「“あせも”軽視しないで」皮膚科医が警鐘 市販薬が効かない症状、糖尿病の人は重症化リスクも

「たかが、あせも」でも対応を間違えると?

【一覧】酷暑の夏こっちも怖い…流行中の感染症は?
■あせもには「1」から「3」まで段階あり、受診のタイミングは?
――あせも(汗疹)とは具体的にどのような状態を指すのか、定義を教えてください。
「汗を分泌する汗腺が詰まることで炎症を起こす状態で、症状の進行度合いによって、3つの段階に分けられます。第1段階は汗腺が詰まっているだけの状態で、白いプツプツとした発疹が見られます。これが悪化すると第2段階として皮膚に炎症が起き、プツプツが赤くなります。さらに重症化すると、皮膚がガサガサになって真っ赤になる第3段階へと進行します」
──どうすれば治りますか?
「第1段階であれば皮膚を清潔に保つことで自然治癒することが多いですが、炎症が起きてしまったら外用薬(塗り薬)を使いましょう。市販薬にもいいお薬はあります。ただし、広い範囲に症状が出ていたり、薬を使っても改善しない場合はあせも以外の病気の可能性もあるので、医療機関を受診することをおすすめします」
──どのタイミングで受診すればいいか、迷います…。
「判断基準は『かゆみが出ているかどうか』ですね。あせもをはじめとする湿疹の治療には、抗炎症作用のあるステロイド外用薬が用いられます。ただし、市販薬は基本的に軽度の症状にしか対応していません。市販薬を5~6日使って改善しなかったら薬の使用を中止して、医療機関を受診してください。別の病気が見つかる可能性もあります」
■実は別の病気かも? 菌が入って“とびひ”になると「市販薬では対応できない」
──あせもだと思っていたものが、実は別の病気だったというケースも?
「紛らわしい皮膚トラブルは様々ありますが、この時期に特に多いのは間擦疹(かんさつしん)ですね。これは皮膚の摩擦によって起こる炎症性発疹のことで、あせもとは原因が異なりますが、かゆみや赤みを伴うなど症状はよく似ています。首や脇、股の間、胸など皮膚が擦れやすい部位に起こりやすいのも間擦疹の特徴です」
──自己判断で市販薬を使い続けることで、かえって症状が悪化することは?
「あります。特に高温多湿なこの季節に流行しがちなのが、とびひ(伝染性膿痂疹)という皮膚感染症で、汗疹をきっかけに発症することもよくあります。とびひの原因は黄色ブドウ球菌などの身近な雑菌で、普段は滅多に悪さをしません。ただし、あせもや虫刺されなどのかゆみで皮膚をかき壊すと、皮膚のバリア機能が崩れ、そこから菌が入り込み、とびひとして発症します」
──あせもからとびひに発展することもあるのですね。どんな症状になったらとびひになるのでしょう?
「患部がジュクジュクとして黄色い膿が生じたり、黄色いかさぶたがついていたら、とびひの可能性が高いです。また、とびひはその名の通り、患部が広がっていく特徴があります。治療には皮膚の菌を殺す抗生剤(外用薬、内服薬)を用いるので、市販薬では対応できません。とびひが疑われたら、なるべく早く医療機関を受診しましょう」
──あせもではなく、実は怖い病気だった…ということも?
「あせもと似た赤いプツプツができる病気で、特に怖いのは梅毒です。梅毒の初期段階には自覚症状があまりないため、見逃しに注意が必要です。梅毒とあせもを見分ける大きなポイントはかゆみで、梅毒はかゆみを伴わないことがほとんど。また梅毒は感染症なので、あせもをはじめとする湿疹やかぶれとは薬も治療法も根本的に異なります。あせもだと思って市販薬を塗り続けているのに、ぜんぜん治らないという場合は別の病気の可能性を疑い、早めに病院を受診してください」
──なるほど、恐ろしいですね。また、あせもが重症化すると最悪の場合どんなことが起きますか?
「あせもからとびひなどの皮膚感染症になり、さらに悪化すると最悪の場合、敗血症(はいけつしょう)という状態になることもあります。これは血液の中に入った菌が全身に巡り、高熱が出たり、意識障害を起こしたりする病気。健康な方であれば滅多になることはありませんが、私自身、大学病院にいた頃にこうした症例を診たことがあります。特に、糖尿病や免疫不全などを併存されている方は、注意が必要。くれぐれも『たかが、あせも』と軽視しないでください」
■「たかが、あせも」で病院に行くのは大げさ? オンラインでも診断可能
──あせもになった皮膚に、跡が残る可能性はありますか?
「軽い汗疹であれば跡は残りませんが、炎症が強くなってかきむしったりすると、一時的に黒ずむことがあります。これは炎症による色素沈着で、特に今の時期は紫外線が加わるとさらに濃く、長引いてしまいます。皮膚トラブルを起こした部位は、特に日焼けに注意することが大切です」
──跡を残さないためには、どのようにケアすればいいですか?
「まずは抗炎症薬で炎症をしっかり抑え、赤みやかゆみが落ち着いてから、トラネキサム酸やビタミンCなどを使った美白ケアを行うのがおすすめです。ビタミンCは刺激性があり、炎症が起きている段階でいきなり使うと滲みて痛いこともあるので気をつけてください」
──先生のお話から、あせもを軽視してはいけないことがわかりました。しかし、やはり「たかがあせも」で病院に行くのも大げさなような気がして…。
「そういう方は、オンラインのほうが気軽に受診していただけるかもしれないですね。最近はスマホのカメラも高画質になったので、患部の写真をアップロードしていただくなどして診察が可能。もちろん検査や処置が必要な場合は来院していただくことになりますが、軽度であればオンラインでもお薬の処方ができます。受診をためらって悪化させる前に、試してみてください」
【監修】
圓山 尚(えんやまたかし)
ナチュラルスキンクリニック院長兼クリニックフォア監修医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、”美のかかりつけ医”として活動している。
(文:児玉澄子)
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