倍賞千恵子、山田洋次監督と渥美清さんに感謝「人間として何が大事なのかを教えてもらった」 「…
山田洋次監督と渥美清さんに感謝を述べた倍賞千恵子 (C)ORICON NewS inc.

【集合ショット】華やか…!花束を手に写真に応じる倍賞千恵子ら
黒のシャツワンピースを品よく着こなした倍賞は、賞状、トロフィーと花束を粛々と受け取った。あいさつでは映画界で活躍してきたこれまでをデビュー当時までさかのぼり、「『下町の太陽』はレコード大賞の新人賞を受賞して、当時は歌がヒットすると映画されるという時代だったので、『下町の太陽』も映画化されることになり、そこで初めて山田洋次さんに出会いました」と振り返った。
また、「ある意味でお兄ちゃんは映画界を救った人なんじゃないかなと思っています。私自身も、役者として、というよりも人間として何が大事なのかを教えてもらって、いまも映画界におります」と、『男はつらいよ』で兄である寅さんを演じた渥美清さんを思いしみじみ。さらに「64年間おりまして、山田さんを尊敬して感謝して、師として仰いで映画界を歩いてきました」と話し、「この第70回で特別功労章をいただけるということは、お兄ちゃんや山田さん、そしてスタッフのみなさんに支えられてここまで仕事ができた」と背を正した。
最後に「結構いい年になりましたので、体に気をつけながらこれからも精進してまいりたいと思います」とほほ笑み、今後へさらなる意欲を見せていた。
倍賞は、これまでに計178本もの映画に出演、1961年公開の『斑女』で映画デビュー以降、山田洋次監督の『男はつらいよ』シリーズでは“さくら”役としておよそ50作にわたり「国民の妹」として日本中に愛され、『家族』(1970年)や『遙かなる山の呼び声』(80年)など山田作品には欠かせない女優として、その親しみやすく凛とした演技で“庶民派女優”として唯一無二の存在感を放った。
さらに宮崎駿監督『ハウルの動く城』(2004年)での声優としての表現力、早川千絵監督の『PLAN 75』(22年)での円熟した演技、そして現在公開中の主演作『TOKYOタクシー』では“庶民派”のイメージから一転、本人も「挑戦的」と語る華やかな身なりのマダムを演じるなど、その確かな演技力は時代を越えて愛され続け、日本映画史において比類なき功績を残してきた。
12月1日は、日本における映画産業発祥を記念する日として「映画の日」に制定されており、映画産業団体連合会(映団連)により日本映画界の発展の為に貢献した人々を表彰する式典が毎年執り行われている。
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