中村雅俊、50年前の主演ドラマの映画化で監督デビュー『五十年目の俺たちの旅』公開決定 秋野…

2025/05/12 08:00 

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映画『五十年目の俺たちの旅』2026年1月公開決定(左から)中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々(C)「五十年目の俺たちの旅」製作委員会

 1975年10月から日本テレビ系列で放送されたドラマ『俺たちの旅』の50周年を記念して、彼らの「今」を描く最新作として映画の制作が決定。主演の中村雅俊が監督も務め、本作で“映画監督デビュー”を果たす。当時のキャスト、秋野太作、田中健、岡田奈々も再集結。2026年1月の公開も決定している。

【画像】映画初監督を務める中村雅俊、メイキング写真

 ドラマ『俺たちの旅』は、中村演じるカースケ(津村浩介)、田中演じるオメダ(中谷隆夫)、秋野演じるクズ六(熊沢伸六)による青春群像劇。人生にもがきながらも生きることの意味を見つけていく彼らの成長が多くの若者の共感を呼び、当時一大ムーブメントを巻き起こした。ドラマの主題歌「俺たちの旅」は87万枚の大ヒットを記録、カースケの下駄にジーパンのスタイルも若者たちに大流行し、まさに昭和を代表する青春ドラマの金字塔となった。

 そんな『俺たちの旅』は過去10年ごとにスペシャルドラマとして3度制作されてきたが、40年のスペシャルドラマ制作を前にチーフディレクターを務めた齋藤光正監督が逝去。齋藤監督でなければこの物語の世界観は作れないという判断により、40周年ドラマの制作は断念された。それから20年、50周年を迎える今年、今を生きる彼らの新しい物語として映画の制作が決定した。

 齋藤監督の意志を引き継ぎ、監督を務められるのは彼しかいない、と、中村が大役を引き受けた。「とんでもない事になりました。50年前に連続ドラマで放送されていた『俺たちの旅』が映画になるというんです。もっとビックリする事が!!!私中村が監督をやります!!『俺たちの旅』を愛してやまない人たちに感動と懐かしさと切なさを提供したいと思っています」と並々ならぬ意気込みで報告している。

 ドラマシリーズから作品に携わってきた鎌田敏夫氏が企画・脚本として参加。さらに、マドンナ・中谷真弓役の岡田奈々の出演も決定。ドラマのメインキャラクターが再集結することになった。

 映画公開前の9月には、中村、秋野、田中、岡田の4人が22年ぶりに集結する『The 50thAnniversary 俺たちの旅スペシャルコンサート』を全国4都市、5ヶ所で開催。50周年の節目に『俺たちの旅』が令和の時代に華々しく戻ってくる。

■カースケ(津村浩介)役/監督:中村雅俊のコメント

 とんでもない事になりました。50年前に連続ドラマで放送されていた『俺たちの旅』が映画になるというんです。もっとビックリする事が!!!私中村が監督をやります!!『俺たちの旅』を愛してやまない人たちに感動と懐かしさと切なさを提供したいと思っています

■グズ六(熊沢伸六)役:秋野太作のコメント

 『俺旅』の映画化の話は以前からチラホラあってね。旧シリーズの出来があまりに良かったから「あれを超える作品は出来ないよ。半端なものなら作らない方が良い」とそのたびに僕は言い続けていたんだ。――そのせいだろうけど、今回の企画には、僕は当初、思い切り置いてけぼりを食らってね。撮入予定もかなり近づいてから「出る気がありますか?なければグズ六は死んだ事にします」なんていうオファーが突然舞い込んだんだ。ビックリだよ。おまけに監督は中村雅俊だっていうから仰天さ。いつの間にそんな話が、と思ったね。

 それからさらに、脚本の手直しで撮入も延びたりでさ……いろいろあったんだ。産みの苦しみかな?でもね。現場に入ったら、今度は毎日が夢のように感じたよ。(こんな幸運があるのか、夢なら覚めないでくれ)と僕は青空仰いで何度も思ったよ。雅俊君は相変わらずハッピーで側にいるだけで楽しいし、立派な監督ぶりなんだ。今のところラッシュ(アラつなぎした作品)を見た者の評判も良くてね。全ては僕の杞憂に終わったんだ。始めてみれば全て順調、問題なしだったのさ。――今、僕は、良い作品が出来上がるような予感がしているんだ。

■オメダ(中谷隆夫)役:田中健のコメント

 『俺たちの旅』放送開始から50年目を迎えました。この50年、いつもどこかで再放送も繰り返されて、未だに僕は「オメダ」と呼ばれ、「オメダ」に近づき、家族からは「オメダ化している」と笑われ、あきれられる中で、鎌田敏夫さんより続編の構想があるからと呼び出されました。ジーンズに白Tシャツで颯爽と現れた鎌田さんは、人生の終盤にかかった僕らのストーリーの構想を話してくださいました。

 人の本質は変わらない部分と時代と共に変化する部分があります。長年この作品を愛してやまない方々に、また、知らない世代の方々へも新たなストーリーを届けられることは喜びでもあり、模索を重ねた経緯からは正直少々不安も伴います。

 スタッフの大半、齋藤光正監督すら亡き今ですが、中村雅俊君がエネルギッシュに監督もこなしています。まさしくリアルカースケです。秋野太作さんも「グズ六」が息づき、精神的にも大人になられ一番強く葛藤を感じるのは、岡田奈々ちゃん演じる「真弓」でしょうか。紆余曲折ありながらもここに至るまで、各方面から様々な応援があり感謝しています。引き続き映画『俺たちの旅』も大いに応援ください。

■中谷真弓役:岡田奈々のコメント

 当時は私も16歳の高校生でした。
 真弓も3人のお兄様たちと再会が実現し、一気に50年前にタイムスリップ!
 まさか、50年後にスクリーンで帰ってこられるとは、、本当に奇跡のようです。
 中村監督の「よ~い、ハイ!」が、心地よく響きます。撮影はまだまだ続きます。
 私も完成をとても楽しみにしています。
 昭和、平成の時代を超えて、令和の今日まで続く、変わらぬ3人の熱い友情の集大成をご覧いただき、そして令和の真弓も見て下さいね。

■企画・脚本:鎌田敏夫のコメント

 『俺たちの旅』このドラマを貫いているのは、生きていくことの切なさです。人生の岐路にぶつかった時に、激しく葛藤し、強く反発し、勝手なことを言い合って馬鹿騒ぎしながらも心には相手を思うやさしさがある。

 自分の考えが正しく、相手が間違ってる。そう決めつけられれば人生はどんなにすっきりすることか。

 でも、と、彼らはいつも思う。人生はそんなに単純なものではない。違う家庭を持ち、違う育てられ方をしてきた人間が、同じ感情を持つことは難しい。それがわかっているから簡単に相手を責められない。相手を思い、その人生を理解しようとするやさしさがないとできないことなのです。

 ただあるときには、そのやさしさが心を迷わせる。足を疎ませる。どっちを向いて生きていくのかわからなくなり激しく対立し、別れ、出会い、また別れ。そのつど葛藤を繰り返しながら生きていこうとする姿を、このドラマは描いてきました。その「切なさ」を。

 そして五十年目。ドラマの彼らも年を重ね、それぞれ違う人生を生きて行っています。葛藤は強くなり、切なさも深くなります。ドラマの中の人間だけでなく作る側も同じです。スタッフとキャスト、みんなで紡ぎだす「切なさ」。それこそが『五十年目の俺たちの旅』だと思います。
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