GLAY、30年の歩みとともに、リアルな未来像を“チラ見せ”した集大成ライブ【ライブレポー…

東京ドーム公演を終えたGLAY・TERU 写真:岡田裕介

【ライブ写真多数】メンバーのソロショット&hydeとGLAYの貴重なショットも!
■贅沢な演出と有名曲だらけセトリ、ファン目線に立った秀逸なメドレー
メンバーチェンジも活動休止もなく、進み続けてきたモンスターバンドは、終始リラックスした空気感を漂わせていた。そもそも国内では最も巨大な舞台が似合うGLAYである。ドームであってもステージまでの距離を近くに感じさせ、何よりもGLAYのファン=Buddyの期待にまっすぐ向き合っていることがヒシヒシ伝わってきたライブだった。
冒頭、ヘリコプターからダイブする映像につながるように、宙吊りのままロープを滑走してTERUが登場。真っ赤に照らされた空間に響いたのは、代表曲「口唇」のイントロだ。5万人で埋め尽くされた客席は一気に温度が上がり、「生きてく強さ」「グロリアス」と立て続けに看板曲を演奏。30年もの間、第一線で愛される楽曲を作り続けてきたその力量は、並大抵のものではない。誰もが口ずさめる名曲の多さに改めて偉大さを感じさせる一方、JIROとHISASHIのツインボーカルが聴けるパンキッシュな「BLACK MONEY」など、テンションの上がるコアなナンバーが挟み込まれているのもよかった。
「歌ってほしいときはマイクを向けます。マイクを向けないときは静かに聴いてください(笑)。そのぐらい心を込めて歌います!」とTERU。言葉を大切にしながら丁寧に歌う姿が印象的で、「みんなの思い出の曲もあると思う」と語ったあとは、「シキナ」「Missing You」などのエモーショナルで沁みる曲たちが、メドレー形式で披露された。聴き慣れた曲であっても、今のGLAYの熟練の演奏により、スクリーンに映し出された歌詞が新鮮に目に映る。中盤にもメドレーコーナーは用意されており、そちらではストリングス隊とともに「BE WITH YOU」「とまどい」「春を愛する人」といった秀逸なメロディの美曲たちが披露された。HISASHIが選曲したそうで、「Buddyのことを一番よくわかっているんじゃないか」とTERUは話していたが、まさしくその絶妙なセンスに脱帽した。
■未来を示唆する未発表デモを弾き語りで披露
TAKUROがセンターステージに立ち、ファンへ感謝の言葉を贈ったあと、「GLAYの音楽は、まず俺がギター1本でへっぽこデモを作ります。デモテープになる前の音を聞いてもらおうかな」とギターの弾き語りで「NEVER-ENDING LOVE」という未発表曲を演奏。フォーク調で力強いメロディが心に響いてくる。近い将来に新曲になるはずのデモをこの日に演奏した意味は大きかったと思う。耳に残る優しいメロディはピアノでも演奏され、スクリーンに「死ぬまでGLAYをやらないか」のメッセージが流れた。この演出はひとつの山場だったように思う。
豪華アレンジで披露された「pure soul」などでしっかり聴かせて、「BRIGHTEN UP」「疾走れ!ミライ」などのアッパーな曲で加速、緩急の妙で会場はヒートアップしていく。特に1994年発表の「彼女の“Modern…”」は、若き日のフレッシュさを残しつつ、ベテランらしい演奏面の滋味が加わり、曲がアップデートされたような印象を受けた。時間差のある楽曲たちが、同じ熱量で輝いているのだ。本編ラストは、誰もが歌いたくなる「SOUL LOVE」で、感動の大合唱が巻き起こった。
■ドームを揺らしたhydeの登場、同時代を駆け抜けた2人のハモリ
前日のアンコールは、同じ北海道出身で同時代を駆け抜けたYUKIがゲストだったので、いやでも期待は高まる。「誘惑」のイントロとともにスクリーンに映し出されたのはhydeとTERUのツーショットだった。割れんばかりの大絶叫が起こり、そこに被せるように2人の熱唱が突き抜けた。真っ白なファージャケット姿でサングラスをかけたhydeは、滑らかな高音を放ち、それを受けたTERUがパワフルに歌い返す。サビではTERUが高音パートのハーモニーをつける。こんな豪華な「誘惑」がこれまであっただろうか。
GLAYとL’Arc〜en〜Cielはともに1994年にデビューした。同じ年月を走り続けてきた盟友ではあるが、一緒のステージに上がるのは稀だ。曲が終わっても鎮火しない狂喜の声に「今までのが全部ウソだったみたい」とTERUは笑っていた。hydeは4人の正面に立ち、「一緒にこの時代を駆け抜けられて光栄です。30周年おめでとうございます」と祝辞を述べた。続けて、TAKUROのビンテージのストラトキャスターによる絶品ストロークで始まったのはL’Arc〜en〜Cielの「HONEY」。艶やかなhydeの歌声と柔らかなTERUのボーカルが溶け合う。今度はhydeが高音パートでサビをハモっていく。このシーンは、あの場にいた全員にとって忘れられない宝物になっただろう。「お互いに一緒の時代を歩んでいることが嬉しい。無理言ってお誘いしたら、快くお受けしてくれて、本当に感謝しています」、TERUは熱く語った。
いよいよフィナーレに近づき名曲「BELOVED」では、HISASHIがイントロのフレーズに入れず、最初からやり直して笑いを誘う場面も。大一番であっても肩に力を入れず、自然体で自分たちらしさを貫くところに、バンドの本質的な強さ、根源的な魅力を感じてしまった。4人の信頼関係や人柄は音楽に滲み出ているし、ファンにもしっかり伝わっている。ラストはストリングスを入れた「BEAUTIFUL DREAMER」。壮大な熱量を保ったままドラマチックだった宴は幕を閉じた。
「東京ドームは夢のような場所。日々の積み重ねとみんなの思いが重ならないと演奏することはできない。またやりたいね。10年後じゃなくて、3年後とかには」とTERUは語った。そして、終演後のスクリーンには、「永遠にGLAYをやりたいです」の文字。バンドに対する熱い思いは、ファンに向けての強い宣言へと変わっていた。
最後の最後まで幸せな空気が充満していた。「またドーム公演をやってほしい」「新曲が聴きたい」というファンの希望は近い将来に叶えられるはずだ。見届けたいと思う人がいる限りGLAYは色褪せない。この先も4人は変わらず前進していくと確信した夜だった。
(文・鈴木伸明)
■『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 GRAND FINAL』セットリスト
M01. 口唇
M02. 嫉妬
M03. 生きてく強さ
M04. グロリアス
M05. メドレー1(シキナ〜STREET LIFE〜Missing You〜都忘れ〜MIRROR)
M06. BLACK MONEY
M07. NEVER-ENDING LOVE
M08. 軌跡の果て
M09. つづれ織り ~so far and yet so close~
M10. pure soul
M11. メドレー2(BE WITH YOU〜ここではない、どこかへ〜とまどい〜SPECIAL THANKS〜春を愛する人)
M12. BRIGHTEN UP
M13. 彼女の"Modern…"
M14. 疾走れ!ミライ
M15. SOUL LOVE
【ENCORE】
M16. 誘惑
M17. HONEY
M18. BELOVED
M19. BEAUTIFUL DREAMER
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