KEY TO LIT・井上瑞稀、手塚治虫『W3』主人公の舞台版設定は「すっごい僕に近い」

2025/05/13 19:38 

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『手塚世界と私 ~W3ワンダースリーの出演者が語る~』に出席した(左から)成河、井上瑞稀、彩吹真央

 手塚治虫さんの漫画を原作とした舞台『W3 ワンダースリー』が6月から東京と兵庫で上演される。これに先駆け、『手塚世界と私 ~W3ワンダースリーの出演者が語る~』が12日、都内で行われ、ジュニア内グループ・KEY TO LITの井上瑞稀が出席。本作で演じる主人公・星真一へのシンパシーを語った。

【写真】手塚治虫さんを“囲む”井上瑞稀ら

 本会は、手塚プロダクションの協力のもと、舞台『W3 ワンダースリー』上演へ向けてより作品への見識を高めるべく、手塚治虫の聖地、手塚プロダクション事務所ロビーの「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」のキャラクターが展示されている中で開催。ほかに、俳優の彩吹真央、成河、演出・上演台本のウォーリー木下、手塚プロダクション湯本裕幸氏が参加した。

 舞台では、日本の田舎にある小川村に住む少年・星真一役を井上、星兄弟の母でF6号役を彩吹、秘密諜報機関フェニックスの一員である真一の兄・光一の潜入先で待ち受けるエーグニ警備隊のランプ役を成河が演じる。

 井上は自身が演じる真一について「1番等身大で10代、20代の方が1番共感しやすいところにいるのかなっていう感じはすごくしています」とし、「新一がたどり着いた結論みたいなところを見てくれた同世代の方たちに共感してもらえたら」と展望を明かした。

 また「すっごい僕に近いですよ」と明かした井上。隣で聞いていた木下も「ずっと言ってるもんね。『当て書きですか』って」と稽古場での様子を告白。井上は「年齢も24歳と今回の上演台本ではなっていて、今の僕と同い年っていうのもあって、すごく共感できる部分が多かった」と語った。

 原作で真一は「乱暴だけど純真な少年」という設定だが、今作では漫画を描くことが好きで理由を付けて家に残っているという設定だという。”原作改変”という形にはなるが、湯本氏は「現代の問題だよね」といい「手塚自身も連載時の流行りとか言葉遣いとか、単行本出るときに変わっていることもあった。本質さえ伝われば、今の人がわかるように変えていくってのは大事」と明かす。

 井上は「共感しやすいように書いてくださってる感じがするので、見てる皆さんが、最後自分にできることを見つけていただけたらすごくうれしいです。最後まで読んだときに、自分もこの反戦というものに対して1歩前に進めた気がしたので、そういった気持ちを持ってくださる方、それについて考えるだけでも変わってくるのかなっていう気がする。そういった方が増えてほしいなっていう風に思いました」と伝えた。

 本作の原作『W3』は、1965年~1966年まで『週刊少年サンデー』に連載されたSF漫画で、誕生してから今年で60周年を迎える名作。原作者である手塚さんは「ただ一つ。これだけは断じて殺されても翻せない主義がある。それは戦争はご免だということだ。だから反戦テーマだけは描き続けたい。」と語ったといわれている。

 そしてこの『W3』も、戦争、温暖化、食糧危機、地震やエネルギー不足など、人類が直面している自然と共存する上での多くの課題を抱えた地球の宇宙から観た姿を描き、宇宙からやってきたボッコ、ノッコ、プッコや、手塚漫画に欠くことのできないランプなど多彩な登場人物で構成され、反戦テーマをベースに描かれている。

 本公演は、6月7日~29日に東京・THEATER MILANO-Za、7月4日~6日に兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて上演される。
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