“夫公認”の不倫アリ? ナシ? 「外で解消してきて」「円満な家庭にするため」…ドラマ化した…
(C)「夫に不倫をお願いされました」製作委員会

【漫画】「もう終わりでいいんじゃない?」、夫のひどすぎ発言に妻ブチ切れ!
■元カレ、マチアプ、女風…不倫が家庭円満の秘訣? 異色の夫婦マンガに共感の声
激務の夫に頼ることができず、1歳児のワンオペ育児に追われている妻・花恵(かえ)。「どこにも行けない 誰にも会えない」とストレスが溜まる中、夫とはもう2年もセックスレス状態。寂しさに耐え兼ね、ある日、意を決して夫を誘うも拒絶された挙句、夫が言い放ったのは「外で解消してきてよ セックスも寂しいも全部」の衝撃のひと言。「“円満な家庭”のため」と言う夫の提案のもと、花恵は元カレ、マッチングアプリ、女性用風俗と相手を探し始めることに…。
実話をもとにしたマンガ『夫に不倫をお願いされました』の連載が始まったのは昨年の3月。衝撃的なタイトルとは裏腹に、直後から「既婚者なら共感できる内容」「虚しさや不満がリアル」など共感の声や「幸せについて考えさせられた」「夫婦の形は外から分からないから面白い」といった声も。
ドラマ化が発表されると、7月7日の放送開始直前の時点で、TVerのお気に入り登録は11万人を突破。初回放送後はSNSなどでも反響を呼び、話題となっている。
■批判も覚悟、ドラマ化を期に“実体験”であることを公表
――まずはドラマ化が決まったときの率直な感想をお聞かせください。
「とてもとても嬉しかったです。夫から公認不倫を言い渡されたときは、寂しさで崩れそうだったけれど、負けずに(マンガの)ネタにして良かったなって思いました(笑)。夫のひと言が人生変えたなと思いますね」
――読者からは「共感」の声が多数寄せられましたが、その反響についてはどう思われましたか?
「私と同じようにセックスレスで寂しい気持ちになっている人は多いんだなと実感しました。このマンガを描いたことをきっかけに、様々な人から浮気やセックスレスに関する話を聞くようになったのですが、実際、公認不倫までいかなくても風俗を許可されているという人もいたり、似たようなことはけっこうあることを知りました。でもやっぱり、どういう形であれ、パートナーから拒否されるのは寂しいなと思っています」
――一方で、不倫を描いた作品には否定的な声があがるのも常。ご自身の体験をマンガ化することに対して不安はありませんでしたか?
「批判が来るだろうなと思い、やはりためらいはありました。私自身、もともとは芸能人の不倫ニュースを聞いただけで不快感を抱いていました。でもそれ以上にマンガ家として、このネタは他人から見たら絶対に面白いと思ったし、泣くだけでは終われないということでマンガに。それでも自分の実体験であるということを公表するのは怖かったので、連載時には明らかにせず、ドラマ化を期に公表を決めました」
■母に全振りしてほしい夫VS女性として見られたい妻「愛されたいと思って何が悪い!」
――公認不倫の始まりは、夫に「家庭円満のために性欲は外で解消してきてほしい」と言われたことだそうですね。改めてそのときの状況やお気持ちを聞かせてください。
「マンガの主人公と同じく最初は激しくわめき散らして、その後、泣きました。次第に寂しさと悲しみが怒りと悔しさに変わり、『あんたがそう言うならやってやるわよ!』という意気込みで、提案を受け入れていました」
――作中では公認不倫をスタートするにあたり契約書を交わされていますが、これも実体験なのでしょうか。
「実体験です。不倫にあてる時間が決められていたり、『交際費用は自己負担』などが書かれていました。私が相手に本気になって離婚となった場合は『子どもの親権は夫が持つ』という一文もありました。とにかく公認不倫は『“円満な家庭”にするための提案だから』ということで」
――まさに実際のエピソードから生まれた作品なのですね。マンガでは、公認不倫を提案される前段階で、夫にセックスを拒絶された際、言い放った「母親になっても女は女だわ!女である瞬間を持ちたいと思って何が悪い!?」というセリフが非常に印象的でした。
「マンガには描いていませんが、そのとき『昭和のマンガに出てくるお母ちゃんみたいになってほしい』とも言われたんです。『オシャレも気にしなくていいからお母ちゃんに全振りしてほしい』と。『はぁっ!?』って思いましたよ。自分を殺せって言われているのと同じに聞こえてしまって。『母になってからだってひとりの人間として生きたいし、ひとりの女性としてパートナーに愛されたいと思って何が悪い!』って、その一心から出てきたセリフでした」
■“夫婦協働”で不倫相手探し、上から目線のマチアプ男「俺が相手してあげる」
――元カレに連絡をとったり、マッチングアプリを利用したり様々な方法で不倫相手を探されたそうですが、その期間中、さすがに旦那さんも心配されたのでは…?
