ショートフィルム×料理×ワイン、“再生”をテーマにした新感覚イベント開催 LiLiCoも登…

2026/02/21 09:33 

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「Future Stories on the Table ~ショートフィルム・ペアリング・レストラン~」(左から)ジル・セラ氏、野田達也シェフ、LiLiCo (C)ORICON NewS inc.

 ショートフィルムと料理、ワインを融合させた新感覚の体験イベント「Future Stories on the Table ~ショートフィルム・ペアリング・レストラン~」が18日、「リジェネラティブ(再生)」をコンセプトに掲げるレストラン「8go(エゴ)」(東京都中央区)で開催された。

【画像】イベント会場の様子や野田シェフの料理

 本イベントは、ショートフィルム専門オンラインシアター「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」の開設8周年を記念して行われたもの。BSSTOでは、国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」が厳選した世界のショートフィルムを常時12作品ほど無料で配信している(視聴には会員登録が必要)。今回のイベントでは、ショートフィルムの上映とともに、作品にあわせて用意された野田達也シェフによる料理と、ワインブランド「トーレス」のペアリングワインが味わうという趣向で、会場に集った映画ファンたちは特別なひとときを楽しんだ。

 ゲストとして、SSFF & ASIAアンバサダーを務める映画コメンテーターのLiLiCo、野田シェフ、そしてスペインのワインブランド「トーレス」の日本エリアマネージャーのジル・セラ氏が登壇。ウエルカムドリンクとして、チリの伝統的な品種「パイス」を使用し、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られた辛口スパーリングワインが振舞われた。LiLiCoの音頭でスペイン語の「Salud(サルー)」と乾杯が行われ、イベントは華やかに幕を開けた。

 LiLiCoは、ショートショートシアターとの長年の関わりを振り返りつつ、「ショートフィルムには、短い時間の中に大きな物語が詰まっています。今日は料理やワインとともに、その魅力を存分に味わっていただきたいです」と来場者に呼びかけた。

■近未来SFと“再生”から生まれたシーザーサラダ

 最初に上映されたのは、太陽光が貴重な資源となった近未来を描くSF『陽の光に包まれて』(チェコ、中国/2024年)。

 これに合わせて提供されたのは、「大都市のシーザーサラダ」。コンテナ型植物工場で育てたレタスやハーブを、野菜の端材から作ったベジタブルシートで包んだロール状の一皿だ。通常は廃棄される部分を再生し、新たな価値を生み出すことを表現している。

 LiLiCoは「シーザーサラダがロール状になることで、まったく新しい体験になります。見た目も美しく、素材の力強さを感じました」とコメント。

 野田シェフは、「映画と料理をペアリングするのは初めての経験でした。作品のテーマである“太陽”は、私たちが当たり前に感じている価値を問い直すもの。料理も同じで、自分が感動したおいしさを共有したいという思いで作りました」と語った。

 ペアリングされたのは、スペイン品種パレリャーダを主体とした白ワイン「サングレ・デ・トロ・ブランコ」。ジル氏は「リジェネラティブ農法は、土壌と生態系を再生しながら未来の環境を守る取り組みです。このワインはフローラルな香りと美しい酸が特徴で、料理の爽やかさを引き立てます」と説明した。

■共存を描くノンフィクションと“循環”を表現した椎茸グラタン

 2本目は、カナダ・マニトバ州チャーチルで撮影されたノンフィクション作品『迷惑なクマ』(カナダ/2021年)。人間とホッキョクグマの共存を描いた作品で、長編映画に発展(2026年公開予定)。

 LiLiCoは「ホッキョクグマが人のすぐ近くにいる距離感は、最初CGかと思うほどで、でもそれが現実に起きている違和感が怖かったです。人間と動物がどう共存するのか、考えさせられました」とコメント。ジル氏は「人間と動物の共存というテーマは、世界中で現実の問題になっています」と語り、野田シェフも「現実と非現実の境界が曖昧になるような違和感が、強い問いかけになっていました」と感想を述べた。

 料理は「椎茸の一口グラタン」。廃校を活用した循環型栽培で育てられた椎茸を使用し、ソースは豆乳ベースで乳製品不使用。さらに、海藻由来の調味料「ウマモ」など、環境再生をテーマにした食材が用いられた。野田シェフは「森と海の循環を表現した料理です。食材の背景を知ることで、より深く味わっていただけると思います」と説明。

 ペアリングされた赤ワインについてジル氏は、「リジェネラティブ認証を受けたワインで、気候変動(気温上昇)に適応しやすい古代品種モネウを使用しています。フレッシュで軽やかな味わいが料理と調和します」と語った。

■チョウザメ料理と“ゴミのスープ”が示す可能性

 最後に上映されたのは、環境汚染に適応した海洋生物を描くアニメーション『ハイブリッド』(フランス/2017年)。LiLiCoは「アニメーションだと言われなければ、海のドキュメンタリーのようにも見えました。海の神秘や生命の営みが描かれつつ、人が生み出したゴミが“ラスボス”のように登場して、6分とは思えないほどメッセージが詰まっていました」と感想を述べた。

 提供されたのは、チョウザメを使用したフリット料理「森のチョウザメ」。キャビア採取後に活用されにくい魚体を有効活用し、フードロス削減への思いが込められている。付け合わせには東京野菜の小松菜をチョイス。さらに、野菜の皮や端材から作られたレストラン名物「ゴミのスープ」も提供された。

ペアリングワインは、地中海のエメラルドグリーンをイメージしたフレッシュでフルーティな辛口白ワイン「ヴィーニャ・エスメラルダ」。ジル氏は「タイ料理などスパイスの効いたアジア料理にも合いますし、暑い夏の日にもぴったり。気づいたら1本飲めてしまう“危ないワイン”です」と紹介した。

 イベントの終わりに、野田シェフは「食べることは生きることそのものです。消費で終わらず、循環につながる未来を目指したい」と語り、ジル氏も「私たちはワインを通じて、より良い未来を次の世代に残したい」とメッセージを送った。LiLiCoは「ショートフィルムは難しいと思われがちですが、食やワインと組み合わせることで、より身近な体験になりました」と語り、来場者に感謝を伝えた。

 ショートフィルム×料理×ワインの3セット。約2時間の体験は、まるで長編映画一本を観終えたような満足感があった。物語は作品の中だけでなく、料理やワインによって広げることができ、日常生活の中にも続いていくことに気づかされた、特別な一夜となった。
ORICON NEWS

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