起業するも2年で頓挫…美容業界の“突破者”BCL社長が語る、明日に繋がる「良い負け方」の定…
BCLカンパニーエグゼクティブプレジデント・大村和重氏

【写真】温風・冷風の切り替えや風速も好みにあわせて調節できる…高保水ドライヤー『MASTER MOIST』
■若手時代に経験した“苦渋の2年間”、「失敗は明日に繋げる糧にすればいい」
大村氏がキャリアをスタートさせたのは、大学卒業後に入社した化粧品メーカーだった。10年間経験を積んだ後、独立。しかし、自ら立ち上げた化粧品会社は上手くいかず、2年間で閉鎖。その後、やはり「化粧品の企画を手掛けたい」という思いから、2007年にBCLカンパニーの前身となるソニーB&Cラボラトリーズに入社した。当時は、リーマンショック直後で多くの企業が業績悪化、採用を控えていた時期でもあった。それから14年、営業、宣伝、マーケティングを経て、コロナ禍の2021年にカンパニーエグゼクティブプレジデントに任命された。
――2021年、カンパニーエグゼクティブプレジデントに就任された際、率直にどのような思いを抱かれましたか?
【大村和重氏】当時は、『サボリーノ』というヒット商品が生まれ、“朝マスク”が消費者の生活に定着し始めていたことから、コロナ禍に懸念された売上の落ち込みは少なく、ブランドの認知度も高まっている状態でした。一方で、社内では1979年にソニー・クリエティブプロダクツの一事業部として事業を開始した当初からの風土が残っており、マネジメントスタイルを含め仕事の進め方が昔のまま凝り固まっていて、社内の循環が鈍化しているという印象がありました。ですので、社長に就任した際は『今はいろいろと変えられるチャンスだ』と受け止め、若手にどんどん経験や権限を与えて、社内を活性化したいと思っていました。
――就任されて以降、発売以来10年間ほとんど変化していなかった『サボリーノ』を刷新し、リニューアル前後で売上50%増を達成。同24年には『オヤスミタンパク』などサプリメント市場にも参入を果たすなど、新たな取り組みに挑まれてきました。経歴を見ると、事業の失敗や、リーマンショック直後の転職、コロナ禍でのカンパニーエグゼクティブプレジデント就任と、大変な時代を過ごされていますが、それらの経験が決断や行動に活きている部分はあるのでしょうか?
【大村和重氏】あると思います。新卒で入社した化粧品メーカーでは、九州担当の営業としてドラッグストアの開拓などを行ってきたのですが、当時、とても良い成績を上げることができたんです。自分の能力を過信して、調子に乗って会社を立ち上げたのですが、いざ独立してみたらできないことだらけで、朝7時に会社に行って深夜2時くらいまで働いて休みはほぼゼロ。やがて本当に追い込まれて危機的な状況を経験しました。ただ、あの2年間があったからこそ、今があると思っています。やり直せるという自信が生まれましたし、失敗を明日に繋げる糧にすればいいと学びました。
――新たな挑戦では、今夏に高保水ドライヤー『MASTER MOIST』で初の美容家電ジャンルへ参入されました。『サボリーノ』や『乾燥さん』がヒットし、『乾燥さん』においては昨年度は前年比3倍の売上を記録するなど好調な中、なぜ新規事業に挑まれようと思ったのでしょうか?
【大村和重氏】手をかければ、『サボリーノ』も『乾燥さん』もまだまだ伸びるブランドです。ただ、その波に乗ることだけを考えていたのでは、会社としては成長できません。現在、海外展開にも積極的に注力していますが、化粧品だけでは世界市場でなかなか大きく売り上げを伸ばすことができませんでした。グローバル企業として成長するためには、ビューティー全般を総合的に強化する必要があり、失敗を恐れずにチャレンジする企業風土を築きたいという思いもあって、会社の未来を自分ごととして捉えてもらえるよう全社員を対象に新規事業募集を行いました。そのアイデアをもとに、様々な試行錯誤を重ねた上で生まれたのが『MASTER MOIST』です。
■「1社で立ち向かっても海外には勝てない」、良い負けの定義は“良き仲間を見つけられるか”
――新規事業を立ち上げる上で大切にしたのはどんなことでしょうか?
