FIVE NEW OLD×アインシュタイン河井ゆずる対談 大切なのは「自分のテリトリーをし…

バンド結成15周年を迎えたFIVE NEW OLDとアインシュタインの河井ゆずる 撮影:草刈雅之

【写真】FIVE NEW OLDファンを公言する河井ゆずると対談
――対談に先立って、まず初のベスト盤『FiNO is』について、選曲のポイントなどを教えてください。
【HIROSHI(VO・G)】自分たちがバンドを15年も続けられたこと、ベストアルバムを出せるくらいになれたことが、まず何よりも嬉しくて。だからこそ、この1枚に何を詰めたらいいのか本当に悩んだんですけど、僕らはライブをすごく大事にしてきたので、ライブのように楽しんでもらえたらとセットリストを組むように選曲していきました。その中で、1曲目は「By Your Side」かなと思って。
――その理由は?
【HIROSHI】バンドのコンセプトとして「ONE MORE DRIP」(“日常にアロマオイルの様な彩りを”)というものがあるんです。変わらない日常の中で、息が詰まりそうになった時に、ふっと風通しをよくしてくれる音楽でありたい。「By Your Side」はまさにそういう想いの曲ですし、メジャーデビュー曲、しかもこの曲って当時はまだメンバーは3人で、SHUNくんがアレンジャーとして初めて今の4人で作った曲なので、ここから始まるのがいいなと思ったんです。
そこが決まったら、あとは自然な流れて19曲を並べていって、最後の「Take Two」は、元々SixTONESさんに提供した楽曲で。セルフカバーしてみて、これはFIVE NEW OLDの音楽がリスナーのみなさんに言っている言葉なんだなと思えて、どこか「By Your Side」とのつながりを感じたんですね。それで、「あなたの傍に」っていう「By Your Side」から始まり、「Take Two」で15周年のベストアルバムを締め括れたのがすごく良かったなと思っています。
――その15年の中で、河井さんとの交流はいつ頃から?
【河井】ファッションショー『神戸コレクション』(2023年)でアインシュタインがMCを務めた後ですね。
――YouTubeにも公式動画がありますが、HIROSHIさんが河井さんを呼び込んで、急きょFIVE NEW OLDのステージに飛び入りした時ですね。
【HIROSHI】歌いながらステージ袖を見たら、ゆず兄(河井)がずっと手を叩いてくれていて。
【河井】目が合った瞬間「ヤバッ!」と思って(笑)。『神戸コレクション』の前にラジオ番組のゲストに来てもらったことがあったんですけど、僕が一方的に曲を聴いていて。それでこの日、「一緒に仕事ができるんや」と思って、袖のギリギリ前まで出ていって、初めてライブを観させてもらって。
【HIROSHI】なんかもう後先考えず、咄嗟に手を引っ張って(笑)。
【SHUN(B)】あの日は生楽器だけの編成で、演奏も自由にやろうと言っていて。そんな中でゆず兄が出てきた時は、ちょっと笑っちゃいました(笑)。
【HAYATO(Dr)】嬉し笑い。オレも前に出て行きたかったもん(笑)。
【WATARU(G・Key)】ちょうど出て行く瞬間が見えて、「うわぁ、やりよった!」って(笑)。ゆず兄には申し訳ないですけど、めっちゃ面白くて、思い出の残るライブになりました。
【河井】人生で一番緊張したけど(笑)、みんなのライブはこの時が初めてで、音楽の素人が聴いても「プロのミュージシャンってこんなにすごいんだ」って、より好きになりました。僕らで言うところの「劇場でしっかり漫才がウケる人」っていうか。
【HIROSHI】アインシュタインさんもステージを大切にされているから、そう感じてもらえてうれしいです。ただお笑いって、新ネタをライブで下ろして、現場でネタを磨いていくじゃないですか。そこが音楽と一番の違いだと思っていて。僕らも最近、たまに新曲をライブで初披露したりしているんですけど。
【河井】でもそれって、お客さんからしたらめっちゃ嬉しいことなんじゃない? それに、お客さんの前でネタを下ろしてみて、初めてわかることもたくさんあるし。
【HIROSHI】その話で思い出したんですが、ベストアルバムにも入っている「Hole」って曲があって。インディーズ時代に作った曲で、当時はパンクとかメロコアをやっていたんですけど、この曲ができて、パンクなセットリストの中に、突然、この曲を入れたんです。でもお客さんの反応が良くて、500枚作った会場限定CDがすぐに売れて。だから「Hole」をライブで初出しした時、お客さんのウケが良くなかったら今のFIVE NEW OLDはなかったかなって。
【河井】なるほどね。それはすごい話やね。僕はベストアルバムのどの曲も好きですけど、強いて挙げるなら、「What's Gonna Be?」かな。「神戸コレクション」の思い出の曲でもあるし(笑)。でも本当に、「Happy Sad」「What's Gonna Be?」「Hallelujah」の流れは、ちょっとたまらない。実は最初に収録曲のリストをもらった時、「どの曲が入ってるんだろう」って想像しながら、ドラフト的な感じで1曲ずつ曲名を見ていったんですよ。僕は「Please Please Please」が入っててほしくて。でもなかなか出てこなくて「ヤバイ!」ってなってたら、17曲目に出てきて。しかも、「Breathin’」からの「Please Please Please」が嬉しかったですね。
――メンバーのみなさんも、それぞれ想い出深い曲を挙げていただけますか?
