中村義洋監督の深化するホラーへの眼差し 『呪いのビデオ100』から『見える子ちゃん』へ

映画『見える子ちゃん』(6月6日公開)(C)2025『見える子ちゃん』製作委員会

【画像】原菜乃華、久間田琳加、なえなの、山下幸輝ら学園生活の様子
原作は泉朝樹による人気ホラーコメディ漫画。突然霊が“見える”ようになった女子高生・四谷みこが、「見えないフリ」を貫いて日常を送ろうとする異色の設定を、中村監督は「本来見えないものが見えてしまうのに無視を決め込む、という発想にひかれた」と語る。
ホラーの緊張感と青春映画の爽やかさを併せ持つ、新たなホラーエンターテイメント。人気オカルト系YouTuberたちも本人役で登場し、劇中の“動画企画”とも連動。SNS時代に対応した恐怖演出も見どころだ。これまで、それぞれ異なるアプローチで日本ホラー映画の可能性を追求し、観る者に忘れがたい恐怖体験を提供してきた中村監督。これまでの代表作を振り返れば、その期待はますます高まる。
■『仄暗い水の底から』(2002年/脚本)
『リング』(1998年)で一大ブームを巻き起こした原作者・鈴木光司と監督・中田秀夫が再びタッグを組み、中村監督は脚本を担当。
物語は、離婚して幼い娘(菅野莉央)を連れて古いマンション引っ越した母親(黒木瞳)が、身の回りで起こる不可解な出来事に次第に取り込まれていき、衝撃の結末を迎える。
湿気や水をモチーフにした不気味な演出と、心理的恐怖を巧みに落とし込んだ脚本により、単なる恐怖映画を超えた一作に。後にハリウッドでもリメイクされ、日本ホラーの金字塔となった。
中村の緻密な脚本は、キャラクターの心理描写や徐々に明らかになる謎の構造において、後の監督作品にも通じる巧みなストーリーテリングの片鱗を見せた。最新作『見える子ちゃん』でも、その手腕は遺憾なく発揮されており、ホラー×エンターテイメント×青春という、新機軸の展開で繰り広げられる物語の結末に、観る者は初めての体験と感覚に包まれるだろう。
■『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』(2016年/監督)
第26回山本周五郎賞受賞の小野不由美による同名ホラー小説を中村監督がメガホンを取り映像化。物語は、小説家の「私」(竹内結子)が、友人から聞いた「住んではいけない部屋」の噂を追いかけていく中で、さまざまな不可解な現象に遭遇していく様子が描かれる。
本作で中村監督は、複数の時間軸と視点で物語が交錯する構成と、日常の中に潜む不気味さを際立たせる演出で、ホラー映画の枠を超え、人間の心の闇や過去の「穢れ」が現在に及ぼす影響を巧みに映像作品の中で描き出した。原作の持つ奥深いテーマ性との調和は中村監督の真骨頂と言え、日本ホラー映画の新たな可能性をもたらした。
最新作『見える子ちゃん』にも継承されており、中村監督が綿密に調査や知人の若手俳優や高校生へのヒアリングを重ねて、主人公みこたちの心情表現を丁寧に描き上げており、ホラーの中に見逃せないテーマ性をもたらしている。
■『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100』(2023年/構成・演出)
1999年にスタートし、今なお根強い人気を誇るホラー・ドキュメンタリーシリーズ『ほんとにあった!呪いのビデオ』。一般投稿による心霊映像を紹介する形式で、通算100巻以上リリースされ、ホラージャンルのレンタルランキングでも長年トップに君臨してきた。
中村監督は初期シリーズ(1~7巻)の構成・演出を担当し、「おわかりいただけただろうか…」の名ナレーションでも知られる存在。久しぶりに手掛けた『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100』(2023年)では、ホラーの本質に迫るメタ的視点を取り入れた挑戦的なアプローチが高く評価された。
最新作『見える子ちゃん』にも、オカルト系YouTuber・オウマガトキFILM、シークエンスはやとも、松嶋初音が本人役でゲスト出演。劇中には彼らの動画コンテンツ「【徹底】幽霊に絶対やってはいけない5つの事」も登場し、ネット時代のホラーとの接続を図っている。中村監督は今回もまた、時代とともに深化する“恐怖のかたち”を鮮やかに見せてくれそうだ。
■『見える子ちゃん』(2025年6月6日公開)
主演は、いま最も注目される若手俳優・原菜乃華。霊が見えるのに反応しない“全力無反応系エンターテイメント”という新ジャンルに挑戦した中村監督。これまで培ってきた恐怖演出と、人間ドラマの描写が融合し、ホラーファンはもちろん、青春映画ファンにも響く一作となりそうだ。
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