『鬼滅の刃』キャラ、なぜ前屈みで走る? 日本古来の走り方“神足歩行術”を再現するプロが解説

引用『1分間に288歩 忍者のように高速で走る練習』

【比較写真】現代との走り方の違いはここに現れる?”砂の飛ぶ位置”に注目
■”原点”を探りたくなった…浮世絵から習得した「神足歩行術」
――そもそも「江戸時代の走り方」に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
【大場】2013年頃、100kmマラソンの途中で膝を痛めてリタイアしたのがきっかけです。もともとその4〜5年前くらいから、仕事のストレスで通勤電車もしんどくなっていて、ある日1駅歩いてみたら気分が良くなったのです。そこから段々とフルマラソンも走るようになりました。友人に100kmマラソンを勧められて軽いノリで出てみたら、やっぱり100kmは全然違う。フルは走れても、65kmあたりで膝が痛くなって関門に間に合わずリタイアしてしまいました。それがものすごく悔しくて。練習不足だとわかってはいたけど、悔しさの方が勝って、100kmを走るにはどうすればいいか調べ始めました。普通ならランニング教室とか実績のある先生につくと思うのですが、なぜか古武術の先生の話が妙にハマって。江戸時代の飛脚は1日100〜200km走ったとか、京都まで3日で走ったとか、そういう話が心に響いて、「自分もできたらすごくない?」と根拠もなく燃えて。そこから気づいたら、その道に入っていった感じです。
――研究の際にはどのようなものを参考にしていたのでしょうか。
【大場】最初は古武術の先生の話に惹かれたのですが、もちろん走りの専門ではない。ただ「昔の人はこうだったらしい」という話があるだけで、具体的な走り方はわかりませんでした。それでは物足りないなと思い、もっと文献など“原点”を探りたくなって。2014年後半から国会図書館に通って調べ始めました。そこで「神足歩行術」っていう“神の足の 歩き方”があるらしいって情報を見つけて、何とか資料を探し出しました。
――どんな資料だったのでしょうか?
【大場】昔の技術は、師匠が弟子に口伝えで教える一子相伝の世界なので、文献には断片的なことしか書かれていませんでした。視覚的な手がかりとしては、飛脚を描いた”浮世絵”なども参考にしています。多くの絵師が共通して描く動作のなかに、実際の身体の使い方まで反映されている可能性があると考えたからです。たとえば菱川師宣の「吉原の躰(てい)」では、膝を曲げて前傾姿勢になり、つま先で歩くような特徴が見られます。谷釜尋徳氏の著書『歩く江戸の旅人たち』(晃洋書房)も、外国人が日本人の歩き方に驚き、それを記録していたことが紹介されています。こうした浮世絵や国外の視点による記録などの文献が、当時の日本人の歩き方を知る手がかりとなっています。
それらの断片を拾っていくと、なんとなく形が見えてきました。最終的には、自分の体を使って書かれていることを試行錯誤しながら再現して、自分のホームページや動画に記録しています。
■アニメや漫画のキャラクターに通ずる“前屈み”で走る共通点、なぜ速く走れる?
――SNSで投稿されている動画は大きな話題となっているが、この反響をどう感じているか?
【大場】今、私の動画はコメント欄がすごく賑やかで、ちょっとした大喜利のようになっています。「この歩き方、卒業式で使います!」みたいなネタっぽいコメントに何万もの“いいね”がついたりして。最初の頃は「こんな歩き方あるわけないだろ」みたいなアンチコメントも多かったんですが、今では多くの方が自由に楽しんでくれていて、本当にありがたいと感じています。そもそも「江戸時代の歩き方って何?」と思うのが普通だと思うんですが、コメント欄の盛り上がりをきっかけに、少しでも興味を持ってもらえるのは嬉しいことです。
――続編映画も公開され大ヒット中の『鬼滅の刃』をはじめ、アニメや漫画のキャラクターたちの走り方には“前屈み”で走る共通点があるようにも感じます。影響や共通点を感じる場面はありますか?
