AmBitious真弓孟之、先輩・長尾謙杜から学んだ主演の背中 現場でのコミュニケーション…

2025/10/13 05:00 

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映画『恋に至る病』に出演する真弓孟之  撮影:山崎美蔓※崎=たつさき(C)ORICON NewS inc.

 7人組グループ・なにわ男子の長尾謙杜と、俳優の山田杏奈がW主演を務める映画『恋に至る病』(10月24日公開)。宮嶺(長尾)や景(山田)のクラスメイトであり、学級委員を務める井出翔太を演じるのが関西ジュニア・AmBitiousの真弓孟之だ。長尾の後輩であり、近年はドラマ『御上先生』に出演し、俳優として活躍の幅を広げる真弓が、初の長編単独映画出演をかなえた今作を振り返った。

【撮り下ろしショット】アンニュイな表情をみせる真弓孟之

 斜線堂有紀氏による同名の人気恋愛小説を実写映画化。内気な男子高校生・宮嶺望(みやみね・のぞむ)を長尾が、そんな宮嶺が出会い、初恋に落ち、彼の人生を大きく変えることになる寄河景(よすが・けい)を山田が演じる。2人の共演はAmazonオリジナル映画『HOMESTAY』(2022)以来2度目となり、劇場用映画での共演は本作が初となる。

■「楽しみ5:不安5」で挑んだ初映画、学級委員役は“自分に真面目さを足して”

――初の長編単独映画に出演すると聞いた感想はいかがでしたか。

めちゃくちゃびっくりしました。演技の経験は舞台が中心で、映像では先輩の幼少期を少し演じるくらいだったので、楽しみ5:不安5でいい感じの緊張感で臨ませていただきました。

――今作はラブストーリーとミステリー要素もあるサスペンスが交錯する今までにない作品となっております。作品自体の印象はいかがでしょうか。

タイトルを読んでミステリー系かと思って実際に小説を読んでみると、まさに“ミステリー&ラブストーリー”。ずっとそういったジャンルに興味があったのですてきな作品に携わらせていただけるんだなと責任感がありました。

――井出は学級委員ですが、役柄はどう捉えましたか。

僕は井出くんほど真面目ではないですが、どのキャラクターに一番近いかといえば井出くん。あまり作りすぎず、いつもの自分に真面目な要素を足して、学級代表として見えたらいいなと真面目感を出してみました。

――自分の中の真面目さはどこに感じていますか。

普段の僕はいい意味で流されにくい。井出も人がミスしてみんなが笑っているときもあまり笑わなかったり真面目なところが如実に出ているシーンがあって、そういうところは自分の中から出せているところもあるんじゃないかなと思います。最初のあいさつシーンでも、“真面目”と“堅い”は別だとしても、この井出なら笑わないんやろうな、と思いながら演じました。

――制作陣から井出を演じる上でリクエストはありましたか。

最初の打ち合わせのときに「こういう現場は初めてなんです」とお話ししたらセリフさえ覚えてくれたら現場で指示をするのでのびのびやっていいよ、と監督さんにおっしゃっていただき、実際に、のびのびできました。とはいえ自分のなかで「井出はこういう子かな」とあらかじめ作っていきました。初めてで現場の様子が想像できなかったこともあって不安を胸にお仕事に行っていました。

――そんななか、みんなの前に立ってクラスを仕切るシーンもありましたが緊張はありましたか。

緊張しました!(笑)ほんまにやばかったです。お仕事を始めてからTOP3くらいに緊張しました。もちろんステージだったら1対何千人のお客さまにもなるわけですが、1対30人くらいなのにすごく緊張しましたね。なんでやろ?キャストはみなさん、お芝居のプロの方なので、その方たちになじまないと、という責任感がのしかかっていたのかもしれません。

■ 「孟之!」と呼んでくれた長尾謙杜、現場は“9割関係ない話”で和んだ

――プロデューサーさんは落ち着いて堂々としていたとおっしゃっていましたが…。

いやいや、緊張が出まくっちゃっただけです。でもそこは長尾くんがほぐしてくださって、撮影の空き時間もめちゃくちゃ話しかけてくれました。

――現場ではやはり長尾さんが中心にいらっしゃったんですね。

ですね。“こんなに仲良かったっけ?”というくらい話しかけてくれました。初対面ではないけど関係性的には初対面くらいの感覚でしたが、友達のような距離感で接してくれました。あの教室内ではその関係性が正解やったと思うので、そこまで考えてくれていたのかな。

――長尾さんから、なんと呼ばれていたのでしょうか。

「孟之」と呼ばれていましたが、それも「孟之」「孟之って呼ばないでください」って流れがあって。普段は「たけ」とか「真弓」なので…Aぇ! groupの小島健くんがイジる感じで「孟之」と呼んできて、小島くんと長尾くんは仲良しなのでそこで話したのかもしれません。そのノリからお話しさせていただいて仲良くなりました。

――その後、現場以外でもお話をしたりしましたか。

この撮影が終わった後に『KAMIGATA BOYZ』という事務所の関西出身アーティストの合同コンサートがあった際、なにわ男子さんの楽屋があって、ジュニアは大部屋だったんですけどわざわざ僕を訪ねてきてくれて…関係性が続いて「覚えていてくれたんや!」と。めちゃくちゃうれしかったです。

――クラスの撮影も多かったと思いますが、作品の作風からしても、そこまで和気あいあいした感じじゃないと長尾さんがおっしゃっていました。

確かにな~。でも、長尾くんがずっと右からしゃべっていました。しゃべっていたけど長尾くんがいなかったらそういう雰囲気じゃなかったかもしれません。静かな場面も多い現場だったけど、関係性を作る会話はみんなしていました。なかでも圧倒的に長尾くんは話してくれました。

――長尾さんも「つい孟之と話しちゃう」とおっしゃってましたよ。

それがめちゃくちゃありがたかったです。他のキャストさんや、スタッフさんとの雰囲気づくりがわからないなか、関西ジュニア出身の先輩がそこにいてくださるだけでめちゃくちゃ現場にいやすかったです。

――どんなことを話しましたか。

9割、関係ない話です(笑)。最近なにしてるの?とか、ライブするんですよ、とか。あとは関西弁と標準語の練習をしていました。長尾くんもごくたまに関西弁が出るときがあったので。

――普段は関西弁の真弓さんが難しかった標準語イントネーションはありますか?

