唐沢寿明、「本当に嫌なやつ」を怪演 好感度V字回復の秘策も 『ミステリー・アリーナ』インタ…
映画『ミステリー・アリーナ』(5月22日公開)主演を務める唐沢寿明 (撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

【動画】『ミステリー・アリーナ』冒頭映像
舞台は、全国民が熱狂する生放送の推理クイズ番組「ミステリー・アリーナ」。難攻不落の推理問題に正解者は現れず、賞金はついに100億円までキャリーオーバーしていた。今回出題されるのは、「嵐の中、孤立した洋館で起きた殺人事件」。選ばれし6人の解答者たちは、この極限のミステリーを解き明かすことができるのか――。犯人を当てれば賞金100億円。予測不能のミステリーエンターテインメントが幕を開ける。
監督を務めるのは、『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』「TRICK」シリーズ、「SPEC」シリーズ、映画『20世紀少年』三部作など、数々の話題作を生み出してきた堤幸彦。唐沢とは『20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗』(2009年)以来、約15年ぶりのタッグとなる。
唐沢が演じるのは、推理クイズ番組の司会者・樺山桃太郎。ハイテンションで観客を煽り、毒舌で解答者を追い込みながら、番組を支配していく。ティアドロップ型サングラスにアフロヘアー、白スーツという強烈なビジュアルも大きなインパクトを放つ。
唐沢は、「本当に嫌なやつ」と苦笑する。
「自分で見ても、“本当に救いようのないヤツだな”って思いました(笑)。ここまで救いようのない役をやったのは久しぶり。でも、やるなら本気でやらないとダメなんです。どこかで“好かれよう”みたいな感情が入ると、中途半端になっちゃうでしょ」
独特なビジュアルには「むしろ助けられた」と笑う。
「カツラを被ると、自然と樺山になれたんです。ヘアメイクに時間をかけるのがあまり好きではないので、今回は被るだけで準備も楽でした(笑)」
共演者たちの芝居にも、唐沢は強い刺激を受けたという。樺山の番組アシスタント・モンテレオーネ怜華役をトリンドル玲奈が務めるほか、賞金100億円を狙う6人の解答者として、芦田愛菜、鈴木伸之、奥野壮、野間口徹、玉山鉄二、浅野ゆう子が出演。さらに、芦田演じる一子にだけ見える謎の存在・サンゴ役を三浦透子、過去の優勝経験者・大穴役を宇野祥平が演じる。
「本当に全員良かった。1人がいいアプローチで演技すると、次の人も本気になるんだよね。スイッチが入る。みんな“負けないように”って芝居をぶつけてくる。その空気を見ているのが楽しかった」
さらに唐沢は、「堤さんの現場は、俳優が自由に芝居できる空気がある」と語る。
「監督が受け止めてくれる安心感があるから、思い切って全力を出せる」
その言葉からは、“俳優が限界まで遊べる土台”を作れる堤監督への厚い信頼がうかがえる。唐沢自身も、アフロヘアーに白スーツ、毒舌、異様なテンション、さらにはダンスまで、“一歩間違えればコントになりかねない”芝居を躊躇なく振り切った。
一方で、樺山という強烈なキャラクターは、観客の視線を一点に集中させる“目くらまし”としての役割も担っていたという。
「観客の意識を“なんだこいつ”って樺山に集中させることで、他の部分を気にさせないようにしたかったんです。普通のクイズショーの司会者として演じることもできたけど、それだと作品自体が普通っぽくなってしまう」
荒唐無稽な設定や強烈なキャラクターを、熱量とテンポ、そして独特のリアリティで成立させる――“あり得なさ”をリアルに見せてしまうのが、堤作品の強さだ。
「この作品は、堤監督じゃないと撮れなかっただろうな、と思うんですよね。堤さんが撮ると、“本当にこういう番組があるんじゃないか”って思える。これは堤さんのセンスだと思う。それに、年齢を重ねて、いい意味で“やりすぎなくなった”というか(笑)。若い頃だったら、もっとハチャメチャにやっていたと思います」
そんな本作について、唐沢は「不思議な仕事だった」と振り返る。
「でも映画自体は本当に面白い。もう好感度を追いかける歳でもないし、昔から思い切ってやってきたから」
そう冗談めかしながらも、最後は「僕自身の好感度が急落しても、夏に『トイ・ストーリー』の新作があるから。そこで回復する(笑)」と、茶目っ気たっぷりに笑った。
45年のキャリアを持つ唐沢だが、いまなお挑戦は止まらない。
「振り返ると難しい役が来るんだよね。『白い巨塔』の財前五郎もそうだし、『西遊記』の孫悟空とか、『24 JAPAN』とか。でも、日本のジャック・バウアーは俺しかいないからね(笑)」
さらに、俳優としての可能性についても熱く語った。
「年齢を重ねると、どうしても“お父さん役”や“おじいちゃん役”みたいな役柄ばかり求められがち。でも、こういう作品があれば、まだまだ挑戦できる役はたくさんあると思うんです。キャリアを積んだ俳優だからこそ演じられる面白い役って、もっとあるはず。その可能性を広げていけたらいいなと思っています」
茶目っ気たっぷりの言葉の端々からは、キャリアを重ねてもなお挑戦を求め続ける俳優としての姿勢がにじんでいた。
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