ビッグモーターのいま、損害保険代理店登録の取り消し処分→店舗に「ほけんの窓口」 仕掛け人が…

2025/04/04 18:00 

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4月4日放送『日経スペシャル ガイアの夜明け』より(C)テレビ東京

 テレビ東京の経済ドキュメンタリー『日経スペシャル ガイアの夜明け』(毎週金曜 後10:00)のきょう4日放送回は、リニューアルの初回として「独占!ビッグモーターその後密着1年半…再建への苦闘」を届ける。

【画像】リニューアルした『日経スペシャル ガイアの夜明け』で「新案内人」を務める長谷川博己

 保険金を水増しして不正に請求していただけでなく、除草剤をまいて街路樹を枯らすなど、数々の不祥事が発覚したビッグモーター。赤字が続き、経営危機に陥った会社を買収し、再建に名乗りをあげたのが、大手商社の伊藤忠商事だった。果たして伊藤忠は、不正を起こした企業の体質を変えることはできるのか。再建に奔走する商社マンの苦闘に密着する。

 2024年5月、伊藤忠商事などはビッグモーターの事業を引き継ぎ、「ウィーカーズ」を設立。看板は掛け替えたものの、250の営業拠点や建物は同じ。ただ、ビッグモーターの創業家や旧経営陣は、経営に一切関与せず、舵取りは伊藤忠側から送り込まれた人たちが手がけることになった。その再建の中心に立っているのが、ウィーカーズの経営企画部長、合六渉氏。ビッグモーター問題が起きた際、伊藤忠の中で買収に動こうと、社内で稟議書を書くなどして、買収に向けて強く動いていてきた人物でもある。

 合六氏らウィーカーズの新経営陣はまず、ビッグモーターの企業風土を分析。社員の意識改革・コンプライアンス改革に着手した。ビッグモーターの営業力の強さの源泉の一つが、給与水準の高さ。年収3000万円以上稼ぐ社員も珍しくなかった。その裏で、保険金不正請求事件の舞台となった「板金・塗装」の部署では、事故車両1台当たりの修理による収益ノルマが14万円前後と厳しいプレッシャーがあった。現場ではゴルフボールを当てて、修理箇所を水増しして請求していた事案などが起きていたのだ。営業力の強さを維持しつつ、給与システムを再構築できるのか。

 22年にビッグモーターで103万円の軽自動車を購入した60代のA氏。しかし、シートベルトの根本部分が錆びているなど、水没車の疑いがある車を購入させられたとして、ビッグモーターを相手に損害賠償を請求する訴訟を起こした。だが、ビッグモーターの問題発覚後、事業は伊藤忠に買収された一方で、債務の返済や全国で相次ぐ訴訟に対応するのは、BALM(バーム)という別会社。そのBALMは24年12月、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。債務の額が確定していないことから事実上、裁判がストップしている状態。A氏は旧ビッグモーター、そしてウィーカーズに対して「表面を塗り替えただけ。メッキと一緒。そんな虫のいい話なんてない」と怒りをにじませる。

 保険金の不正請求問題を受けて、金融庁から損害保険代理店の登録を取り消す処分を受けたビッグモーター。その事業を引き継いだウィーカーズも保険代理店の登録ができていないまま、現在も保険を取り扱うことができない状況が続いている。だが、そのウィーカーズの店舗には「ほけんの窓口」のブースが。実は、このほけんの窓口は伊藤忠商事の子会社。保険を扱えないウィーカーズの弱点を伊藤忠グループのシナジーを出す形で補強した格好だ。その仕掛け人が合六氏。「必ずしも損害保険代理店の再登録を目指さない」と語る合六氏が目指す、新たな挑戦とは。
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