【大村和重氏】まず商品化することです。新規事業を成功に繋げるためには、スピードは重要な要素です。特に美容業界のトレンドの移り変わりは早いので、まずは商品を作り、そこからどこで売るかやどう売るかなどを試行錯誤していけばいいと考えました。
――そこにも失敗を恐れない姿勢が活きているのですね。
【大村和重氏】もちろん、商品を出せば売れるわけではありませんし、売れなければ引っ込めればいいというやり方は非常に危険です。特に新規事業の場合は担保されているものがなく、販売ルートもないので、自分の足で開拓するなど泥臭いこともやらなければいけません。さまざまな知見を貯めて、ネットワークを広げることもゼロから始めるので、これは既存の事業を左から右へ回すような仕事のやり方をしている人には難しいですし、そういう考え方では実現できないことだと思います。
――これまでの経験を通して、次に繋がり自分の血肉になる失敗と、そうではない失敗の違いをどう捉えられていますか?
【大村和重氏】失敗の良し悪しを明確に区別しているわけではありませんが、失敗してもそこで人脈など、何かしらの繋がりができているのであればいいと思っています。例えば、1000個作って200個売れたときのデータ分析はまったくいらなくて、必要なのはそこで戦っていくためにどういう過程でやったのか、協力してくれたのはどんな会社や人だったのかということです。
――結果ではなく、過程を大切にされているということですね。
【大村和重氏】特に弊社は世界と戦っていくためにさまざまな会社や人と協力していきたいと考えているので、仲間を見つけられる失敗は新規事業においてはいい失敗だと思います。日本の会社は単独で海外と勝負したがる傾向がありますが、1社で立ち向かっても海外には勝てません。ですので、新規事業においては、人脈や繋がりが見つけられなかったり、関係をマイナスにしたりするような失敗は認めず、指摘するようにしています。
――商品開発においては、「売れれば成功、売れなければ失敗」と捉えがちです。
【大村和重氏】失敗は売れるか売れないかで決まるものではありません。弊社では毎年多くの新商品を出していますが、全部当たるなんてありえません。たとえ売れなくても、本人がなぜ売れなかったのか、“たぶん”ではなく“明確に”負けた理由を説明できれば私はOKです。答えられないのであれば、ちゃんと調べて自分でしっかり考える。そうでなければ、次はありません。その意味では失敗はノウハウを蓄積する期間ともいえます。その期間の経験をしっかり自分の中で腑に落とし、他者にも伝えられるか。本人が納得できていることが重要だと思います。
■韓国コスメ台頭も“日本品質の根強い信頼”に勝算あり「メイドインジャパンの底力を示していきたい」
――美容市場では韓国コスメの台頭が顕著です。このトレンドをどのように見ていますか?
【大村和重氏】韓国のコスメは短期間のトレンドを意識して作られていて、反対に日本の商品は長く愛用してもらうことを考えて作られています。たしかに、日本の化粧品は安全性や品質にこだわるために研究に時間がかかり、トレンドからは遅れてしまうという面があります。それでも、やはり品質の担保は大きな武器になりますし、韓国の台頭でアジアンコスメが世界的に注目されている今だからこそ、メイドインジャパンを拡げられるチャンスになっていると思います。実際、インバウンド需要が増えている中、『日本で流行している商品=いいものに違いない』というメイドインジャパン神話も根強いと感じています。
――実際に、メイドインジャパンの需要を感じられたことはありますか?
【大村和重氏】弊社で扱っている『in cosme(インコスメ)』や『オヤスミタンパク』といったサプリメントは、国外のヘルス&ビューティーストアから扱いたいという依頼があるなど、食に関してはメイドインジャパンの需要が高いことを再認識しました。日本の大型家電は、韓国や台湾、中国などのーカーの台頭や価格競争によってやや厳しい状態となっていますが、弊社が新規参入したドライヤーなどの美容家電はまだまだ世界を牽引する存在になれると勝算を感じています。
――最後に今後の展望をお聞かせください。
【大村和重氏】弊社では2030年までの売上目標数値を定め、そこに向かって売上拡大を目指しております。その中でも海外比率に注力していきたいと考えています。1社でできることには限りがあるので、今後はいろいろな企業と連合体でメイドインジャパンの底力を示していきたいです。
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