米原油先物、一時115ドル台に急騰 世界的な景気後退の懸念
中東情勢の緊迫化を受け、9日午前のニューヨーク原油先物市場は、指標となる米国産標準油種(WTI)が急騰した。節目の1バレル=100ドルを突破し、一時115ドル台を付けた。前週末6日の終値の90ドル台から大幅に上昇した。110ドル台は、ロシアのウクライナ侵攻で市場が混乱した2022年7月以来、約3年8カ月ぶり。原油価格が100ドルを超えると、世界的に景気後退懸念が高まるとされる。
米・イスラエルとイランの交戦が続き、中東情勢の混乱が長引くとの懸念が広がっている。イラン側は9日、殺害されたハメネイ師の後継として、次男のモジタバ師を最高指導者に選出したと発表した。トランプ米大統領はモジタバ師を受け入れない考えを表明しており、戦闘の収束が見通せないとの見方が強まった。
7日にはイランの石油貯蔵施設がイスラエル軍の空爆を受けて炎上し、原油供給の混乱が一段と懸念されている。
輸送の要衝のホルムズ海峡の事実上の封鎖が解消されず、周辺の産油国で原油貯蔵施設が満杯になり、生産調整を余儀なくされる可能性もある。欧米メディアによると、クウェートやイラクなどが減産に乗り出している。
原油価格高騰はガソリンなど燃料価格の上昇を引き起こすほか、輸送コスト増加を通じて食料品など幅広い物価上昇(インフレ)を招く。ウクライナ侵攻でWTIが一時120ドル超の記録的な高値を付け、国内外の大幅なインフレの主因となった。【ワシントン浅川大樹】
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