【SHUN】ベストアルバム用に再録した曲の中では、「Liberty(feat. ODD Foot Works)」を最初に録ったんですけど、アレンジをどう変えるかすごく話し合ったんです。結果、あまり変えすぎずにライブでやってきたことをそのまま録ってみたら、ペコちゃん(Pecori/ODD Foot Works)のラップも含めて、みんなシンプルに上手くなっていて。わざわざアレンジを変えなくても、ちゃんと変化を感じられたことがすごく印象的でした。
――WATARUさん、HATATOさんは?
【WATARU】僕がライブで、ギターだけじゃなくピアノも弾くようになったきっかけが「Ghost In My Place」で。インディーズ時代に作った曲で、ライブでもこういうピアノ曲ができたらないいなと、それで練習しはじめたんです。最初にリリースした時はちょっとエレクトロっぽいサウンドで、メジャーデビュー時にバンドサウンドにアレンジを変えたんですけど、今回は根本に立ち返って、またエレクトロサウンドを今の自分たちの形で再録しました。そういう意味でも、まだまだ表現の幅があるなっていう発見もあったし、今回の再録で「Ghost In My Place」がやっと完成したという感覚もあります。
【HAYATO】再録曲という点では、僕はゆず兄も好きだって言ってくれた「What's Gonna Be?」です。この曲で知ってもらえた方が多いっていう想い出もありますし、僕らは“パヤパヤホーンズ”って呼んでるんですけど、ホーン隊が入ったライブアレンジで再録できて、この曲のいい部分をよりブラッシュアップできました。個人的にも「ドンタタッドンタッ」っていうリズムが、簡単そうに見えて実はとても難しくて。
【河井】へぇ!そうなんや。
【HAYATO】抑揚というか、ハマりが悪くて、当時、必死にレコーディングしたんです。
【HIROSHI】最初にライブでやるとなった時も、みんなそれぞれの「ドンタタッ」っていうノリがあって、「なんか違う」となって。それで楽器を置いて、手を叩いて練習したんですよ。
【HAYATO】ライブ前の楽屋で、みんなで手を叩いたり。そうやってライブをやっていく中で、ようやくこのリズムが身体に入っていったんですが、再録時に「まだ甘い」と感じて。だから、もっとドラムを頑張らないとって気付かせてくれた曲です。
【河井】そんな話を知って曲を聴いたら、ファンのみんなもまた違った楽しみか方ができそうですね。
【HIROSHI】再録曲で言うと、ゆず兄が入ってるかどうかでドキドキしてくれた「Please Please Please」は、歌詞を英語から日本語に変えたんです。曲自体がちょっと80年代歌謡とかシティポップ的な香りがするので、「お願い、僕のそばにいて」っていうすごく甘い曲を、英語では歌えていたけど、日本語でどう言えるだろうかと挑戦をして。僕は結構、言葉をはぐらかすというか、ちょっと違う描写で愛を伝える表現が好きなんですけど、この曲では、ストレートな言葉を大切に置くことでロマンスが宿るようにできたので、書き手として、歌い手として、自分の殻を破ることができたという感覚がすごくありました。しかもシングル曲でもないのに、ゆず兄をはじめたくさんの方に大切にしてもらえて。ファンのみなさんと一緒に積み上げてきたからこそ、こういう新しい形で届けることができたと思っています。
――まさに15年間積み上げてきたものが凝縮されたベストアルバムだと思いますが、アインシュタインさんも来年で結成15周年。ほぼ同じキャリアを歩んできた同志、お互いに15年の苦労や変化をどのように感じていますか?
