再び迎えたいと思っていました。

　しかし、前作以上の作品にしなければというプレッシャーがあり、着手するまでに時間がかかってしまいました。撮影が始まったときには、「本当に9年ぶりなのか？」と感じるほど自然で、まるで9日ぶりに再会したような感覚でした。現場に戻れたことが本当にうれしかったです。

【ファン・ジョンミン】そういえば、僕たちは『ベテラン』のあとにも『軍艦島』（2017年）でご一緒しましたね。でも、『ベテラン2』を一緒に撮ろうと話していたのはずっと前からで、監督がプレッシャーの中でじっくり時間をかけて準備されていたことはよくわかっていました。

　実際、9年も経っていたことに僕たち自身が驚いていて、「もうそんなに？」という感じでした。韓国では旧正月やお盆にテレビでもよく放送されていたので、観客の皆さんも9年の時が経っているとはあまり感じていなかったかもしれません。続編ではありましたが、まるで前作の撮影直後にすぐ次を撮ったような気持ちで臨んでいました。

――ベテラン刑事と新人刑事のブロマンス（男同士の強い絆）も見どころの本作。共演はいかがでしたか？

【チョン・ヘイン】前作がとても愛された作品だったので、出演が決まったときは正直プレッシャーを感じていました。でもファン・ジョンミン先輩のおかげで、すぐに現場になじむことができ、演技に集中できたことに心から感謝しています。一日一日、ワンシーンずつ積み重ねていくうちに、プレッシャーも自然と消えていきました。大きな山を登るような気持ちで、今やるべきことに集中しながら、撮影に全力で取り組みました。

【ファン・ジョンミン】まず、チューをするシーンはなかったので、よかったと思いました（会場内爆笑）。ヘインさんの出演が決まったと聞いたとき、本当にうれしくて思わず両手を上げて拍手しました（笑）。『ベテラン』は非常にエネルギッシュな作品で、その続編に新たに参加するというのは大きな勇気が必要だったはずです。特にチョン・ヘインさんは、韓国では“母親の自慢の息子”のような優等生のイメージが強く、本作に挑むこと自体が大きな挑戦だったと思います。でも映画を観ていただければわかりますが、そのイメージを越える素晴らしい演技を見せてくれました。本当に拍手を送りたいです。

【チョン・ヘイン】ありがとうございます！（笑）

――リュ・スンワン監督の真骨頂、アクションシーンで印象に残っていることは？

【チョン・ヘイン】今回、アクションシーンが非常に多て。中でも階段での戦いは印象に残っています。それともう一つ、私が演じたパク・ソヌの大事なところを、ソ・ドチョル刑事に加撃されたところですね（笑）。それはとても苦しかったですし、撮影の時も困った記憶があります。

（会場爆笑）

【ファン・ジョンミン】とにかく寒くて…。真冬のソウルで撮影が行われていたんです。水を撒いた屋上で濡れながら、寒さと戦いながら5日間、夜通し撮影したことは忘れられません。正直、「うまく撮れたかどうか」よりも「早くシャワーを浴びて帰りたい」という思いしかなかったです（笑）。

――あなたが考える“理想のベテラン像”とは何ですか？

【リュ・スンワン監督】そういう質問にうまく答えられる人こそ、真のベテランかもしれませんね。私はまだうまく答えられないです。

【チョン・ヘイン】僕が思う“ベテラン”には2つの意味があると思います。ひとつは、韓国映画の中でアクションや犯罪ドラマを引っ張っていくスターのような存在。もう一つは、どんな立場でも自分の役割を果たし、他人の鏡となれるような人。そんな人が真の“ベテラン”だと思います。

【ファン・ジョンミン】言おうと思っていたことを先に言われちゃいました（笑）。次は僕からお願いしますね。

【リュ・スンワン監督】まさに、こういうリアクションができる人こそ“ベテラン”ですね（笑）

【ファン・ジョンミン】ここにいる皆さんも、主婦の方も、お父さんも、学生さんも自分の人生を一生懸命生きて、自分の場所でベストを尽くしている。その姿こそが、理想のベテランなんじゃないかと思います。

■ストーリー

　ベテラン刑事ソ・ドチョルと、凶悪犯罪捜査班の刑事たち。法では裁かれなかった悪人が連続して殺された。不条理な司法制度に憤っていた世論は、私刑を下す犯人を善と悪を裁く伝説上の生き物“ヘチ”と呼び、正義のヒーローともてはやすようになる。新人刑事パク・ソヌが加わり、事件は解決に近づくかのように見えたが…。

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