日銀・植田総裁、追加利上げの可能性示す 6月会合に向け
日銀の植田和男総裁は3日、東京都内で講演し、中東情勢の緊張化に伴う原油高について「物価上昇(インフレ)率が大きく上振れするリスクが顕在化し、経済に悪影響を及ぼすことをより警戒する必要がある」と強調。中東情勢の不透明な状況が続いても「利上げの是非をしっかりと議論する必要がある」と発言した。15、16日に開く金融政策決定会合で、追加利上げに踏み切る可能性を示した。
4月会合後の記者会見では、経済の下振れとインフレの両方のリスクを見極めると説明したが、一歩踏み込んだ。利上げをすれば昨年12月以来4会合ぶり。政策金利は1・0%程度になり、現行の0・75%程度と同様、1995年9月以来約30年ぶりの高水準となる。
植田氏は講演で、原油高について「物価上昇は一時的なものにとどまらず、基調的な物価上昇率が上振れしていくリスクも意識せざるを得ない状況だ」との認識も示した。
また、利上げが後手に回ってインフレが進み、「あとでかえって大幅な利上げを余儀なくされるような状況になれば、景気のみならず、金融市場や金融システムに大きな負荷をかける恐れもある」と指摘。利上げでインフレに対応しないと市場が判断すれば、長期金利が上昇する懸念も示した。「インフレが適切にコントロールされていくという市場の信認を確保することが重要だ」と述べた。
東短リサーチの加藤出氏は「6月に利上げする方向性を示唆した。景気下振れリスクはあるとしても、物価の安定を目指すという内容だ」と分析した。【高田奈実、古屋敷尚子】
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