TOEIC990点のモノマネ芸人、便利屋と二刀流 “ジャングル化した庭”の草刈り動画が話題…

2025/12/01 08:40 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

力仕事の多い「便利屋」業。腕力もこの通り!(写真/本人提供)

 東京でモノマネ芸人として活動していた「桑田真似」さんは、コロナ禍を機に新たな挑戦を始めた。現在は千葉県市川市に拠点を移し、地域密着型の便利屋としての顔も持つ。自身の仕事ぶりを紹介するYouTubeチャンネル「市川の便利屋」(@ichikawanobenriya)もじわじわと人気が広がり、登録者1万人を突破。多彩な活動と人生の転機について話を聞いた。

【写真】「そっくり!」モノマネ芸人・桑田真似さん

■幼少期の「草抜き体験」が挑戦の糸口に

 兵庫県出身の桑田真似(くわたますに)さんは、もともとモノマネ芸人として舞台に立ち、プロ野球選手・桑田真澄氏のそっくり芸で知られていた。漫才や余興の場に出演する一方、TOEIC990点・TESOL英語教師資格のキャリアを活かし、英語講師や翻訳家としても活動。さらに、世界50ヵ国を巡った経験をもとに、グローバルな視点を取り入れた仕事にも携わってきた。

 そんな桑田さんが、千葉県市川市で便利屋を始めたのはコロナ禍がきっかけだ。

「コロナ禍で余興できる宴会やパーティーがなくなり、東京に住む必要もなくなりました。戸建てに引っ越そうと家を探していたところ、市川に理想的な物件があり、即決で引っ越しました。新天地で新しい仕事ができればと思って、近所を歩いてみると、草や庭木で荒れている家が目についたんです。子どもの頃に草抜きをやっていたこともあり、できそうだと思い挑戦してみました」

 3年前に始めたYouTubeチャンネル「市川の便利屋」では、自身が手がける植栽剪定や草取りなどの庭作業の様子を公開。地域住民の暮らしを支える便利屋の日常が注目を集め、登録者は1万人を突破した。巨大な葛と格闘した動画は20万回再生され、ジャングル化した一軒家の草刈り動画は80万回再生超えの反響を呼んでいる。

■便利屋という名の“万能ホールディングス”

 便利屋としての活動は幅広い。植栽剪定や家具組み立て、翻訳、ウェブサイト制作、ペットシッターまで、依頼内容は多岐にわたる。

「モノマネ芸人としての知名度も仕事も十分ではなかったので、初対面の方に『モノマネ芸人です』と説明するのも恥ずかしく、いつも苦労していました。そんなときYouTubeで便利屋という職業があることを知り、『これだ!』と思ったんです。『便利屋』と名乗れば全て説明がつくので、自分の中でしっくりきました。例えるなら、いろんな企業が集まり『〇〇ホールディングス』を作ったようなイメージですね」

■夢は軽トラ購入、理想の便利屋像を追いかける

 依頼内容で特に多いのは、植栽剪定や伐採、草取り、防草シート施工、抜根、整地、物置組み立てなどだ。

 印象に残っている仕事の一つに、小規模な披露宴での通訳がある。TOEICで990点を取得していたことから翻訳の仕事も請け負っていた桑田さんは、アメリカ人新郎と日本人新婦の披露宴で通訳を依頼された。新郎側の親族との歓談が円滑にいくようサポートする役割だった。

「新郎が徹夜で考えた心温まるスピーチを通訳している途中、感動で言葉が出なくなってしまいました。新郎も喜んでくださり、『Let me give you a tip.』と握手され、手を開いてみたら新100ドル札がありました。今でも大切にとってあります。後にも先にも、あれほど貴重で感動的な仕事はありません」

 便利屋として地域の暮らしを支える日々を送る今、将来的には軽トラかリリーフカーを購入できるほどの広告収入を得たいと夢を語る。

「自分の守備範囲で対応できる仕事であれば、雑草魂でどんな依頼にも対応したいと思っています。日々YouTube動画を作りながら、少しずつ理想の便利屋像に近づければと思っています」


ORICON NEWS

エンタメ

注目の情報