「消しゴム」。あれはめちゃくちゃ難しかったです。これが関西からくるときの壁やなってぶつかりましたね(笑)。

――俳優のお仕事の機会も増えましたが関西弁の難しさはあるんですね。

まだ苦戦しますね。この撮影が終わった後に半年後くらいに『御上先生』の撮影があったのですが、この作品の経験のおかげで少し慣れていた気がします。とはいえ全然苦戦はしていたんですけど…。

――なにか長尾さんから芝居のアドバイスはありましたか。

まったくないです(笑)。まったくなかったけど、現場での立ち振舞を背中で教えてくれていたなと思います。

――実際に長尾さんの姿をみて見習いたいと感じた部分はどこですか。

長尾くんがおるところに笑顔があって。それはキャストだけでなくスタッフさんもそう。バックヤード含めてのムードメーカーであるところが素敵だなと感じました。

――俳優さんとしての長尾さんの魅力はどこに感じますか。

ギャップです。カメラが回っているときと回っていないときで、全然違います。カットがかかった瞬間に「孟之!」ってきてくれるけど「よーい、アクション!」でもう完全に宮嶺になる。宮嶺は暗めのキャラなので、もう陰と陽のギャップがめちゃくちゃすごいなと思います。

――もうひとりの主演である山田杏奈さんはどうでした?

山田さんは景でしたね。うまく言語化できないですけど華やかさって言うんかな。山田さんの後ろに光がさして見えました。主人公だな、と思いました。本当に景になっていました。

■グループから離れてひとりでの俳優業に心細さも…メンバーは「ホームやな」

――改めて、完成作を見てご自身の出演部分に対してどのような感想を持ちましたか。

自分らしさもあれば反省点もある。やっぱり“演技をしよう”というそのマインドになりすぎて、たどたどしい部分がありました。今後もトライアンドエラーが必要で、今作は完成しましたけど、この反省点を生かして、次にまたブラッシュアップして、レベルの高いものになればなと思います。

――物語にちなみ、真弓さん自身は割と人から影響を受けやすいタイプですか?それとも受けないタイプですか?

影響は受けにくいですけど流行りにめっちゃ敏感です。流行はついチェックしちゃうけど、でも内面的な部分で人に流されたりすることはあまりないですね。他人は他人、自分は自分ってちゃんと分けられるタイプです。

――グループ活動でも自分の意見はちゃんと伝えられる?

各々メンバー得意分野があって、例えば、コンサートでは井上一太というめちゃくちゃダンスうまいメンバーががいて、一太の意見を聞くこともあれば、逆に、MCとか喋りでは僕が意見を言うし…。それはどうなんやろ?と思ったらちゃんと口に出して言ったりはします。でもそれ以外のところは自分の意見は言うけど、人の意見に対して否定することはあんまりないです。否定するのではなく、自分の気持ちをちゃんと伝えています。

――そんなAmBitiousのメンバーからはどのような反応がありましたか。

めちゃくちゃびっくりしていました。ドラマや再現VTRは各々でやったことはあったんですが、映画となったらみんなの反応が全然違いました。リハ期間だったんですけど“頑張れ”って背中押してくれましたね。

――そのなかでも印象に残った言葉はありますか?

山中一輝が映画の心配じゃなくて「リハ間に合う?」っていう。リハの心配してくれました(笑)。

――グループを離れて長期で1人で別の現場に行くのは寂しさもあったり…。

めっちゃ心細かったですね。でも、1年前ぐらいに同世代がいないミュージカルの主演を経験させていただいて、その経験を経て、今回は長尾くんもいてくださったし、同世代の方もいたのでその時よりかは大丈夫でしたね。

――では、リハでグループのメンバーに会った時は、ちょっとほっとする気持ちとかもあったりしましたか。

“あ、ホームや”と思いました。

――ミュージカル、ドラマも経験し映画も経験しましたけど、3つの世界でもなんか違いだったりとか発見だったりとか改めて感じる部分もありましたか。

ありますね。ミュージカル、ドラマ、映画、3つとも違うなと感じました。

――セリフの覚え方にちょっとルーティンとか出てきてますか?

この撮影では、ひたすら台本と向き合ってたんですけど、自分でボイスメモを録って、自分のセリフではないところをしゃべって、その間を埋める覚え方をしてますね。その覚え方をしている先輩がいるとマネージャーさんに聞いて、それが記憶にあったので試したら自分には合ってました。

――俳優としてこれからやってみたいジャンルや役柄はありますか。

『あなたの番です』がめちゃくちゃ好きで考察系のミステリーに憧れるようになりました。そのほかで一番やりたいのは、自分の最大限の良さを活かせる明るい先生。『ごめんね、青春!』のような作品がいいな。学園モノはできるうちにやってみたいですね。
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