【インタビュー】幾田りら「頑張りすぎる自分」を受け止めてくれた存在
幾田りら(撮影:鈴木千佳)(C)ORICON NewS inc.

【写真】キュートな笑顔を見せる幾田りら 撮り下ろしショット
■「幾田りら」という名前で生まれてきた自分にしかできないことだなって
――リラックマの大ファンだと伺っていますが、どんなところがお好きなのでしょうか?
まずは、やっぱりあのかわいい姿ですね。そして、名前が「りら」と「リラックマ」で似ていることもあって、小さい頃からすごくシンパシーを感じていました。「リラックマといえば自分のキャラクター」ぐらいに親近感を感じていたので。昔から自分のそばにいてくれて、いろんなアイテムも持っていました。
『リラックマ生活』っていう本が好きで読んでいて、10代で夢を追ってる中でも、リラックマが毎日くれる言葉にすごく勇気づけられていました。それくらい、自分の人生のいろんなタイミングでリラックマが支えてくれていたので、まさか自分が音楽という形でリラックマの作品に関われる未来が来るなんて思ってもいなくて。お話を聞いたときはすごくうれしかったですし、「りら」っていう名前でよかったなと思いました。
――リラックマと名前が被るって珍しいですよね。
(笑)。最初にいただいた企画書に、「幾田りらっくま」っていうタイトルと、私とリラックマが背中合わせでコラージュされている写真が載っていて。それを見たときに、「あ、これは幾田りらという名前で生まれてきた自分にしかできないことかもしれない」と感じました。「幾田りらしかいない」とご縁を感じてオファーしてくださったのかなって。(笑)
■私みたいに煮詰まりやすい性格の人間にとってすごく憧れの存在
――リラックマの言葉に勇気づけられたということですが、特に覚えている言葉はありますか?
「やんわり上手」っていうテーマの巻があって。休むことや、ひと休みすること、肩の力を抜くことが難しい人に対して、「そんなに力みすぎなくていいんだよ」っていうメッセージが込められていたんです。自分自身も学生時代から、今もなんですけど、いろんなことに対して考えすぎてしまうことがあって。人とのコミュニケーションや、自分の発言や言動が誰かを傷つけていないか、どう思われたかなって、すごく気にしてしまう性格なんです。身構えてしまったり、緊張してしまったり、肩の力が抜けづらくて。でもその巻では、そういう人のことを否定せず、「そういう人もいるよね」って肯定してくれた上で、肩の力を抜くための一言がたくさん紡がれていて、すごく心に残っています。
リラックマみたいにキャラクターで「だらだらしていること」をこんなに前面に出してる存在って、なかなかいないと思っていて。私みたいに煮詰まりやすい性格の人間にとっては、すごく憧れの存在というか。いつもいつも「頑張らなきゃ、頑張らなきゃ」ってなって、息苦しくて、幸せを逃しちゃう瞬間ってあるよなって思ったりするので。リラックマは、たぶん私以外にもたくさんファンの方がいらっしゃいますけど、いろんな人のそういう部分を肯定してくれる存在なんだろうなと思います。
■曲を聴いたときに大切な家族や友達、恋人を思い浮かべてくれたら
――今回の曲を書くうえで、どんなことを意識しましたか?
リラックマへの愛と感謝ですね。自分の人生のそばにいてくれた存在に対して、その言葉や存在に支えられてきたことへの感謝を、楽曲の中でしっかり込めたいと思って書きました。自分のままでいる姿が「らしさ」になっている、そんなリラックマの魅力を思いながら、この曲を聴いたときに、自分の周りにいるリラックマみたいな存在――家族や友達、恋人など――を思い浮かべてくれたらいいなと思って作りました。
――曲調やアレンジ面ではどんな工夫を?
リラックマの世界に自然に溶け込める、ストレスなく聴ける、耳からリラックスできるような音楽にしたいと思いました。リピートしても重くならない、くどくならない、心地よい曲を目指しました。老若男女問わず、どの世代が聴いても安心できる音を意識して、アレンジャーさんともたくさんやり取りしました。私の口笛ではないのですが、口笛の音色を入れていただいたり。歌詞も、小さい子が聴いてもなんとなく意味がわかって、身近な家族やお母さんのことを思い浮かべられるような言葉にしたいと思いました。
――今回はナレーションにも挑戦されましたね。
ナレーションのお話をいただいたときは、「私で大丈夫ですか?」っていう気持ちもあったんですけど、「最初から最後まで、幾田さんの声だけで作品を作りたい」とおっしゃってくださって。私自身、小さい頃から声というものにはすごく向き合ってきて。歌声もそうですし、喋るときもそう。過去に声のお芝居の現場を経験させていただいたこともあって、自分の中ではずっと課題を持って表現してきた分野でもあるんです。それが今回、歌声とナレーションという形でひとつの作品を彩ることができたのは、すごく自分にとって大きな経験になりました。
――難しかった部分はありましたか?
最初は「そのままの声でいいのかな?」「もう少し大人な声色で話したほうがいいのかな?」って迷っていたんですが、自分なりに「リラックマの世界にナレーションがきたら、こうなるんじゃないか」という声を当てたところ、「そのままで素敵です」と言っていただけて、自信を持って取り組むことができました。
■ボーカリストとして改めて目指すべき姿を実感したRADWIMPSとのライブ
――昨年を振り返って、特に感動したライブは?
一番直近で言うと、YOASOBIとしての活動の中でRADWIMPSさんとライブをご一緒させていただいたことです。私自身、10代の頃からRADWIMPSさんの音楽が大好きで、ずっと背中を追いかけてきた存在だったので、まさか自分が対バンできるなんて思ってもいませんでした。出番のあとにライブを拝見して、本当に楽曲も演奏も歌声も素晴らしく、そしてそれ以上に存在性というか、これまで歩んできた20年の歴史の偉大さをすごく感じました。
激しい曲でも、しっとりした曲でも、ちゃんと一人ひとりに届けようとしていて、一番離れた席にいる人にも届くような歌声の粒子の細かさ、熱量を感じました。あそこにいない、20年支えてきたファンの存在までも見据えているような、そんなスケールの大きな歌声でした。
――幾田さんも、そういったボーカリストを目指している?
そうですね。「歌声に釘付けになる」ってこういうことなんだなと思いましたし、あの広い空間を掌握する力。フロントマンとしてステージに立つとき、私もそこをすごく意識しているので、改めて目指すべき姿を実感しました。
――最後に、これから挑戦したいことがあれば教えてください。
音楽的な挑戦はこれからも貪欲に続けていきたいですし、ナレーションなど声を使った表現も、自分の中では壁を作らずに、いろんなことに挑戦していきたいです。この声で何ができるか。この人生をかけて、いろんなクリエイティブに活かしていけるよう、できる限りのことに取り組んでいきたいと思っています!
【プロフィール】
2000年9月25日生まれ、東京都出身のシンガー・ソングライター。2022年に配信リリースした「スパークル」がストリーミング2億回再生を突破。1stアルバム『Sketch』はオリコン週間デジタルアルバム1位を獲得し、初のワンマンツアーも成功させた。『薬屋のひとりごと』『SPY×FAMILY』など多数の話題作で、アニメ・映画主題歌やCM楽曲を担当し、2025年末には『第76回NHK紅白歌合戦』にも出場。2025年12月には2ndアルバム『Laugh』を配信リリースし、2026年には横浜・神戸・ソウルの3都市を巡るアリーナツアーを予定している。さらに音楽活動にとどまらず、声優やファッション分野にも活動の幅を広げている。
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