「大人の喘息」患者数は30年で3倍に、黄砂・猛暑・ストレスで4月・5月は“発作”警戒期

2026/04/20 09:10 

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大人の喘息、どう対処する?

 かつて喘息は「子どもの病気」というイメージが強かったが、近年、大人になってから発症・悪化する「成人喘息」が急増している。この30年で患者数は約3倍にまで増加したとの指摘もあり、いまや現代人の無視できない健康リスクとなった。特に4月・5月は、黄砂や寒暖差、花粉といった複数の要因が重なり、気道への負担が最大化する時期。多忙な現代人が直面する、春の喘息悪化のメカニズムと対策について、クリニックフォアの医師の解説を交えて紐解く。

【画像】これが春の喘息の正体! 悪化ピラミッド

■黄砂・寒暖差・花粉が招く「春の多重負荷」

 なぜ、この時期に症状が悪化するのか。そこには春特有の「多重負荷」が関係している。まず物理的要因として挙げられるのが「黄砂」だ。黄砂そのものの粒子の刺激に加え、飛来中に付着した大気汚染物質(硫酸塩など)が気道の粘膜を直接攻撃し、炎症を深刻化させる。実際、黄砂の飛来後に喘息患者の受診率や入院数が有意に上昇するという疫学的調査結果も報告されている。

 次に生理的要因として、近年の異常気象による「前倒しの夏日」が挙げられる。4月に最高気温25度を超える日が頻発することで、急激な気温上昇と朝晩の寒暖差が自律神経を直撃。気管支を拡張させる交感神経と、収縮させる副交感神経のバランスが崩れ、夜間や早朝に気道が狭まることで発作が誘発される。

 さらに、「ヒノキ花粉」の影響も見逃せない。4月に飛散するヒノキ花粉は粒子が細かくなる性質もあり、鼻粘膜を通り越して気管支まで到達しやすいため、アレルギー反応によって気道の炎症がさらに敏感になるという免疫的要因も重なるのである。

■咳で眠れずフラフラ、でも新年度の重要な会議が…そんなときどうする?

 こうした過酷な状況下、多忙な現代人が直面するのが「通院の壁」。喘息をコントロールするには継続的な受診が不可欠だが、仕事や育児に追われる世代にとって、病院での長い待ち時間は肉体的にも精神的にも大きな負担となる。実際に現場では、切実な声が上がっている。

 IT企業に勤務する30代男性は「持病の喘息で昨晩から咳が止まらず、寝不足でフラフラの状態。午前中に病院に行きたかったが、新年度の重要な会議が詰まっており断念した」と語る。また、育児中の30代女性は「未就学児を連れての自身の通院は、自分に喘息の症状が出ている時は特につらい。その中で、子連れで1時間以上待つこともあった」と振り返る。

 成人喘息において重要なのは、症状がない「コントロール状態」をいかに維持するか。クリニックフォアの医師も、「成人喘息の増加は、現代社会を生きる私たちにとって身近なリスクです。『忙しいから』『これくらいの発作なら』と我慢することは、気道の炎症を慢性化させ、肺機能の低下を招きます」と警鐘を鳴らす。

 そんなときに便利なのがオンライン診療で、「『移動・待ち時間のない選択肢』をうまく取り入れ、発作の予兆を逃さず、適切なコントロールを続けていきましょう」と、医師もその利便性を語る。

 実際、前述の30代男性はオンライン診療を活用することで、「昼休みの15分で受診でき、今の状態に合わせた薬の相談と、今後悪化した時の対処法を聞けたことで、大きな安心を得られた」とのこと。育児中の女性も、「自宅で子どもをみながら受診でき、診察後すぐに近所の薬局で薬を受け取れました。この速さが症状の悪化を食い止めてくれたと感じます」と振り返っている。

 現在の喘息治療では、個々の症状に合わせた多様な薬剤が選択されている。1日1〜2回の吸入で気道の炎症抑制と拡張を同時に行う、「レルベア」や「アドエア」「テリルジー」などの長期管理薬が主流だ。また、発作の予兆がある際に速効性を示す「シムビコート」や、緊急時に気道を広げる「メプチン」、アレルギー反応を抑える内服薬の「モンテルカスト」、強力な抗炎症作用と気管支拡張作用を持つ吸入薬「フルティフォーム」などが、症状のコントロールに役立てられている。

 新年度の慌ただしさに加え、環境の変化が激しいこの季節。喘息は「発作が起きてから治す」のではなく、「発作を起こさないよう管理する」という意識が欠かせない。我慢が美徳とされることもあるが、呼吸器の健康においては早めの相談が将来の肺機能を守ることにつながる。隙間時間を活用できる医療サービスを味方につけ、健やかな春を過ごしてほしい。
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