吉沢亮、「黒澤明賞」授賞式にサプライズ登壇 李相日&クロエ・ジャオ両監督の受賞を祝福

2025/11/04 05:00 

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黒澤明賞授賞式の模様(左から)クロエ・ジャオ監督、吉沢亮、李相日監督

 俳優の吉沢亮が3日、「第38回東京国際映画祭」の「黒澤明賞」授賞式(会場:帝国ホテル)にサプライズゲストとして登壇。今年の受賞者である李相日監督とクロエ・ジャオ監督を祝福した。映画『国宝』で李監督と初タッグを組んだ吉沢は、両監督への思いを語り、式典に華を添えた。

【画像】李相日監督&吉沢亮の2ショットほか授賞式の写真

 吉沢は、「李監督は映画『国宝』という作品で初めてご一緒させていただいて、映画に対する“覚悟”や“執念”を現場で感じていました」と振り返り、「僕自身よりも僕のことを信じてくれているなと思う日々で、その思いに応えるのが非常に苦しくもあり、それ以上に幸せを感じる3ヶ月の撮影でした。本当にありがとうございました」と深い感謝の言葉を贈った。

 また、クロエ・ジャオ監督にも「初めて監督の『ザ・ライダー』を観たとき、アメリカ西部の荒野に生きる人々のリアルな息遣い、生きざまを感じて、非常に素晴らしい映画体験をさせていただきました」と述べ、「監督の今後の物語を、一人の映画人として楽しみにしています。本当におめでとうございます」と敬意を表した。

 李監督は吉沢に対し、「後ろ姿を見ていて、もう“女形の背中”じゃないなと思って、ようやく役が抜けていることを確認できた」と笑顔で応えた。『国宝』での演技を通じて生まれた信頼と絆が垣間見えるやりとりに、会場からも温かな拍手が送られた。

 「黒澤明賞」は、日本が世界に誇る故・黒澤明監督の功績をたたえ、世界の映画界に貢献した人物や、映画界の未来を担う才能ある映画人に贈られる賞。今回の選考委員は山田洋次氏(映画監督)、奈良橋陽子氏(キャスティング・ディレクター)、川本三郎氏(評論家)、市山尚三氏(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)が務めた。受賞者には、スポンサーのカプコン代表取締役会長・辻本憲三氏よりトロフィーと賞金100万円が授与された。

 李監督は「黒澤明監督の名は、歌舞伎でいえば“大名跡”のようなもの。アウトサイダーである私が、その名に向かっていくのは、映画『国宝』の喜久雄と重なるような、畏れと喜び、そして重責を感じます。そんな場に、尊敬するクロエ・ジャオさんと共に立てることを光栄に思います」とコメント。

 さらに、感謝の言葉として「『フラガール』をはじめ、20年以上映画監督を続けてこられたのは、すべての作品に関わってくれたスタッフやキャスト、そして映画というものを通して人間として成長させてくれた皆様のおかげです」と述べた。

 クロエ・ジャオ監督も「この賞をいただけて本当に光栄です。黒澤明監督は、日本と西洋の文化をつなぐ架け橋となった方で、私にとって大きな勇気と影響を与えてくれました。日本の観客の皆様にも、私のキャリアの初期から応援していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。李監督とご一緒できたことも嬉しく、『国宝』を拝見するのが今から楽しみです」と語っていた。

■李相日監督のプロフィール
 1974年生まれ。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。卒業制作『青~chong~』がPFFアワード2000でグランプリなど5冠。『フラガール』(2006年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか主要賞を受賞し注目を集める。以降、『悪人』『許されざる者』『怒り』『流浪の月』など話題作を次々と発表。今年6月に公開された最新作『国宝』は、「第78回カンヌ国際映画祭」で上映され、「第98回アカデミー賞」国際長編映画賞・日本代表にも選出さている。

■クロエ・ジャオ監督のプロフィール
 北京出身の脚本家、映画監督、編集者、プロデューサー。3作目の長編映画『ノマドランド』は、2020年「第77回ベネチア国際映画祭」で金獅子賞を受賞。その後、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞(BAFTA)、全米監督協会賞(DGA)、全米製作者組合賞(PGA)など数々の主要映画賞を制し、アカデミー賞では監督賞・主演女優賞・作品賞の三冠に輝いた。その後、マーベル・スタジオの『エターナルズ』(2021年)を共同脚本・監督し、スケールの大きな作品でも手腕を発揮。最新作は、ジェシー・バックリーとポール・メスカルを主演に迎えた『ハムネット』。本作では共同脚本・監督を務めており、2026年春に日本公開予定。
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