三谷幸喜、文楽への愛止まらず何度も「おもしろい」 過激な私見で笑い誘う「知らないと生きる価…

2025/08/15 20:00 

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文楽への愛を明かした三谷幸喜(C)ORICON NewS inc.

 演出家・脚本家の三谷幸喜が15日。都内で行われたPARCO PRODUCE 2025 三谷文楽『人形ぎらい』開幕前会見に登壇。文楽への愛をあふれさせた。

【写真】三谷くん人形を抱える三谷幸喜&吉田一輔

 三谷は、監修・出演を務める人形遣いの吉田一輔とともに、本作の主人公の人形・陀羅助が板付きの舞台に登場。その手に三谷そっくりの三谷くん人形を抱え、フォトセッションではピースやお手振りでアピールした。

 三谷くん人形は退場し、会見がスタート。13年ぶりの三谷文楽の新作となるが、三谷は「改めて思ったんですけど、めちゃくちゃおもしろいんですよ。こんなにおもしろいものがあるのかと。演劇のおもしろさを十分に知っているつもりなんですけど、それとはまた違う、すてきでドリーミーな世界があったんだと改めて感じて。とにかく知ってほしいし、そういう機会になるといいなと思います」と冒頭から熱弁した。

 三谷の言葉を受けて、一輔は「文楽をこんなにおもしろいものがあるのかと言っていただけるのは、伝統芸能の力ですが、プレッシャーでもあります」と吐露。これにすかさず三谷が「本当におもしろいんですよ!びっくりするぐらいおもしろいんです」と熱く重ね、一輔も「ありがとうございます。期待に答えられるように頑張って務めたいと思います」と応えた。

 文楽の魅力について、三谷は「本当におもしろいんですよ」と再度伝えた上で、「なんでこんなにおもしろいんだろうって客席で観ていたんですけど、お客さんとして観ると、はじめはなんて小さい人たちが出てきたんだろうって思うし、その後ろにいる黒い人たちはなんだろうって思うんですけど、違和感が30秒くらいでなくなって、その後は本当に引き込まれるんです」とし、「その小ささがいい」と解説。「これで例えば文楽人形が30メートルくらいあったら集中できない」とユーモアをまじえて例をあげ、小さいからこそ「丁寧に表現されていく世界」と絶賛。「これを知らないで生きている人は生きる価値がないんじゃないかっていうくらい」と私見で笑いを誘った。

 一輔いわく、本来文楽にはない喜劇を展開する三谷文楽。今作では、通天閣を登ったり、スケートボードに乗ったりと、さまざまな表現で観客を楽しませるという。会見の最後にも、三谷は「口酸っぱく言っていますけど、文楽は本当におもしろいです。文楽を知っている方も、こういうやり方もあるんだとか、こんな表現もあるんだっていうことでさらに好きになってもらえると思いますので、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。

 2012年に誕生した三谷文楽『其礼成心中』は、2012年以降も各地で上演を重ね好評を博した。今作『人形ぎらい』は、13年ぶりの三谷文楽新作となる。時は現代、文楽の劇場を舞台に、主人公は人形たち、役を演じている人形自身の話となる。近松門左衛門作『鑓の権三重帷子』(槍の名人で色男の権三&人妻おさゐが、不義密通の濡れ衣を着せられる物語)。それを演じる権三役の源太&おさゐ役の姐さん&万年引き立て役の陀羅助の3人。陀羅助は憎まれ役ばかりを演じさせられることに不満が爆発。ついには人形たちが劇場を飛び出し…という物語。

 再び文楽へ挑む三谷の元に、監修・出演(人形遣い)に、13年前の『其礼成心中』公演の仕掛け人で、その活動を賞して2023年関西元気文化圏賞 ニューパワー賞を受賞した一輔、作曲・出演(三味線)に、『其礼成心中』でも音楽を担当した鶴澤清介、出演(太夫)に、『其礼成心中』にも出演、2022年には太夫に与えられる最高の資格である「切語り」に昇格した竹本千歳太夫と、三谷文楽には欠かせないメンバーがそろった

 公演は、あす16日~28日に東京・PARCO劇場にて上演される。
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