政府税調で「事業承継税制」議論 相続税の猶予措置に疑問の声も

2026/10/09 20:40 

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 政府税制調査会(首相の諮問機関)の専門家会合が9日開催され、中小企業の非上場株などを取得して親族間で事業を引き継いだ後継者に対する贈与税や相続税の納付を猶予する「事業承継税制」について議論した。相続税の納付が全額猶予されている特例措置を巡り、専門家からは意義を疑問視する声が相次いだ。政府は、企業や個人の税負担を軽減する「租税特別措置」の見直しを議論しており、対象となる可能性もありそうだ。

 事業承継税制は現在対象が全株式に広げられているが、2027年12月末までの特例措置となっている。24年度には両税合わせて1296件適用され、計1471億円の納税が猶予された。

 会合に参加した専門家は「格差の固定化防止が目的の相続税を100%猶予する特例措置は行き過ぎたものだ」と指摘。別の専門家は「富裕層が税負担を回避するための『資産承継税制』であってはならない。社会的に意義がある事業承継を後押しすべきだ」と指摘した。

 一方、中小企業庁は同税制を利用した事業者の方が、利用しなかった事業者より売り上げが増加する傾向があるなどの分析を発表。日本商工会議所も「中小企業の存続を後押しする必要な制度」と強調した。

 中小企業の事業承継を巡っては、過度な節税防止に向け、国税庁が非上場株式の相続税の新たな評価方式案を提示している。ただ、新方式案は高収益企業で税負担が増すとの懸念もあり、事業承継税制の特例措置とともに年末の税制改正で議論される。【妹尾直道】

毎日新聞

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