元パラ五輪選手で義手のヴァイオリニスト、義手の看護師経験が糧に「目標を1つひとつ進めば、前…

義手のヴァイオリニスト・伊藤真波さん

【写真】日本初の義手看護師や五輪選手時代、義手ヴァイオリニストでの超絶技巧も「人間に不可能はない」
◆「これで看護師と言っていいのか…」義手の看護師となったものの悩み続ける日々
――Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」を演奏する動画が、Instagramで「美しい音色」「感動して泣きそう」などと話題になりました。
【伊藤真波さん】 「ライラック」を弾きはじめの頃は、肩甲骨を速く動かして義手に伝えさせないといけないので、何度も弓が飛んでしまいそうでした。私の大好きな曲でもありますし、自身のレベルアップにも繋がる曲でした。
――「20歳看護学生の時に交通事故に遭い右腕を切断」とInstagramには書かれていました。当時の状況を教えてください。
【伊藤真波さん】 看護学校の実習へバイクで向かう道中にトラックに轢かれ、病院へ運ばれました。集中治療室で長時間の手術後、腕は残せていました。しかし損傷が激しく、菌が体に回ってしまうのを防ぐため、事故から2ヵ月後に切断することになりました。
――事故後はどういった心境でしたか?
【伊藤真波さん】 切断後に成人式を控えていて、式当日は病室のベッドで同い年の新成人たちをテレビで観ていました。人に会いたくないし、人生はどん底で真っ暗闇。両親からも「お嫁にも仕事にも行かなくていい。家にいてくれたらいい」と言われていました。
――復帰後は日本初の義手を用いた看護師として就職されました。義手での看護師生活はどうでしたか?
【伊藤真波さん】 看護師にはなれましたが、できないことばかりでした。医療現場では悠長に私に合わせて待ってもらえるようなことはありません。ガーゼを取って、注射器に針を付けてなど、義手での作業はどうしても時間がかかります。患者さんを抱えてベッドに運ぶなど、できないことを後輩や先輩に頼まないといけない場面も多くありました。できないことだらけで、「こんな状況で看護師と言っていいのかな?」と悩む毎日でした。
◆「世界は広いと感じることができた」競泳で“パラ五輪”に出場して得られた経験
――どうやって乗り越えたのですか?
【伊藤真波さん】 そんな私を救ってくれたのは患者さんでした。私を呼んでいると聞き、行くとただ話を聞くだけ。技術だけではなく、患者さんの心に寄り添うことも看護なのだということを、患者さんから教えてもらいました。
――競泳選手として、2008年「北京パラ五輪」と2012年「ロンドンパラ五輪」に出場されました。水泳を始めたきっかけは?
【伊藤真波さん】 小学生の頃、姉が習っていたので、私も始めました。高校生になってからは、ほとんど泳ぐこともなくなりました。
――パラ五輪出場に至るまでの過程を教えてください。
【伊藤真波さん】 腕を切断後、車椅子バスケットを見に行ったことがきっかけでした。大きな音を立ててぶつかり合い、転んでも自分で車椅子を起こして向かっていく姿が格好良くて、何かにぶつかっても這い上がれる強い心を持ちたいと思い、水泳を始めました。リハビリの一環で始めましたが、競泳に挑戦してみると、すぐに翌年開催のパラ五輪の出場基準タイムに到達しました。ルールもわからず、勢いだけで北京パラ五輪に出場することになりました。
――2度のパラ五輪出場で得たものは?
【伊藤真波さん】 「世界は広い」と思いました。いろいろな人がいて、自分はまだまだだなと感じました。北京パラ五輪はビギナーズラックで出られました。ですが、ある程度期待をされて、アスリートとして出場したロンドンパラ五輪では、けがの中、入賞がやっとでした。でも、この世界を知れたことで、いろいろなことに挑戦しようと思えた経験でした。
――看護師、ヴァイオリニスト、パラ五輪出場とさまざまな活動をされてきました。辛い状況でも前を向いて歩みを進めるきっかけとなった出来事はありますか?
【伊藤真波さん】 看護師になれたことがきっかけかも知れません。事故後、病院で塞ぎ込んでいた時に、看護学校の先生が病室に来てくれました。退学させられるのかと思ったら、「あなたが泣いている間、看護師になれるように、国と厚生労働省と戦ってきました。あなた次第です。あなたを学校で待っています」と言われました。私は「学校に戻らせてください」としがみつきました。すると、「1つ条件があります。看護師用の義手を作ってください」と言われました。そこから今までに前例のない看護師専用の義手を製作し、「義手の看護師」として勤務するようになりました。
――素晴らしい先生ですね。
【伊藤真波さん】 看護師経験を通して、目標を立てて1つひとつ進んでいけば、前に進める自分を知ることができました。きっと大きな目標が必要だったのだと思います。もちろん自分ひとりではできないので、いろいろな方の協力を得て、周りを巻き込んで進めていきました。
――伊藤さんの多岐にわたる活動に対して賞賛や驚きの声も挙がっていますが、ご自身ではどのように感じていますか?
【伊藤真波さん】 本当に何も考えていません。むしろ、すごいとも思っていません(笑)。その時のタイミングや環境、応援や協力をしてくれる人がいたからできていることだと思います。
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