『ポケモンSleep』筑波大学の共同調査 不規則な睡眠習慣の経済損失は年間約1兆円

2025/07/11 15:00 

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『ポケモンSleep』×筑波大学の調査結果報告

 ポケモン社は11日、睡眠研究所である『筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)』と合同で『睡眠と労働生産性』に関する新たなる調査結果を発表した。睡眠ゲームアプリ『Pokemon Sleep』では、これまでに10億回以上の睡眠が計測されており、今回の調査のテーマは「睡眠と労働生産性」。日本のユーザー約8万人を対象に実施し、調査の結果、ソーシャルジェットラグがあるユーザー群は、健康的な睡眠を取るグループと比較して、労働生産性の低下が著しく、その差は年間で13.6万円の経済損失に相当することが明らかになった。

【写真】カビゴン似の教授!公開された睡眠に関する調査グラフ

 ソーシャルジェットラグとは、仕事・学校などで制約がある平日と、時間に比較的融通の効く休日の入眠・起床時刻のずれを指す。このソーシャルジェットラグによって、まるで時差ぼけをしているかのような身体・精神的な症状が引き起こされる可能性があるため、社会的時差ぼけとも呼ばれている。このソーシャルジェットラグを測る指標として、入眠時刻と起床時刻の中央の時刻である「ミッドスリープタイム」(睡眠中央時刻)のずれがある。

 また、睡眠時間が十分でも、不規則な睡眠習慣を持っていると、労働生産性が低下することも示唆された。今回の調査を踏まえると、不規則な睡眠習慣による経済損失は、日本全体で年間約1兆円にのぼると推定された。

■「睡眠と労働生産性」に関する調査詳細
 今回は『Pokemon Sleep』での睡眠記録を7日間以上実施した79,048人を調査対象者とし、210万晩以上の睡眠データから調査を実施。『Pokemon Sleep』で記録された睡眠データと質問票調査によって回答されたプレゼンティーズムスコア・不眠の訴えの評価・日中の眠気評価を調査に用い、調査対象者を、睡眠に関連する特徴によって5つのグループに分類し、プレゼンティーズム・不眠の訴え・日中の眠気との相関を分析した。

 『Pokemon Sleep』で記録された睡眠データに基づいてクラスター分析を行ったところ、調査対象者は下記の5つの特徴的な睡眠グループにわけらた。「0.健康的な睡眠 指標のバランスが取れた良好な睡眠の群」「1.長時間睡眠 総睡眠時間が長かった群」「2.中途覚醒が多い 睡眠中の中途覚醒が多かった群」「3. 寝付きが悪く中途覚醒が多い 寝付きにかかる時間が長く、中途覚醒も多かった群」「4.ソーシャルジェットラグ 夜型で睡眠中央時刻が遅く、ソーシャルジェットラグも顕著な群」。

 また、「ソーシャルジェットラグ」群、「寝付きが悪く中途覚醒が多い」群の労働生産性が低く、特に「ソーシャルジェットラグ」群がもっとも低く、個人の年間経済損失は13.6万円に相当する。

【調査結果トピックス】
1.『Pokemon Sleep』のデータを分析したところ、約8万人のユーザーの睡眠パターンは5つの特徴的なグループ(「健康的な睡眠」「長時間睡眠」「中途覚醒が多い」「寝付きが悪く中途覚醒も多い「ソーシャルジェットラグ」)に分類された。

2.グループごとの労働生産性は「ソーシャルジェットラグ」群と「寝付きが悪く中途覚醒が多い」群が低かった。特に「ソーシャルジェットラグ」群がもっとも低く、個人の年間経済損失は13.6万円に相当した。

3.この2つのグループは、質問票調査による不眠の訴えの評価や日中の眠気評価においても悪い結果になった。

■柳沢正史教授(睡眠学者・『Pokemon Sleep』 監修者)コメント
 今回の研究では、日中に高いパフォーマンスを発揮するために、毎日の睡眠の規則正しい「リズム」が重要であることがあらためて示されました。多くの先行研究と一致する結果でもありますが、『Pokemon Sleep』の大規模かつ客観的なデータを活用し、睡眠の「リズム」が「量」や「質」とともにきわめて大切であることがわかったという点で大きな価値があると考えています。

 つまり、睡眠の「量」や「質」を追求するだけでは不十分なのです。 規則正しい睡眠リズムを維持するためには、理想的には平日から十分な睡眠をとること、また、休日に睡眠を延ばすにしても「ミッドスリープタイム」をできるだけ変えないように、休日の前の晩こそ早寝をすることがひとつのコツになります。毎日の睡眠リズムを『Pokemon Sleep』のようなゲームで楽しみながら可視化し、睡眠リズムを整えることで、毎日を充実して過ごしていただければと思います。
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