電車に大喜びする難聴の2歳妹と手話で会話する5歳兄の姿に反響「優しいお兄ちゃん」「テンショ…

2025/06/12 07:50 

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先天性高度難聴の2歳の彩奈ちゃんと5歳の兄・瀬凪くん

 先天性高度難聴で普段は補聴器をつけて生活をしている2歳の彩奈ちゃん。電車が大好きな彼女のために、電車を見に行き、電車が来た時には手話で教えてあげる5歳の兄・瀬凪くん。そんな兄妹の微笑ましいやり取りを収めた動画が、27万回再生を超える反響を呼び、「優しいお兄ちゃん」「2人の笑顔が素敵」「テンションの上がり方が可愛い」などとコメントが寄せられた。この動画を撮影した時の状況や普段の兄妹の様子について、投稿者のお母さんに聞いた。

【動画カット】電車が来るよ! 手話で教える5歳兄&大喜びする2歳妹「兄妹愛が微笑ましい」「2人とも可愛い」

◆難聴の2歳妹と手話で会話する5歳兄の姿に感動「2人の母で本当によかった」

――そもそも兄妹2人とも電車が好きなのですか?

「彩奈ちゃんは電車が大好きで、初めての言葉も1歳5ヵ月の時に手話で「でんしゃ」でした。瀬凪くんは電車がとても好きというわけではなく、妹が電車を大好きなことを知っていて、それに付き合ってあげている感じです」

――投稿された動画には多くの反響が寄せられています。当時の状況について教えてください。

「この日もお昼寝が終わって家の近くの電車がよく見えるポイントへ散歩に行き、彩奈ちゃんの電車観察に付き合ってあげていました。きこえない子が生まれてちょうど2年(当時)、きこえる瀬凪くんからすれば縁もゆかりもないはずだった手話という言語で、まさか2人がこんな風にコミュニケーションを取る日が来るなど、想像もしませんでした。それが現実となり、こんなにも微笑ましい日常のひとコマがそこにあり、『2人の母で本当によかった』と心から幸せな気持ちになったことを覚えています」

――2歳の彩奈ちゃんは、先天性高度難聴で補聴器をつけて生活しています。5歳の兄の瀬凪くんには、妹さんの難聴についてどのように伝えたのでしょうか?

「彩奈ちゃんが生まれた時、瀬凪くんは2歳8ヵ月でした。彩奈ちゃんがきこえないことは生後まもなく伝えましたが、瀬凪くんの月齢が絶妙だったと今になって思います。これ以上小さければ、そもそも妹が生まれたということ自体もいまいちわからなかったはずですし、これ以上大きければ、『なんできこえないの?』と質問攻めにあったかもしれません」

◆手話を使うことも自然に受け入れた5歳兄、「やさしくて穏やかな兄、おてんばで強い妹の構図」

――確かにそうですね。

「2歳8ヵ月という絶妙な月齢だったので、瀬凪くんは何の疑問も抱くことなく、彩奈ちゃんがきこえないのは当たり前のこと、手話を使うのは当たり前のこととして、自然に受け入れたのだと思います。5歳になった今に至るまで、『なんできこえないの?』と聞かれたことはありません」

――家族みんな手話ができるとのことですが、どのように習得していったのですか?

「家族(夫、私、瀬凪くん)は同じ日に手話の勉強をスタートしたので、私たちの手話歴はみんな同じです。ろう学校の手話講座や地元の手話サークルには家族で通いました。私たち夫婦は自治体の手話通訳者養成講座にも通いました。また、家庭内での共通言語が手話で、0歳の彩奈ちゃんに話しかけるときは常に手話だったので、日常生活でも自然に学習できました」

――兄妹2人は、普段どのように過ごしているのでしょうか?

「やさしくて穏やかな兄、おてんばで強い妹、という構図です。瀬凪くんは生まれた日から彩奈ちゃんのことを溺愛し、そんな瀬凪くんに対し、最近は少し鬱陶しそうに塩対応を見せる妹です。でも、困ったときには兄を頼っています。基本的には、いつ何をするにも兄は譲って妹に先にやらせてあげています」

◆仕事人間だった私も今ではすっかり“母”に「常に幸せを感じています」

――お子さんとの生活を通して強く感じたことを教えてください。

「私は外資系企業で営業職としてフルタイムで働いていて、日々プレッシャーを抱えています。だからこそ、『子育ては最高の贅沢』と感じています。仕事人間だった私も今ではすっかり“母”になりました。ワークライフバランスでいえば、今は完全にライフ重視です」

――子育てをする中で、「大切にしていること」や「幸せを感じる瞬間」は?

「仕事でどんなに理不尽なことがあっても、2人の子どもたちを見ると全部忘れてしまいます。仕事を引きずらずにきっぱり忘れて“母”になることができるのは、子どもたちのお陰ですし、常に幸せを感じています。仕事よりも母でいることをとにかく大切にしています」

――Instagramでは、ろう学校や保育園での日々についても発信されています。どのような思いで発信しているのでしょうか?

「Instagramを始めた当初(生後3ヵ月)は、難聴についての情報を集めるためでした。そこから、同じように難聴児を育てるご家族と繋がりを持ちたいという目的に変化しました。また、これから情報収集される方の役に立つかもしれないという思い、そして、難聴について広く知ってもらいたいという考えで発信するようにもなりました。最近は応援してくださるフォロワーさんも増えたので、みなさんに子どもたちの成長をお見せするという思いもあります」

◆SNSを通して親としても学ぶ機会に、応援コメントが原動力になっている

――SNSを始めた経緯は?

「軽い気持ちで発信をスタートしました。顔を出すことや個人を特定されかねない情報を出すことについても、そこまで深く考えていませんでした。というのも、当初はここまでたくさんの方々に見ていただくようになるなんて微塵も思っていなかったからです」

――辛辣な言葉などをもらうこともありましたか?

「フォロワーさんが増え、リールの再生回数が増えるにつれて、お叱りや忠告のようなコメントもいただくようになりました。SNSで発信することのリスクや、親として気をつけなければならないことについて学ぶ機会となりました」

――逆に、勇気づけられた言葉は?

「『微笑ましいです』といった温かいコメントや応援コメント、いつも見ていただいているからこそ気づく、ほんの小さな成長を褒めてもらえたりなど、総合して考えれば、SNSをやっていて得るものの方がはるかに大きいと感じています。みなさんからのコメントに元気をもらい、これからもInstagramを続けようと思う原動力になっています」
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