三谷幸喜、13年ぶりの三谷文楽新作が開幕 次回作に意欲も「6年後は難しいかも」

2025/08/15 20:00 

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次回作に意欲を示した三谷幸喜(左)、吉田一輔氏 (C)ORICON NewS inc.

 演出家・脚本家の三谷幸喜が15日。都内で行われたPARCO PRODUCE 2025 三谷文楽『人形ぎらい』開幕前会見に登壇。13年ぶりの新作について語った。

【集合ショット】人形とともに撮影に応じた三谷幸喜&吉田一輔氏

 三谷は、監修・出演を務める人形遣いの吉田一輔とともに、本作の主人公の人形・陀羅助が板付きの舞台に登場。その手には三谷そっくりの三谷人形が抱えられ、会見前のフォトセッションではピースやお手振りなどで会場を和ませた。

 今作は、13年ぶりの三谷文楽の新作となる。なぜ13年という月日が経ってしまったのかと問われると、「僕も文楽に集中していくこともできず、ほかにもやりたいことがあって…」と少し申し訳なさそうに話し、「でもやってみると本当におもしろいし、楽しいし、作り甲斐がある世界なので、今はずっとこの世界にいたいという気持ち。そのぐらいすてきです」と胸を張った。

 新作について、一輔から「次は(13年の)半分の5年後6年後には作っていただきたい」とリクエスト。三谷は「アイディアはいっぱいあるんですよ。文楽はエロティックだし、殺しのシーンも、人形が死ぬと、本当に魂が抜ける」としつつ、「いろいろ浮かぶんですけど、5年後6年後は難しいかもしれない」と本音をこぼした。

 2012年に誕生した三谷文楽『其礼成心中』。文楽の伝統と技芸に敬意を表しながら、三谷の新しい視点と演出で創作した古典エンタテインメントは、文楽ファンはもとより、文楽ビギナーズへも文楽の魅力を伝え、2012年以降も各地で上演を重ね好評を博した。13年ぶり新作『人形ぎらい』は、時は現代、文楽の劇場を舞台に、主人公は人形たち、役を演じている人形自身の話となる。

 近松門左衛門作『鑓の権三重帷子』(槍の名人で色男の権三&人妻おさゐが、不義密通の濡れ衣を着せられる物語)。それを演じる権三役の源太&おさゐ役の姐さん&万年引き立て役の陀羅助の3人。陀羅助は憎まれ役ばかりを演じさせられることに不満が爆発。ついには人形たちが劇場を飛び出し…という物語。

 再び文楽へ挑む三谷の元に、監修・出演(人形遣い)に、13年前の『其礼成心中』公演の仕掛け人で、その活動を賞して2023年関西元気文化圏賞 ニューパワー賞を受賞した一輔、作曲・出演(三味線)に、『其礼成心中』でも音楽を担当した鶴澤清介、出演(太夫)に、『其礼成心中』にも出演、2022年には太夫に与えられる最高の資格である「切語り」に昇格した竹本千歳太夫と、三谷文楽には欠かせないメンバーがそろった

 公演は、あす16日~28日に東京・PARCO劇場にて上演される。
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