【河井】特にここ5年くらい、お笑いは本当に激動で。僕はテレビに憧れてこの世界に入ったわけですけど、もう今は、子どもの頃に見ていたテレビではないので。だけどやっぱり、みんなに「テレビって面白いな」と思ってもらえるように頑張らないといけないし、自分自身も世の中の変化についていかないとダメですし。エンタメ自体の数も種類もすごく増えてきて、いろんな娯楽がある中で、ちゃんとお客さんに実際に劇場へ足を運んでもらえるような芸人にならないといけないなっていうふうに思っています。
【SHUN】そのために、何を一番大事に考えているんですか?
【河井】一番は、劇場かな。お金と時間をかけて来てくれるお客さんは、やっぱり一番大事にしたいなと思うし、そこをね、『神戸コレクション』でライブを観させてもらった時にすごく感じたんですよ。1~2曲を聴いただけで、これは相当ライブを大切にやってきたバンドなんだろうなってすぐに感じて、めっちゃ感動して。やっぱりライブって、絶対に嘘をつけないし、逃げられないから。
【HIROSHI】僕らの15年も、ゆず兄の感覚と近いところがあって。音楽の聴かれ方も様変わりして、サブスクが増えて、アルバムというものを聴く人がどんどん減ってきた中で、ベスト盤とは言え19曲入りのアルバムを出す意味って何だろうってすごく考えたんです。リスナーの変化に向き合いながら、自分たちが絶対に手放しちゃいけない軸を大切にして、どうFIVE NEW OLDを続けていくのか。禅問答みたくなっちゃうんですけど、やっぱりこの4人で音楽を作っていられることが大切で、幸せなのかなって。ちょっと真面目な話になっちゃうんですけど、僕たち、何気ない日常に花を添えるような音楽でありたいと考えていて。ゆず兄も、公式YouTube『プレハブチャンネル』とか、「暮らし」をとても丁寧に考えているじゃないですか。極論を言えば、お花や絵を飾るってただ生きていくだけならそこまで大切なことではないのに、ゆず兄は、どうしてそれを大切にしているのか聞いてみたくて。
【河井】なんやろうね。……例えば、大切にしたい人とか物とかいろいろあるけど、それって全部、最低限、自分を満たしてからじゃないと大切にできないと思っていて。まずは自分の範囲のものをできる限り大切にして、その次が、家族だったり、友達だったり、先輩や後輩、もちろんお客さん。そこまで守るには、まずは自分のテリトリーをしっかりしないと。なんぼ張りぼてで見栄を張っても、絶対に嘘はバレるから。
【HIROSHI】僕らもロックバンドの「社会を変えようぜ」っていうエネルギーが大好きで。でも日本だと、まだまだアーティストが社会や政治のことを言うのが難しい状況があって。それってなぜだろうって考えた時に、やっぱりみんな余裕がないからだなって思ったんです。
【河井】うんうん。ほんまにそうやね。
【HIROSHI】だから、ゆず兄の「自分に余裕がないと周りのことも大事にできない」っていう話は、まさにそれだと思えて。最初にラジオ番組でお話させてもらった時も、ゆず兄が僕らの曲を聴いてくれていたっていう嬉しさ以上に、そういう部分にすごく共感して。『神戸コレクション』の後、みんなを飲みに連れて行ってくださったじゃないですか。その時にゆず兄、オーバーオールの服を着てたんですよね。
【河井】ああ、着てた着てた。
【HIROSHI】あの時、僕もオーバーオールで「これは何かある」と勝手に思って。そしたら今日、ゆず兄はカーディガンじゃないですか。僕も今日、私服はカーディガンなんですよ!
【河井】知らんがな! それはたまたまやろ(笑)
【HIROSHI】いや、僕はたまたまではないと思っていて(笑)。僕らはアインシュタインさんと一緒にツーマンライブをやりたいと思っているんですよ。
【河井】えっ、オレらと!?
【HAYATO】今、オファーしちゃっていいですか!?(笑)
【SHUN】出番の後は一緒に曲も歌ってもらって(笑)。
【河井】それはアカン! もう、その日が嫌いになってまうから(笑)。
【HIROSHI】(笑)。でも本当に、いつか一緒にライブをやれたらと思っていて。そのくらい、今日はゆず兄と対談できて嬉しかったです!
文・布施雄一郎
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