「元カレも夫の提案でしたが、マッチングアプリではどの子にするか私と一緒に選んでいました。ワクワクしている様子でしたね」
――先生ご自身は、嫉妬してほしいとは思わなかったのですか?
「自分がコンタクトをとっている男性とのことは全部話していましたから、話を聞いて『もうやめて!』って言ってくれるのではないかともちろん思っていましたが、全然嫉妬してくれませんでした」
――それはなかなか苦しいですね
「ただ、夫も私のマンガ家としての活動を応援してくれていたので、キャラクター作りのために夫側の赤裸々な思いを語ってもらい、描きたいポーズのモデルをしてくれることもあり…。いつの間にか第二の編集者のような存在になっていました。私がマンガを描き、夫が応援する夫婦関係が私たちの絆だったのかなと思うようにもなりました」
――公認不倫を進める中で何か新しい気づきはありましたか?
「マッチングアプリで出会った男性に、夫に公認不倫を言い渡されたと告げたとき、『俺が相手をしてあげますよ』って上から目線で物申されたことがありました。今回の経験で、女性が性に関することを口にできないのは、男性から舐められる危険があるからだということにも気づきました。」
――そんなことが…。そういったご経験をマンガの中に反映されているんですね。
「作中の不倫相手には全員モデルがいます。不倫からの帰宅途中にメモを取っていたので、ストーリーには悩まなかったですね。相手にも事前にこれはマンガになりますよということを伝えていました」
■「夫だけを悪役にするのは違う」不倫を通して見えた“円満な家庭”の築き方
――経験を通して、不倫に対する見方や考え方は変わりましたか?
「不倫って向き不向きがあるし、アリかナシかは夫婦によるのではないかと思うようになりました。というのも、私は最後の方と会っている間、気持ちがすごく安定していて、夫の希望どおり家では“お母ちゃん”に全振りできていたし、暴れることのない穏やかな優しい妻でいられたんです」
――先生の公認不倫は、最後はご自身でやめる決意を固められたのことですが、その理由は?
「いろいろな方にお会いして、最後は心惹かれる男性とも出会うことができましたが、どんどん虚しさが募っていって、自分には向いていないなと思ったからです。それから私にとってやはり子どもが一番で、親権を失って離婚することはできませんでした」
――なかなかうまくはいかないものなのでしょうか。
「私は最終的に受け入れられなかったのですが、不倫に対する抵抗感や罪悪感なく受け入れて、家庭と不倫相手との時間の棲み分けをきちんとできていたら、夫の提案した公認不倫は大成功、理想とする穏やかな円満な家庭が築けていたのではと思います。実際、不倫によって良い関係を築けているご夫婦もありますからね」
――先生ご夫婦の関係においてはどんな経験だったと振り返りますか?
「公認不倫の話を友人にしたとき、大半が『そんな夫とは別れたほうがいい』と言いました。でも、そのセリフを吐かせるまで追い詰めたのは私だったとも思うんです。『夫婦は鏡』という言葉通り、夫だけを悪役にするのは違うよなと思います。実はこの公認不倫を通して、夫婦でカウンセリングに行き、夫の特性を知る機会にもつながったということもあったんです。夫婦によって事情や関係性、価値観は違うのだと思うようになりました」
――改めて、ドラマ化でどんなことを期待しますか?
「これまでマンガではあまり接点のなかった方にも届くといいなと思います。特に、男性の方からの感想も気になるところです」
――先生の思いが詰まった作品がさらにたくさんの方に届くのが楽しみですね。最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします!
「タイトルに“不倫”とついてはいますが、私はこの作品はドロドロの不倫物語ではなく、夫婦の再構築のお話です。小さい頃からギャグマンガ家に憧れていたので、どんなテーマでもコミカルに明るく描くことをモットーにしています。皆様には楽しく気軽に、新しい夫婦の物語として見ていただけたらうれしいです!」
(文:河上いつ子)
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