黒木瞳、急逝した親友に向き合う…事故直前収録の歌声も公開 「当時、とてもショッキングなニュ…

2026/09/22 11:35 

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黒木瞳監督の映画『指飛行機の行方』初上映=『なら国際映画祭2026』

 俳優の黒木瞳(65)が監督を務めた映画『指飛行機の行方』(常間地裕氏との共同監督)が21日、奈良市内で開催中の『なら国際映画祭2026』(9月23日まで、市内各所)で初上映された。

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 同作は、黒木が40年にわたる自身の記憶と向き合った。1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故。520人の犠牲者の中には、黒木の宝塚歌劇団の同級生で、親友だった吉田由美子(芸名:北原遥子)さんがいた。

 初の上映を終え、黒木、常間地氏、主演の大谷碧空、そして事故で亡くなった由美子さんの兄・吉田雅彦さんが登壇。さらに、映画祭エグゼクティブディレクターの河瀨直美氏を交えて、トークショーが行われた。

 河瀨氏が「私はものすごく鮮明にこの日を覚えています。当時、とてもショッキングなニュースだったし、自分がそこにいたらどうなっていたんだろうと思いました。この40年間の時間やさまざまなことが巡って、黒木さんにも言葉にできない時間があったんだろうなと感じています」と述べると、黒木は「お兄ちゃん(吉田雅彦さん)は毎年、御巣鷹に登られていたのですが、私はどうしても登れなくて。見たくない、認めたくないという自分がいました。でも昨年、(事故から)40年になったときに、やっぱり一度は訪れないといけない、見てあげなきゃいけないという思いが強く勝って、決心をしました」「登ったら、この光景を残しておかなければいけない、事故を風化させてはいけないという思いもありますし、520名の犠牲者の方、ご遺族の方、そういった方々の声なき声をフィルムに残しておきたいと思いました」と語った。

 また、黒木は「最後に流れる歌は、事故の10日前にカセットテープに録られていた実際のレッスンの歌で、ミュージカルに出ようという気持ちでレッスンをしていたんだと思います」と明かし、「多分、本人はもっとうまく歌いたかったと恥ずかしがっているんじゃないかな。初号を同期の何人かに観てもらったんですけど、『現役のときよりは上手になっているね』と盛り上がりました」と懐かしんだ。

 常間地氏や主演の大谷は事故を知らない世代。常間地氏は「一度、水戸映画スクールという試みで黒木さんとご一緒していて、今回の由美子さんへの思いや御巣鷹山に登られたことをお聞きし、これは記録として残したいなと思いました。そして、改めてその話をまたいただいたときに、御巣鷹山の沢の音が非常に思い出に残ったと仰られていて、音や声にフォーカスする映画を作れないかなとなりました」と振り返り、「でも何かこうやるべきだという直感みたいなものが本当にすぐ働いて。ただ、やはり多くの方の命が亡くなられている事故ですので、そこに向き合う責任感みたいなものは、この映画製作の時間、ずっと感じていました」と回顧。

 また、黒木は、ドキュメンタリータッチの作品になったことについて「最初はフィクションで台本を書いていただいていたのですが、なんかしっくりこなくて。なのでドキュメントですけど、由美子さんが亡くなった24歳くらいの同年代の女性に登っていただいて、最終的には命の尊さを噛みしめて希望につながる、少しフィクションが入った作品にさせていただきました」と説明した。

 編集の際には、黒木が「私を泣かせて」と常間地氏に伝えたという。「私が泣かなきゃ完成しない、と言いながら作業していましたね」と振り返り、劇中で印象的に流れる中島みゆきの楽曲「命の別名」については、「以前撮った2本でも中島さんの楽曲を使用しており、3本目を撮るときは、また中島さんの楽曲で撮りたいなと思っていました。いろんな曲を聴いていく中で、この『命の別名』という歌に出会い、もうこれは撮るしかないなというふうに思ったところもありました。あの曲は一人一人の命の大切さ、心、一人の人を偲ぶことが大勢の方を偲ぶことにもなるし、一人の人を愛するということは多くの人を愛せるということにもなると思って、今回この曲を由美子さんに焦点を当てて、撮りました」と語った。
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