【大場】恥ずかしながら、今まで『鬼滅の刃』をあまり知らなかったんですが、友達に「絶対見た方がいいよ」と言われて、最初のシリーズから見始めたんです。鱗滝さんという天狗のお面の師匠が出てきて、その走り方が私のやっている走りとすごく近いと感じました。手を振らずにスーッと走る感じが印象的でしたね。
――刀を持っているキャラクターでも腰に手を添えながら走る描写がありますが、腕を大きく振らずに速く走ることは可能なのでしょうか。
【大場】走るときの基本は、重力を使うことだと思っています。少し前に重心を傾けると自然に倒れ始めて、その力を使って足を後ろに置いていくだけで前に進める。極端に言えば「ずっと転び続けている」感覚ですね。だから手を振らなくても、重心の傾きと倒れ込みだけで走れる。筋力より重力に任せた方がずっと楽なんです。とはいえ、転ぶのって怖いんですよね。その“転ぶ怖さ”と向き合いながら、自分で制御できる範囲で倒れ続けるのが理想の走り。それができれば、坂道でも自由に動けると考えています。
――作中では人の範疇にはない動きをするために“呼吸法”が要になっています。呼吸が走りにどう関係していると感じますか?
【大場】神足歩行術の原則には、「臍納め(へそおさめ)」といって、「気を丹田に納め、首筋や腹や足の先までの凝りを解くことが、 この術の根本原則である」という教えがあります。私はこれを、丹田(体の重心)に意識を集中して、全身をリラックスするということだと理解していますが、原則として呼吸が大事になることは間違いないと思います。
――文化や時代によって“走り”の方法が変化していることについては、どうお感じになっていますか?
【大場】これはあくまで私の考えですが、江戸時代に人が走っていたのは、飛脚が手紙や荷物を届けるためで、今でいうメールのような“手段”だったんです。走ること自体が目的ではありませんでした。そのため、明治になって汽車や郵便が整うと、人が物理的に走る必要がなくなって、飛脚の文化も自然に消えていった。さらに、洋服や学校教育、軍隊的な体の使い方が入ってきて、動きも西洋式に変わっていった。明治42年に日本でもマラソン大会が始まり「スポーツとして走る」文化が入ってきた頃には、もう飛脚の走りは途絶えていて、そのまま西洋式が定着したのかなと。まあ、これはあくまでも私の見方なので、「そういう考えもあるんだな」くらいに受け取ってもらえたら。
■“1日約160キロ走るのが普通”「神足歩行術の実用性を確かめたい」
――当時の走りと現代の走りの大きな違いを教えてください。
【大場】江戸時代の走り方って、「全身を緩める」のが基本で、力を抜いて重力に任せて走るんです。今みたいに筋トレで鍛えるのとは真逆。ただ、当時は日常生活の運動量が今とは比べ物にならなかった。当時の旅人は1日に30kmは歩いて移動していたと言われていますし、日常の洗濯や煮炊きもすべて手作業です。食事も玄米を1日5合くらい食べていたと言われていて、消費カロリーもかなり高かった。だからこそ、緩めて走るっていう方法が成り立っていたのだと思います。
現代では同じやり方がそのまま通用するかはわからないが、「楽に動ける」という意味では可能性がある。特に長距離ランナーや高齢の方には合うかもしれません。靴の問題もあるので調整は必要ですが、うまく広まれば年配の方でも身体に負担なく運動できて、もしかすると認知症予防なんかにも繋がるかもしれないとも思っています。
――研究において苦労した点は何ですか?
【大場】現代の私たちの歩き方と、江戸時代の歩き方がまったく違うってことに”気づく”までにすごく時間がかかったことです。当時は「歩く」と「走る」の区別があまりなくて、「普通の歩き方で速く行けばいい」と書かれていても、その「普通」って何?と立ち止まってしまった。そこから浮世絵などの資料を何度も見返して考え続けて、気づくまでに4〜5年もかかった。でも、その気づきがあったことで、彼らにとっての「普通」が見えてきたのは大きな収穫でした。
――今後”江戸時代の走り方”においてどのように研究や活動を発展させたいですか?
【大場】今やろうと思っているのは、江戸一京都間の約500キロを3日間で走るという、当時の走りを再現するプロジェクトです。江戸時代の文献、「神足歩行術」などには1日約160キロ走るのが普通と書かれていて、それを実際に試してみたいです。現代でも1日160キロ走れる人はいるので、人間の能力としては可能だと思います。ただ、それを江戸時代の走り方で走ってみて、実用的に問題ないと証明できればと思っています。
また、学術的な裏付けが手薄なので、文献を研究する方や運動生理学の専門家に動きを見てもらって、評価・検証していただきたいです。矛盾点があれば修正して、より正確な当時の動きを解明できることを願っています。
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